SF百科図鑑
ケイト・ウィルヘルム「計画する人」
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匿名ユーザー
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2001年
8/30
ウィルヘルム「計画する人」★★★★1/2
動物を知性化する研究と、この研究を進める心理学者の研究ストレスによる幻覚や心理的葛藤とが二重写しになった非常に複雑な作品で、流し読みすると分かりにくい小説です。メインストーリーの中に主人公が見る幻覚シーン、幻覚と思しいレイという女性、心の通わない妻との疎遠な関係によるストレス、といったウィルヘルムらしい根暗な心理/幻覚描写が唐突に説明もなく差し挟まれるため、難解ですが、他で見たことのない強烈にユニークな作品であることは認めます。とっつきにくさで半点減点(笑)。
この三作、大満足でした。早川もくだらない本ばかり出している暇があったら、この「ベストフロムオービット」のような本を復刊してほしいですよね。ああ~、名作保存委員会という団体を発足させようかな。