SF百科図鑑 ジョン・ブラナー『星は人類のもの連盟』創元


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2001年

3/13
シルヴァーバーグ「内死」フィニイ「ふりだしに戻る上下」「アシモフス4月号」購入、ドゾア短編集届きました。

ブラナ-「星は人類のもの連盟」★★★1/2
意あまって力足りずという感じでしょうか、個人の生き方と、人類の文明/進化論、異民族とのコミュニケーションを追究するシリアスな内容ながら、いささか突っ込みが足りず空回りの印象があります。「星は人類のもの連盟」の犯行声明、異星人や地球人に対する殺人未遂事件とその謎解き--というミステリ仕立ての内容ですが、トリックも犯人もあまり意外性はなく、突っ込みが足りない。とはいえ、未熟ながら意欲は買えます。あくまで手探りの段階の習作の域を出ませんが、この習作があったから「ザンジバル」以後のブレイクアウトがあったのでしょう。このラストは、ブラナ-版「幼年期の終わり」という感じですね。

というわけで、次は(洋書)ブラナ-「衝撃波を乗り切れ」(和書)ハリスン「人間がいっぱい」です。ちなみにハリスンの必読作としては他に「宇宙兵ブルース」「テクニカラータイムマシン」「死の世界」「囚われの世界」「大平洋横断トンネル、万歳!」「ステンレス・スチールラット」などがあります。このうち基礎教養といえるのは、「人間がいっぱい」のほかでは、ハインラインやアシモフへのハリスンなりの回答を示した軍事SF「宇宙兵ブルース」が重要です。「囚われの世界」は、ワタナベに1000円の格安でありました。「宇宙兵ブルース」は1300円でしたがこちらはもっと安い店がありそうです。この中でいちばん盲点なのは「大平洋横断トンネル」でしょうね。実はこの作品、地味ながらオールディスが誉めているんです。娯楽/アクションSFのイメージが強いながら、ニューウェーヴ運動が始まるや突然シリアスな作品を書き出したという点でブラナーやシルヴァーバーグと似た作家ですが、この作家だけは賞と縁がなく、いささか過小評価されている気がします。ニューウェーヴ好きからも、コミカルな作品のイメージが強いせいか、やや軽視されているような気がしますしね。