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アーシュラ・K・ルグィン「バッファローの娘っこ、晩になったら出ておいで」

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2001年

2/25
ルグイン「バッファローの娘っこ、晩になったら出ておいで」★★★★★
何とも奇妙な味のファンタジー。スペキュレイティヴという形容が相応しい。飛行機事故に遭った少女が迷い込む、あちらの世界。奇妙な動物たちとの奇妙な生活。2種類のひと。2つの世界の境界、時間の流れの違い。ファンタジーではあるが辛辣なブラックユーモアと悪夢に満ちており、シュルレアリスムや不条理文学の趣すらある。次々出てくる奇妙な動物キャラクターの造型がすばらしいが、やはり傑作なのは母親役をするコヨーテ。自分のウンコを子供にして話しかけるくだりなど爆笑せずにいられない。また、すぐに歌いながら踊り始めるのも傑作。70年代のような簡明なSFではないにせよ、ルグィン未だ健在を示す傑作といえる。

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