SF百科図鑑 Paul Anderson "Hunter's Moon"


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2000年

10/28
「狩人の月」読み始める。またまたアンダースン御得意の異星文化人類学ものか? いきなり2つの太陽を持つ星の原住民が出てくる。人間?にもらった道具を使って狩をしている。と思ったら場面が変わり、また駐在する学者が出てきた。こうなると「肉の分かち合い」の系統か?と思ってしまう。まだ冒頭部分だけなので読む内に変わってくるかも。

そうそう、SFM10月号も少し。
マーティン「・・・ただ一日の昨日とひきかえに」★★★1/2。LDG代表格マーティンだが、この作品はあまりにも70年代っぽすぎて古い感じがする。大破壊後の話なのに、キースの歌う曲は70年代の曲ばかりだし。ミーアンドボビーマギーなんて当時は最先端だったのだろうけど、今から見ると、フランクシナトラとイメージ的にさしてかわらん(笑)。てなわけで70年代に青春を過ごした今40~50代ぐらいの人のみに特化された作品といえ、他の世代の人には楽しみにくい。良くも悪くも70年代。

「狩人の月」進む。アンダースンらしく異星原住民の文化に関する学術的議論が展開。メデア星(太陽も二重らしい)の原住民は2種類おり、一方を夫/他方を妻がmindscanを協力的な原住民につけさせて分析している。原住民に科学概念なく、scanされているという理解はないが、妻がscanerをつけさせ夫が遥か上空で受信分析するという方法をとっている。この2種族は、相互に「war」の状態にあり(但し人間の概念への比喩的表現)、一方が他方を攻撃/殺害して食べる。食べられる側は人類の入植地に出入りするが、食べる側は入植地には入らないためscanするためにその居住地まで赴く必要がある。食べる側の生理システムは、女性から男性、後性(postsexual)へと変態し、後性に変態すると風に乗って海を越え、極寒の<彼方の地>(Farside)へ行って死ぬ。
アンダースンはこのような生物学的にも文化的にも全く異なる2種族がいる惑星を仮設し、入植した研究者がその相互関係や文化的精神的本質の分析を行うという、同種のテーマを扱った「肉の分かち合い」と同じスタイルをとってミステリータッチでの思弁を展開する。「肉の分かち合い」では単純なオチをつけたために折角のハードで奥深いテーマが台なしになったが、この作品はどうだろうか? 三つの性を持つ種族など、アシモフ「神々自身」ヴィンジ「琥珀のひとみ」を思わせ、特に「琥珀のひとみ」とは設定等似通っているが、アンダースンの方がよりハードSF的である。今のところかなりの傑作の予感がある。もし傑作であれば是非全訳してみたい。

10/29
天皇賞はテイエム。固い。フサイチソニックが無事だったらなぁ・・・。今後も国内馬で止めそうな馬も他に見当たらず、盛り上がりに欠ける。これでは売り上げ減も仕方がないのでは? 4歳馬の台頭もなさそうだし・・・。ああつまらない。アドマイヤボス、トーホウシデンあたりがJCに出てきて、一矢報いて欲しいところ。あ、トウカイオーザでもいいけど、当分条件戦使いそうだしな。
あと興味が持てそうなのは3歳戦ぐらい。今年はBT産駒の調子がいいし・・・。

(略)

11/3
ロングイヤー1作目「ジェイレン」★★★★1/2。予想外によい。典型的な娯楽的ミリタリーSFだが、異星人の視点からの描写というのが新しいといえば新しいか(その割にはあまりに思考が人間的なので、思弁性はあまりないが)。ストーリーの運びがうまく、一気に読ませるし、情に訴えるテクニックもツボを押さえている。それ以上のものではないかも知れないが、これはこれでいいと思う。

アンダースン「狩人の月」★★★★。うーむ、結局型にはめてしまうところが良くも悪くもアンダースンらしい。夫婦の確執という俗なネタをメインアイデアに絡ませるところがまた何と言っていいのか。核は「肉の分かち合い」と同じく生物学的アイデアで、ネタ自体もほとんど同じ、「食われる」のが人間でなく別種族というのが違うだけ。で、最後、結局救われて終わりというのも似ている。いちおうきっちりまとまった水準作だとは思うが。夫婦のどろどろをもっと前面に出して、ストーリーに絡めたら凄いものになるだろうが、アンダースンにそれを求めるのは無理か。まあ、それなりに楽しめたのでよしとします。この手の生物学ネタ、この作者結構好きでいろいろ書いているようなので、本に纏めたものを読んでみたい気がする。

「狩人の月」一通り読んだので次は精読してみる。

「現実とは感じ取るものではなく、我々が頭でつくり出すものである。そう考えないと驚くべき破局をもたらす。歴史的悲劇の本質の大部分は、この果てしのない過ちの繰り返しに端を発する。オスカー・ヘムル「Betrachtungen uber die menshuliche Verlegenheit」」

最初の引用は、要するに、「心理汚染」を描いたこの作品を象徴するテーマである。

「太陽は二つとも沈んだ。西の山並は、<越境の地>の寒気が触れて、波頭が最高潮に達した時に凍り付いたまま動かない黒い波、<約束の地>に向かう航路にまず立ちふさがる海の障壁になった。天はその上に輝き始めた星ぼしと銀色の三日月になった二つの小さな衛星に彩られて紫色に輝き、それ自体が<約束の地>のようだった。しかし東の空はまだ青かった。海の上のルーイのほぼ全体が輝き、その深紅の輝きを横切る環状帯が発光を始めた。その空地の下には風が目に見えるかのように水が震えていた。」

ここの後半の文章がいきなりわからない。結局この「ルーイ」というのは何なのか、建物なのか? 海に浮かんでいるのか海の中に建っているのか? 発光しているbandsとは何? ルーイがcastするgladeとは何か? gladeは林の中の空地、アメリカ英語では沼沢地(everglade)を指すが、海の上にあるルーイがなぜ「空地」や「沼沢地」をcastするのか、さっぱりわからない(笑)。しかもその下で水が震えるというんだから。その後どこかで説明があると思って読んでいたが、結局よくわからなかった(笑)。

「エ・イアクも涼しくざわめく風を感じた。彼の全身の見事な毛の一本一本がそれに答えた。力の感覚と、旅においても運命においても<群れ>と一つでいることを感じるための十分な努力をしていれば、道を踏み外さぬよう意識して進む必要はなかった。ほの白い虹色の彼らの球体が彼を取り囲んでいたが、通り過ぎる地面の向こうにほとんど隠れていた。彼は一番高いところに上がった。彼らの生活臭が甘く性急にあたりの空気を満たした。何百という声が合唱した、彼らの魂が合わさってひとつの<魂>になれかしと。西の彼方の地に待ち受けるものの予兆。今夜、<パ>がルーイを渡れば<輝ける時>が戻ってくるのだ。既に彼らは狂喜して有頂天の体であった。」

やっぱりめんどくせえ。しょっちゅうフリーズ、クラッシュしやがるので、とても長文を入力するのに堪えない。異常に時間がかかる。やっぱり、紙に手書きの方が早いか。ちょっと速く入力するともうついてこれないので。それに、大した作品でもないので、いちいち日本語に直すまでもないだろう。やはり名作以外、訳す価値はない。

その代わり何度も読んで、出てきた単語がどう使われいるかを確認してきっちり覚える方が大事だ。特に多義語は意味を調べている時の想定と違う使われ方をしていたりして。