SF百科図鑑 アイザック・アシモフ『世界SF大賞傑作選8』講談社文庫


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2000年

10/8

次、第8巻。
「接続された女」★★★★★
凄い。女エリスンという感じの過激で暴力的な内容、ドライな文章。後世のサイバーパンクやナノテクSFを先取りする内容といい、凄いとしか言い様がない。自ら正体を明かすまで誰もが男と信じていたのもしょうがない(笑)。しかも、超然と突き抜けているように見せて、ラストで語り手の正体が明かされて、SFとしての小ネタもツボを心得ているし。大傑作ですな。
で、「ライアへの讃歌」、わたしのオールタイムベストのひとつであるこの作品が入っているだけでこの第8巻の★★★★★は既に保証されたも同然。これほどの名作が、未だかつてこの文庫本でしか日本語で読めず、SFMですら再録されていないというのは全く憂うしかない。幻想的で情感に溢れたシュキーの描写、グリーシュカという魅力的なアイデア、生き生きした魅力的で人間的なキャラクター、甘くほろ苦いラヴストーリー。美しすぎます。マーティンはこの作品に心酔するあまり、「サンドキングズ」とかホラー味を帯び始めた後の作品はあまり印象に残っていないのが残念。また初期の短編はあまり訳されていないんだよね。僕個人としてはホラー傾倒後のマーティンは要らないとすら思っているぐらいなのに。それぐらいこの作品への思い入れは強烈。「ナイトフライヤー」原書注文しているんだけど、まだこないなあ。
あと、同世代でヴァーリイというのも割と好きなんだけど、でも情感溢れる描写力という点で初期マーティンのほうがやっぱり上、個人的には。また例えば「残像」なんて有名な作品があるけど、ネタは「ライア」からの着想という感じがして 二番煎じの感を拭えず、だから世評は「ヴァーリイの最高作!」と言われてるけど個人的には結構白けてしまった。ヴァーリイのベストは、だから「ブルーシャンペン」に入っている諸作品だ。
で、今、エリスン「ランゲルハンス島」半分まで来ました。この本が終われば、いよいよ原書の「第4集」に入れるぞ! 今回は個人短編集は極力後回しにし、連作ものだけ並行して読むと言う方針なので進行が早い。後は「わが名はレジオン」「スターダンス」以外はSFMとアシモフアンソロジーでつぶせそう(あと、「琥珀のひとみ」「聖者の行進」ぐらいか)。

10/9
「ランゲルハンス島沖を漂流中」★★★★
メタファの多用、複雑な構成の技巧的、実験的な作品。自分の体内を文字どおり自己探究する話。膵臓のランゲンルハンス島が文字どおり「島」で、血の海をボートを漕いで辿り着く(笑)。表面的な話の裏に、何重かのメタファの層がありそうだが、何回か再読が必要。いずれにしろエリスンしか書けない話。前半は安部公房とかと似てるんだけど(「壁」とか)、後半はエリスンだよなあ。
ヒューゴー8読み終わる。