SF百科図鑑 ジョー・ホールドマン『終りなき戦い』ハヤカワ文庫SF


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1999年

10/12
本日よりホールドマン「終わりなき戦い」読み始める。
面白い、まぢで。去年のヒューゴー賞受賞作で続編か何かと思われる「終わりなき平和」もさっき、スティーヴンスンの「ダイヤモンドエイジ」と一緒に注文したところ。さすが作者自身ベトナム戦争に従事してただけあって、軍隊の雰囲気とか、次々あっけなく仲間が無意味に死んで行くドライな描写とか、とってもリアル。戦いの疲れを癒すために、登場人物が毎日やりまくっているというのも、そこはかとない救いがたさが漂ってて。
しかしこの作品、70年代前半の作品なんだよね、昨日の決意とは隔たってしまうけど、しかし面白いのだからしょうがない。「終わりなき平和」の予習の意味で&&と言い訳しつつ、読む。次はちゃんと80、90年代のを読みます。
とかいいつつ、ビジョルドはいきなり古いのを飛ばして、「ヴォル・ゲーム」から読み始めてたりするし(今日買った)。
後、ブリンとイーガンの短編集を原書で買った。
ブリンのイルカもの2作(なんじゃそりゃ)は明日買う。今度出た「グローリーシーズン」てのも面白そうだなあ。遠未来の遠い異星の話ってむちゃくちゃ好きなんだよなぁおれ。
しかし、イーガンの「順列都市」ってまだ出ねぇのかよ、こんだけ期待さしといて!


10/14
いっやぁー、まぢおもろかったっす、「終わりなき戦い」! ひょっとしたらオールタイムベストかも知れんナ! 
第一部のような救いがたい描写が蜿蜒と続くのはちょっときついかな、と思ってたら、途中から、ふざけた未来社会の描写だの、メアリーゲイとのラヴ・ストーリーだのといった息抜きが入ってきてほっと一安心。
まぁ、第一部もニヒルな戦闘描写は確かに救いがたいのだが、異星生物やトーランの描写がとってもコミカルでQawaii!!(コギャル声で)ので結構笑えたりもしたのだけれど。そのへんのユーモアのセンスもどうやら二部以後、開花したらしく、人口爆発に対処するため同性愛者ばかりになりヘテロが変態扱いされているとか、大馬鹿ものの爆笑未来外挿(ホールドマンは大真面目に書いてるのかも知れんが、どう見ても安易かつ陳腐であり、しかも困ったことに、その安易さがニヒルな戦闘描写と独特の相乗効果を上げていて、魅力を増幅しているんだなあこれが)があったり、「終りなき戦い」の真相解決編にしたって、予想通り「向こうは戦う気がなかったのに人類が勝手に&&」という何のひねりもないオチで、安心させてくれちゃったり(笑)--まあ、その伏線は、トーランの間抜けな戦い方にそのまんま現れてるんだけど、それにトーランが2の累乗数にこだわるとか--そういう意味ではミステリ的な要素もあるってことか--。特に爆笑させられたのが、「トーランは全員が一個の個体のクローンだから、個人の概念がなく長い間人類とコミュニケーションが取れなかった」というチョー安直な理由づけ。あまりにも、類型SFのコードそのまんまやんけ。もぉサイコーです。こういうくだらない、類型SFのコードを安直に用いる天成のユーモアセンスで、救いのないテーマに膨らみを持たせられる才能は、ディックにも通ずるものがあるかも。
そして何と言っても、あまりにも類型的だけど、でも何度読まされても死ぬまで飽きない、「哀しい別れ方をして絶対会えないと思っていた、死ぬほど惚れあっていた男女の劇的な再開」という超典型的泣く子も黙る王道ハッピーエンドのパターン。これがイイんですよ、多分やるんだろうな、きっとやるよ、やるに違いない、と予期しつつ読んでいて、実際予想通り、最後に、やっぱりそう来たか、というパターンなんだけど、嬉しいんだよねえこれが。何と言っても、浦島効果で100年単位で年をとって行くっていう話だから、ただの別れ、ただの再会じゃないんだよねえ。しかもともに戦い、ともに生死の境目をかいくぐって来た仲だったりするんだもん。アリガチなパターンと分かりつつも、しっかり感情移入し、ハマってしまいました。まあさすがにワタシももう(略)のオヤジですから別に嬉し涙までは流さんかったけど、多分10年前に読んでいたら感動の涙を流していたことは間違いない。
いっやぁ、しかし、いいモノを読ませていただきました。風見潤さんの訳、良かったなぁ、みんなこんな素晴らしい訳者だったらいいのに。
次は「終わりなき平和」、原書でも手に入り次第読ませていただきますっ!

でも届くまで2週間ぐらいかかるらしいんで、とりあえず先に買った、ビジョルドとブリンが先だ!!!




データベースより

抜群に面白い戦争SF。ベトナム戦争の影響大。本質的には反戦小説なのだが、ストーリーが面白すぎるために好戦的との誤解も多かったようだ。コラプサージャンプによる浦島効果のアイデアを効果的に用いて、戦争の無意味さを強調するのに成功。未来社会の描写やクローンのアイデアはいささか陳腐だが、テーマの重さをユーモアでほぐす役目を果たしているともいえる。ラストのハッピーエンドはお決まりのパターンとはいえ、最高。