SF百科図鑑 "Interzone : the Third Anthology"


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1998年

11/4
風邪悪化。風邪薬で症状を抑える。
外に出る体力がないこういう日は部屋で本でも読むしかすることがない。
「インターゾーンアンソロジー」第3巻を久々に読む。
何気なく読み始めたエリックブラウンの「クラッシュバン・ジョーと松果体禅の等式」が面白く、一気に読んでしまう。文体はサイバーパンクっぽいが無名の作家。「ノエルズアーク」という子供向け戯曲が代表作なんだそうで、このアンソロジーが出た時点でインターゾーンに書いた短編はこれ含めて4つしかないそうだ。
このアンソロジーはほんとに粒ぞろいでしかも内容も幅広く、純SFからファンタジー、スリップストリーム系までいろいろ揃っているのが読む者を飽きさせない。こういう本をもっとわが国でも訳すべきだ。創元あたりで「インターゾーン傑作選」とかいう題で出してもらえませんかねえ。それが駄目なら文春か扶桑社ミステリー文庫あたりで、ホラーのアンソロジーあたりと並べて。もうこうなったら、角川ホラー文庫でもよい(笑)。SF好きでなくても楽しめそうな短編が揃っているので。
この本に入っている短編の半分以上はもう読んだので、もうちょっとでこの本は読み終わる。これとは別に、創刊以来の10年間の作品を集めたアンソロジーも持っているのでこちらも読もう。また、デヴィッドハートウェルが最近出し始めた「年刊SF傑作選2」(1996年分)も持っているのでこれも。
ほかにも、キングの「STAND」やバラードの「コカインナイト」、オールディス「ヘリコニア」3部作といった未訳の長編群を抱え込んでおり、早く読まないとという焦りの反面、当分楽しめるなという喜びもある。(それにしてもほんとに、とんでもない(すごい)本が訳されてないもんだよねえ。)
ロビンソン「レッドマーズ」(これは訳本のほう)も早いとこ読んでしまいたいが、しかし、どちらかというと時間をかけてじっくり読み込みたい作品なのでそんなに慌てなくてよいかも。むしろ時間かけた方が、読み終えるころには続編が訳されてちょうどよかったりしてね。ああ、でも創元社は時間かかるからなあ......。

11/5--11/8
インターゾーンのアンソロジー読み進む。デヴィッドガーネットのTHEONLYONEを読み始める。最初はレストランの女の子に話しかけて次の年に結婚して.......とかいう内容でなんじゃこりゃという感じであったが、途中から、主人公が警官ということがわかり、あるスパイ容疑の科学者の家宅捜索に入ったら「クロノスコープ」(昔の出来事を映像だけ再生できる装置)を開発しているのがわかり、これがあればいろんな事件の真犯人を調べられるというので国から援助を出して開発させ、主人公はそれをネタに出世して......とかいうSFらしい展開になってきた。
この本も読み終わらぬうちから、バラードRUNNINGWILDの訳本「殺す」が出たので買って読み始め、思わず引き込まれる。閉鎖的な高級住宅街で大人全員が殺され子供は全員失踪......という事件の謎解きの物語。しかし、バラードなので単なる推理小説に終わるわけはなく、「ハイライズ」「クラッシュ」の系譜に連なる文明批評的展開が予感され楽しみ。

11/11
インターゾーン読み進む。
ガーネット「THEONLYONE」読み終わる。面白かった。最後は時間を何度も逆行しながらだんだん並行宇宙に(多分)ずれて行くという典型的な時間SFのオチ。最後なんかクリスティーナが男になってるし(笑)。いやあ笑った笑った。
あと5編読めばこの本は読み終わる。いま9個読んだ(但しCUBEROOTは再読必要)。

11/19
キムニューマン「隣の隣の男」マーフィ「野菜妻」読み終わる。
前者は星新一風ショートショート。順風満帆の実業家がある日銀行で列に割り込んだとして文句をつけられ、その時から、列に並べば先に進まない、電話は話し中、客は来ず女にはすっぽかされレストランはキャンセルされる、というような状態になり、「この世に存在しないのと同じ」状態になって結局飢え死にしそうになり、最後に望んだ死神にさえ、「おっとごめん、先約があった」と見放されるというオチの小ばなし。絶対似たネタがあったと思う。
後者は、訳しながら読み終え、訳も終わった。チョー変態チックな短編。野菜のダッチワイフの話。おお気持ち悪い。なにしろやってしまうんだもの、野菜と。最後は野菜に殺されて植えられるという星新一のようなオチ(アシモフ「われはロボット」にも似た話があったなあ、「ロビイ」だっけ)。作者は「落ちる女」を書いた女。女の癖にこんな変態小説書くなって。SMも入ってるし。


2002年

2002年師走5日
いよいよ今日からこのページに書き込みを始めた。この第6章は、第1章~第5章で扱えなかった事柄について毎日の雑感を記すことにする。主に、ぼくの趣味である読書、競馬、外食、英語の勉強について、毎日の作業内容を記録していく。自分晒しおたくのぼくとして、これ以上の快楽はない。もう病みつきである。
で、今日は大した収穫はなし。本は「インターゾーン第3集」を読み進んでいる。これはイギリスのSFセミプロ雑誌「インターゾーン」(ぼくも定期購読中)からのアンソロジー第3集である。主要な作品はだいぶ前に読んでいるのだが、未読作品も多数あるので、久々に読み始めた次第である。もちろん英語の勉強もついでにしたいというスケベ心もある。
で、冒頭のブリン「益病」は有名だからおくとして、昨日読み終わったのが2つ目のキム・ニューマン「列の2番目で待つ男」The Next-But-One Man。これは星新一のショートショートっぽい内容の皮肉なファンタジーである。平気で列に割り込む尊大な男が、恨みをかって呪いをかけられ、「永遠に列の2番目で順番待ちを続ける(=自分の順番が回って来ない)男」になってしまう。外で生活できなくなった男は、家にこもって、食べられるあらゆる物を食べて飢えを凌ごうとするが、やがて給水も止まり、死神がやってくる。いよいよ自分の番・・・と思いきや、この作品ならではのオチ。イギリス英語で書かれていて、英語の勉強にもなった。
その次がファウラー「心の郷」。これは田舎町に訪れる都市化の波が一人の村娘の心を踏みにじる悲劇を軽いタッチで描いた印象的な小品である。味わい深い文章なので、ぜひ「英語表現集」に全文収録したいと考えている。
ペーパーバックを読むための英語の勉強は捗らず。

2002年師走6日
一度今日の分を書いたのだが保存する前に閉じてしまい、全部消えてしまった。別のエディタで作成したものをコピー&ペーストする方が安心だが、物臭なぼくには無理だ。今後は気をつけたい。
今日は自作ページをサブディレクトリに移動。
引き続きインターゾーン第3集を読み続けている。現在、Richard KadreyのGoodbye Houston Street, Goodbyeを読んでいる。20世紀初頭をテーマにした芸術展覧会に出品を依頼されたアーチストが、放射性物質を使ったオブジェを作り始める。詳細は読み終わってから記すが、かなり変わった作品である。この作者、アマゾンコムで検索したところ全作品絶版であったが、彼の個人ホームページで全作品を読むことができる。このページは彼の小説だけではなくて、美術作品も掲載されており(ページ左側のリンク)、これがまた素晴らしいので、是非見てみて欲しい。ちなみにアンソロジー巻末の作者紹介によると、SF作家/イラストレーター/ギャグ作家となっている。なかなかの曲者のようだ。アマゾンコムでもレビュアーの評価が高く、マニアには人気があるようだ。

2002年

師走7日
暮れも押し迫ってきた。この土日は、遅れている英語の勉強をすすめる予定であったが、野暮用が入る。15年ぶりのT街。下調べをせずある上海料理屋に入ったが、味付けがかなり強烈であった。6000円のコースを頼んだが、味付けが濃い上に、やたらと甘い。日本人向けにアレンジしていないのか、それとも単に味付けのバランスが悪いのかは貧しいぼくの舌で判別できなかったが、少なくとも口に合わなかったことだけは確か。最後に出てきた焼そばはおいしかったが、この時点で既に満腹だったのが非常に残念。量ばかり多く、正直言って6000円の価値があったかは疑問である。主観評価は★一つ。
帰りにT街を歩いていて、中国CD専門店を発見。ここの親父がなかなか強烈なキャラクターで、CDを引っ張り出そうとすると、「あっ、その出し方は駄目だ。こういうふうに出しなさい」と怒り出す。CDの値段はどれも4500円だと言う。異常に高い。内容は、北京語圏のCDが主体で、確かに外資系CDショップのワールドミュージックコーナーよりはずっと品揃えがいいし、特筆すべきはビデオCDやDVDの品揃えのよさである。中国人アイドルの写真集もあり、なかなかそそられたが、値段が全般に高めなのはやはり如何ともし難く、親父と当たり障りのない話をして、「またちょくちょく寄らせてもらいます」と方便を言って、結局何も買わずに店を逃げ出した。
そんなこんなで帰りは終電となったのであった。

2002年師走8日
「さらばヒューストン通り」を読み終わった。一発逆転を狙う芸術家が核兵器を使った作品を展覧会に出品してニューヨークを破壊し、収監されるが、結局州芸術家協会賞の次席に終わる話。ホームページに掲載された美術作品に負けず劣らず、素敵に狂っていて面白い。さすがギブスンと比べられるだけある。興味のある方は、ここに全文が掲載されている。英語の難易度は平均レベルだが、やや難しい表現も入っている。
その後、Kadreyホームページ掲載全作品をダウンロードし、カシオペアに読み込んだ。これで絶版作品がPDAで読めるし、加工も自由である。
競馬はまたも全敗。鳴尾記念はトウカイオーザが惨敗。朝日杯はバロンカラノテガミが惨敗。今年の中山は高速とはいえ、グラスワンダーの記録を更新して1.33.5は優秀な時計だ。上位5、6頭は力が拮抗し、レベルも高いと思う。中京メインは軸にしたタイムパラドックスが圧勝したが、2着も人気馬で固い決着。
(略)


師走15日
競馬全敗。トホホ。折角予想をアップしたのに情けない。香港国際競争も日本馬全敗。今回は蝦名といい福永といい、騎乗技術面で物足りなさが残った。もう少し展開を読めないものか、あの位置取りでは・・・。特にトウカイポイントは、不利さえなければ勝っていただろうと思わせる末脚だっただけに残念だ。
インターゾーン第3集読み終える。とにかく粒揃いの短編集だった。今日はラングフォード「立方根計画」ウィルソン「時の泉」マコーリイ「カールと小鬼」の3編を読んだが、後の2つが特によかった。
ラングフォードは英国SF協会賞受賞作だが、よくも悪くも作者らしいアイデアストーリイで深みはない。軍事演習中に、核実験で被爆し死んだと思い込んだ兵士たちがやけになって起こす行動を冷静に観察する精神科医・・・果たして立方根計画とは? というお話。文章は簡潔なのだが、使用語彙は結構難しいので、ボキャブラリーを増やすのには使える。といいつつ、まだ単語ほとんど調べてないけど。
「時の泉」は一種の改変歴史物としても読める。コロンブスと共に探検に出かけ、フロリダ半島を発見した実在の人物ポンス・デ・レオンが「若さの泉」を探してフロリダをさまよっている最中にタイムワープをして現代の酒場に迷い込む。そこでバーテンに語る話とは? 酔っ払いの口調で語る二人の会話がムードいっぱいで素晴らしい。傑作です。
「カールと小鬼」はファンタジーだ。ユニコーンを殺害して逃げた小鬼を追うハンターたち。「取り替え子」の変身の秘密とは? 主人公カールが目撃した「取り替え子」の娘の変身とはどんな様子だったのか? なぜ小鬼はユニコーンを殺したのか? キャラクター描写も多彩で、楽しいファンタジーである。後半で、小鬼の女が「古き時代」の書物を見せるシーンはSFテイストも感じさせる。ドゾアの年刊アンソロジーにも収録された傑作だ。
というわけで、インターゾ-ンの幅の広さ(主流文学からハードSF、サイバーパンク、ファンタジーまで)を感じさせる好アンソロジーといえる。