SF百科図鑑

スタニスワフ・レム『枯草熱』(サンリオSF文庫)

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September 28, 2004

スタニスワフ・レム『枯草熱』(サンリオSF文庫)

枯草熱国書刊行会の選集がいよいよ発売開始されるポーランドSFの巨人レムの旧作。
100ページほど読んだが、いまのところ退屈。安部公房の『燃えつきた地図』みたいな感じで、元宇宙飛行士の男が南欧からナポリ、ローマを経てパリに向かう。何かの用事らしいが今のところ詳しい説明はない。空港でテロ爆破事件に巻き込まれ、容疑をかけられるが、難を逃れパリに着いた。
silvering at 11:47 │Comments(5)TrackBack(0)読書

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この記事へのコメント

1. Posted by silvering   September 29, 2004 02:38
150ページまで。
この男、連続怪死事件の事件性の有無を調べるため、被害者と同じ行程をシミュレーションしていたことがわかった。
二年にわたり、イタリアの同じ地方を訪問した観光客10人以上が似たような行程を経て怪死を遂げていた。白紙の手紙を見て幻覚を見るなど不可解な共通点があり。しかしこれらの共通点は脈絡がなく、事件との因果関係が全くつかめない。
ミステリの体裁をとりながら、確率論的推論の限界、不可知性に関する議論が作品の大半を占める、レムならではの思弁小説、論文小説である。
さて、後半でどういう結論に導くのか、そもそも結論などあるのか。ソラリスで不可知論に落ち着いたレムだから結論出さなそうな気もするが、お手並みを拝見したい。
2. Posted by silvering   September 30, 2004 03:21
200ページまで読んだが、烈しくつまらん&&。小説にする意味があるのか?
3. Posted by silvering   September 30, 2004 12:18
読了。

なるほどこういうオチか! まさにspeculative fictionのお手本のようだ。謎の怪死事件には科学的説明が見つかるから、その意味では普通のミステリに落ち着くのだが、その事件は連鎖する偶然に依存していた。しかしどんなに確率は低くとも、回数が無制限に増えればいつかは必ず的中する(100分の1ならば100人に一人、1000人に10人があたる可能性は非常に高い)。それゆえ個人の主観ではありえない偶然でも全体から見れば絶対確実な必然であるという結論は、人間の認識と数学的現実とのギャップを見事に摘示しているのだ。そしてそのような『必然』のもとに本書自体が書かれたというメタフィクション的オチで終わる。

物語としては単純でみるべきところがないにもかかわらず、精緻なオチでテーマを浮き彫りにする知の巨人レム、さすが一筋縄でいかない。

テーマ性 ★★★★
奇想性  ★★★
物語性  ─
一般性  ★★
平均   2.25点
4. Posted by silvering   October 02, 2004 02:17
しかし重いな、このサイト&&
最近書き込み失敗が多い。
長文を書き込んで失敗したときの脱力感といったら&&
やはり自鯖に移植すべきか。

手元で原稿を保存してから書き込んだほうがいいな、とりあえず。
5. Posted by silvering   October 02, 2004 02:20
再度書き込み挑戦。

華氏451をブックオフ5件回って見つからず送料タダニするためにベストセラーの書き方、何かが道をやってくると一緒にアマゾンで申し込んだ、古本は送料入れると新刊より高くてやめた、ブラッドベリ2冊は持ってるけど見つからないから2冊目を買うので、もし見つかったら親戚に上げよう、という話をさっき書き込んだのに失敗した、悔しいよ。
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