SF百科図鑑
クリストファー・プリースト『伝授者』(サンリオSF文庫)
最終更新:
匿名ユーザー
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September 22, 2004
クリストファー・プリースト『伝授者』(サンリオSF文庫)
いま46ページまできたが、面白くてやめられない。南極の地下研究所で働いていたウェンティック博士が二人組の男に拉致され、南米ジャングルの中に忽然と存在する「200年未来の」草原に連れて行かれる&&。この草原、外からは見えるがいったん中に入ると、外にあるジャングルは見えなくなるのだ&&。
ミステリアスなタッチで話が進み、いい感じだ。
ミステリアスなタッチで話が進み、いい感じだ。
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この記事へのコメント
1. Posted by silvering September 22, 2004
03:39
やべー、めちゃくちゃおもしれー。
ジャングルの中の隔絶した草原の真ん中で博士は監獄に閉じ込められ、尋問を受ける。が、やがて、取り巻きの男たちも非協力的となり、尋問者の行動も一貫性がないまま影響力がなくなり、博士との関係が逆転しがちとなる。そして、結局、博士だけでなく全員がこの場所に閉じ込められたらしいことを知る。尋問者も軍所属だったがこの地の周辺で何かを目撃したとかでここに送られたらしい。で、博士の薬品による狂気の研究論文がこの地の異常現象に関係があるのではと踏んだことから博士を同伴する許可を得たという説明だった。しかし尋問者自身が既に狂気の兆候を示していたことからどこまで信用できるのか。やがて尋問者の連れの男は羽のないヘリコプターに乗ろうとして失敗した挙げ句、どこかに消え去り、尋問者もまた狂気に襲われ迷路で博士をライフルで追い回した挙げ句、爆死する。
また監獄には手の着いた机、耳の着いた壁などがあり、壁の裏側の独房には奇妙なコントロール装置があり、部屋の真ん中にタバコの吸い殻が見つかった。
博士は残った兵士たちを連れてヘリコプターで脱出しようとする。ジャングルまで出たはいいが、軍用機に威嚇され監獄に戻る。そして、博士は睡眠薬のようなガスを浴びせられ気を失う&&。
以上が第1部のあらましです。
ジャングルの中の隔絶した草原の真ん中で博士は監獄に閉じ込められ、尋問を受ける。が、やがて、取り巻きの男たちも非協力的となり、尋問者の行動も一貫性がないまま影響力がなくなり、博士との関係が逆転しがちとなる。そして、結局、博士だけでなく全員がこの場所に閉じ込められたらしいことを知る。尋問者も軍所属だったがこの地の周辺で何かを目撃したとかでここに送られたらしい。で、博士の薬品による狂気の研究論文がこの地の異常現象に関係があるのではと踏んだことから博士を同伴する許可を得たという説明だった。しかし尋問者自身が既に狂気の兆候を示していたことからどこまで信用できるのか。やがて尋問者の連れの男は羽のないヘリコプターに乗ろうとして失敗した挙げ句、どこかに消え去り、尋問者もまた狂気に襲われ迷路で博士をライフルで追い回した挙げ句、爆死する。
また監獄には手の着いた机、耳の着いた壁などがあり、壁の裏側の独房には奇妙なコントロール装置があり、部屋の真ん中にタバコの吸い殻が見つかった。
博士は残った兵士たちを連れてヘリコプターで脱出しようとする。ジャングルまで出たはいいが、軍用機に威嚇され監獄に戻る。そして、博士は睡眠薬のようなガスを浴びせられ気を失う&&。
以上が第1部のあらましです。
2. Posted by silvering September 22, 2004
23:37
読了。
まあまあ面白かった。あまりひねりはなくストレートな筋で、手堅い。
博士は200年先の未来に行き、真相をきかされる。世界は一度核戦争で滅び200年後に復興した。博士の研究を元にした薬品兵器を根絶するため、時間移行装置で200年前に戻り、博士を連れ出したというのが真相らしい。博士が連れ出された時点で研究は未完成であり、残る同僚が研究を完成させたらしいということになり、博士は再度戻ってその男に研究をやめさせることになり戻るが、既に研究所は閉鎖されていた。そもそも薬品開発を食い止めれば未来が変わることになるから、そのようなことはできないはずだ。博士は200年前のイギリスに戻ることを希望するが装置の不具合で核爆弾のヨーロッパ投下の日に戻される。
ラストで、時間移行機を積んだ飛行機に男が乗って去る。この男が博士なのか200年後の男なのかは明示されていない。
もともと種明かしのなかった中編2編を元に、編集者の求めで無理矢理説明をこじつけて長編化したものらしく、プロットが不自然だったりもするのだが、エンタテインメントとしてそこそこの仕上がりではないかと思う。
テーマ性 ★
奇想性 ★★
物語性 ★★★
一般性 ★★★
平均 2.25点
まあまあ面白かった。あまりひねりはなくストレートな筋で、手堅い。
博士は200年先の未来に行き、真相をきかされる。世界は一度核戦争で滅び200年後に復興した。博士の研究を元にした薬品兵器を根絶するため、時間移行装置で200年前に戻り、博士を連れ出したというのが真相らしい。博士が連れ出された時点で研究は未完成であり、残る同僚が研究を完成させたらしいということになり、博士は再度戻ってその男に研究をやめさせることになり戻るが、既に研究所は閉鎖されていた。そもそも薬品開発を食い止めれば未来が変わることになるから、そのようなことはできないはずだ。博士は200年前のイギリスに戻ることを希望するが装置の不具合で核爆弾のヨーロッパ投下の日に戻される。
ラストで、時間移行機を積んだ飛行機に男が乗って去る。この男が博士なのか200年後の男なのかは明示されていない。
もともと種明かしのなかった中編2編を元に、編集者の求めで無理矢理説明をこじつけて長編化したものらしく、プロットが不自然だったりもするのだが、エンタテインメントとしてそこそこの仕上がりではないかと思う。
テーマ性 ★
奇想性 ★★
物語性 ★★★
一般性 ★★★
平均 2.25点