SF百科図鑑

Interzone 2001年1月号

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September 21, 2004

Interzone 2001年1月号

インターゾーン2001-1
Eric Brownの英国協会賞受賞作The Children Of Winter収録号を持っていました。
他にゼブロウスキ、フィリポらの作品も掲載されてしました。
とりあえず受賞作から読みます。
silvering at 18:32 │Comments(2)TrackBack(0)読書

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この記事へのコメント

1. Posted by silvering   September 21, 2004 23:03
冬の子供たちを読み終えました。
まずはあらすじから。

(あらすじ)

冬の子供たち エリック・ブラウン

18期、冬の終わりに僕、ジェンはブルー人に恋をした。僕とナニとケラーは仲良しで、僕はナニが好きだったが、ナニはケラーに恋していた。僕たちが氷の張った広場でチューバを食べていた。ふと僕は空の一角に光るものを見つけた。星だ! 僕らはスケートで運河を走った。
9期の終わりにいっぱしの科学者だったケラーは、わがフォーチュン星が星の周りを回っていると説明した。その軌道がとてもいびつであるため、星から遠ざかっている今は寒いのだ。夏は4期、冬は18期続く。冬の始まりとともに生まれた僕らは冬の子供たちと呼ばれる。
そして冬の終わりに、宇宙船とともに僕らの成長の儀式が行われるのだ。1週間後に。

星が近づき、峡谷の熱で溶けた氷の中から宇宙船が現れるはずだ。時期がずれると、熱でたどりつけないか、あるいは氷の下だ。僕ら冬の子だけが宇宙船の中で式を受けられる。僕らが様子を窺っていると、遠くから蒸気機関の音が聞こえる。ブルー人だ! 彼らはこの星の原住民で、見た目は似ているが冬でも裸同然で生きられる。二人は雪つぶてを投げつけるが、彼らのワゴンは通過する。夜になり、ナニとケラーは帰った。彼らは今夜は共に寝るのだろう。

翌日僕は広場に出かけた。屋台も引き払っていて、4本足のハールがいるだけだ。僕は通りをスケートしていった。その時騒音をきいた。泣き声だった。女のブルーだ。足をくじいたので助けてほしいという。アパートまで連れて行くと、かかとの怪我を診た後、彼女は僕の顔を見て、前日一人だけ雪つぶてを投げなかった人だという。ワゴンで通ったのは彼女だったらしい。彼女は18歳で名前はキー。ブルーは十六歳で大人らしい。
ブルーとの交友はタブーなので他の二人にいうつもりはなかったが、もし知ったら何というだろうと思った。僕は家に帰った。その夜僕は裸のキーを抱いている夢を見た。

昼と夜は夏に10時間訪れるのに由来する。冬はずっと暗いが便宜上、昼と夜を使っている。夏には地上で暮らせないため、山の地中深くに移住するのだ。
ケラーは儀式の前に宇宙船を見ようといいだす。それは禁じられていると僕らはいうが、ケラーは諦めない。夜8時に会おうと言う。

僕はプレゼントを持ってキーに会いに行く。キーは喜んだ。キーは僕らの敵意を事実か確認するため現職を志願した。それはおおむね事実だが僕だけ違ったと言う。その理由をきかれ、僕は君がきれいだからだと言ってしまう。僕は8時の約束があったが、キーに引きとめられ、結局キーと寝てしまう。マジ最高だった。

翌朝僕は早く目覚め、キーの家に行こうとするがためらい、町を滑りまわる。夜8時に広場に行くと、ケラーとナニがいて、ついに宇宙船探検を明日決行すると言う。僕は断るが、気が変わったら来いと言われる。僕はその後キーを訪ね、愛し合ってから家に戻る。

翌日、大学でも上の空だった。ケラーとナニは気持ちをかえないようだ。勝手にしろ。僕は夜、キーと愛し合った。夏になると別れ別れになる(僕らは地下に、ブルーは北極に)ことを話すが、キーは夏が終われば会えるという。またキーは儀式で語られる「真理」を教えてほしいという。僕は承諾し、その代わりキーの部屋の丸い照明のことを教えてほしいというが、よく知らないらしい。しかしそれにしろ蒸気機関にしろ、ブルーが発明したものらしい。
僕が家に戻ると父母に追及される。女の子と会っていたというが信用されない。ケラーたちと会っていたのかといわれる。二人は見つかって捉まったらしい。儀式は数期延期になるそうだ。僕は8時の門限を設定される。
翌日学校にケラーらはいなかった。家も留守だった。僕はその後毎日キーの家に行き、愛し合った後、8時の門限をまもったが、三日目に行くとキーが荷造りをし、三日後に移動になるという。僕は門限を破り泊まって、朝帰りをして、朝食で両親と対峙したが、何もいわれなかった。

儀式の日。我々は行進して巨大な宇宙船に入り、演説をきく。ケラーとナニもいた。1000年前この宇宙船でここにつき、様々な困難を克服したが、わけてもブルーによる襲撃で多くの犠牲が出た、だからブルーと仲よくするのはまかりならんという内容だった。ケラーらは本気でブルーを憎んでいた。僕らは町に戻り、僕はまたこっそりキーに会いに行った。

キーに会うと、キーは北の町にいこうという。僕は「真実」を教える。キーは否定する&&。そうではないと。僕らは宇宙船で来た人類ではなく、原住民なのだ、襲ったのは僕らの側だった。そういえばブルーの技術はすごい。ではブルーが宇宙船で来たのか&&。しかしそれも違う。われわれはどちらも原住民なのだ。宇宙船で来た人類は、僕らの先祖によって滅ぼされた。生き残りは六人だけだった。しかも二人生き残っている、人類はわれわれの1000年以上も生きるのだと&&。

僕は迷った末、キーのワゴンでキーと共に北極の町に向かった。
2. Posted by silvering   September 21, 2004 23:23
で、評。いいです、これ。恋愛小説であり、青春・成長小説であり、もちろん『認識の変革』を伴ったSF小説でもあります。ラストで広がる壮大なヴィジョンがまさにSFの醍醐味です。
世界設定は、『ヘリコニア』の星を一つにしただけですが&&。

短編で終わらせるのがもったいない。北極の都市に行ってからの話がたまらなく読みたいです。作者はこれを長編化する気はないのでしょうか?

テーマ性 ★★
奇想性  ★★
物語性  ★★★★★
一般性  ★★★★★
平均   3.5点
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