SF百科図鑑

イアン・バンクス『蜂工場』(集英社文庫)

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September 20, 2004

イアン・バンクス『蜂工場』(集英社文庫)

蜂工場バンクス「衝撃の」デビュー長編。ジャンル的にはサイコサスペンスのようだ。ついでだから受賞作というわけではないが読むことにした。
主人公が確かにサイコ。人を三人殺してるし、秘密の『工場」に動物の死体を飾ってるし。60ページほど読んだが、このサイコな主人公の私小説的な一人称語りで話が進行する。どこかの田舎の一軒家で父親と暮らしており、兄は幼いころ飼っていた兎を親戚に焼き殺されてから精神を病み、病院に入っているが、この兄が脱走し、主人公に電話をかけてくるのが発端。主人公は兎の復讐のために、蛇でこの親戚を殺している。
とにかく、主人公の思考といい行動といい、あまりにイカれていて、しかも話にあまり動きがなく、蜿蜒と主人公のイカれた日常生活を誇らしげに語られる冒頭部分は退屈で苦痛の一言。
驚天動地のトリックが仕掛けられているそうだから最後まで読まないと評価が出来ないのがつらい。200数十ページという短めの作品なので、何とか頑張って読み通したいが。
silvering at 12:51 │Comments(1)TrackBack(0)読書

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この記事へのコメント

1. Posted by silvering   September 21, 2004 02:17
読了&&
酷い&&
このオチはどっかで見たことあるな、田口ランディの『コンセント」ってこんな感じじゃなかったっけ?
なんか、兄がイカレてるってところもかぶってるし&&
これ以上追及すると怖いから、そっとしておこう&&

で、本作についてコメントするけど&&勿体ない。
主人公が犬にチンポを噛み切られて以来、自己の性的アイデンティティを維持するために殺しや「蜂工場」の遊びをするようになったとか、エリート医学生の兄が患者の脳にたかった蛆虫を見て以来人が変わったようにイカれてしまうとか、この辺は真面目に追究すれば、文学作品としてもっと深みが出たはずなんだけど、このふざけたオチで台無し。
アホらしいからネタばらしちゃおかな&&いややめとくか、一応。

オチは古風なSFといっていい。マ**サ*******物。
結局、資質はエンターテインメント作家だったということが、このラストでバレバレ。

で、本ネタに入るまでの前置きが長すぎて冗長という欠点は、この処女長編で既に表れている。前半は本当に退屈だった。「ゲーム・プレイヤー」も本ネタに入るまでに100ページ以上費やすし、「エクセション」も前置きが長い。「フィアサムエンジン」も前半の断片プロットがだらだらと長すぎ。

テーマ性 ★★
奇想性  ★
物語性  ★
一般性  ─
平均   1点
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