SF百科図鑑 TheQuantum Rose, Catherine Asaro (Tor 2000)


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TheQuantum Rose, Catherine Asaro (Tor 2000)

quantum rose
(2003/5/5)スコーリア戦史が遂に受賞! 現在読んでおります。追って翻訳と単語集をアップします。
(2003/6/3)既に読み終えた。恋愛娯楽ハードスペオペとしては標準作(それなりに面白いということ)だが、本作の売りは各登場人物の行動が量子力学における素粒子の振舞いのアレゴリーになっているところ。巻末についている作者の説明を踏まえて読み直すと2度楽しめる。というか私はまだ2度読んでいないので、「楽しめるはずだ」と言い直す。
ともあれ、本シリーズ、とにかく面白いことは認める。同じ娯楽性の高いキャラ立ち系スペオペ作家としてよく比較されるのにビジョルドがいるが、割と古風なタイプのストーリーテラーのビジョルドに比べると、アサロの作品は臆面もなくハーレクインロマンス(読んだことないから単なる想像)風の恋愛小説の文法を基盤にしていること、SFアイデアやガジェット、情景描写がサイバーパンクやナノテクといったここ20年ほどの流行を踏まえていることなどに違いがあり、私の好みはといえばアサロに軍配が上がる。エッチなシーンが多いことも加点事由かな。特にSM好きの方にはお薦めする(笑)。本シリーズ、ハヤカワ文庫の翻訳版の表紙や題名が不評で今一つキワモノ視されている感があるが、騙されたと思ってぜひ1冊手にとってみられたい。[未訳、ハヤカワ文庫から翻訳出版予定、9点]

<以下、読んでいたときの日記引用>

4/29
昨日より、量子の薔薇を読み始めた。もろ内容はハーレクインロマンス調(読んだことはないが勝手にイメージ)。ある星の一大陸の娘領主が、土地を貸している貴族に見初められ政略結婚をするという発端。こんな話は好きじゃないのに、ネビュラ賞を取ったからには読まねばならずSFファンも楽じゃない。ただ読むだけでは面白くなかろうからと、英語の語彙を増やすのを主眼において読むことに決めた。昨日第2章まで読み終わり、今日から第3章に入り冒頭部の単語を勉強した。現在は試行錯誤中だが、パターンをつかんだらスピードアップできるだろう。表現力をつけるのが主眼なので、できるだけ文章を自分で書き直す訓練をした方がいいだろう。また、和英辞典と類義語辞典はどんなに面倒でも必ず引くことだ。忙しいときは英次郎だけでも検索してデータを単語バンクに保存しておくこと。
おい、やばいよ、「量子の薔薇」面白くなってきたじゃんか。
主人公のKamoj(カモジ、カモイ?)が嫁いだ相手のライオンスターってやつ、外の空気が吸えないらしくて始終マスクをしてるんだよ。何なんだこいつ、エイリアン? しかも、カモジがこいつに貸してる宮殿(一度廃墟になったらしい)が復旧していて、この宮殿の入り口にはエアロック? 空気清浄機? らしきものがついてて、くぐった中がめちゃめちゃ空気がきれい。見た目中世ロマンス風なのに、実はハードSF? 的なミスマッチがアナログ調というか、ビジョルドあたりとも作風かぶる。
しかも、「量子の薔薇」ってタイトルだけあって量子力学のアイデアも入ってるらしい? 何だろう? 不確定性原理? 多元宇宙? シュレディンガーの猫? 何が出てくるか分からんわくわく感もあるぞ。なめてかかってたけどネビュラ賞だもんな、一筋縄ではいかなそうな予感。
今日は4章まで読み終わりそう。
今日調べた重要単語、leggings, dour, fuss,incipient,marital,disconcert, snug, seamstress, mollify, dismay, limp, respite,cackle,inflict,inset。面白い表現、have huge bagsunderyoureyes(下目蓋がむくんでるよ)。「目の下に袋」って表現、いいなあ。seamstressは裁縫と辞書には書いてあったけど、文脈では「裁縫師」「裁縫係」的な意味で使われてるみたい。fussover,dismayあたりは基本語。limpも。作文でがんがん使おう。maritalstatusって言葉は覚えておいた方がいい。incipientって単語は使い方が難しいので確認が必要。mollify,dour,disconcert,respite,inflict,inset,cackleあたりはもっと簡単な単語で言い換え可能ではあるが、この機会なので、表現のバリエーションとして覚えておいて損はない。leggingsはgater? ガーターの綴りを確認のこと。snugって単語は面白い。この後にも出てくるが、「きっちりしてる、ぴったりしてる、整ってる」的な意味と、「快適で安楽」的な意味が同居している。使えるようになれば結構楽しい。snugマンセー!
いやあ、この本、楽しめそうです。

5月5日(月)
いよいよ本日よりこの日記をつけはじめる。
今日はラーメン屋に行列しながら、キャサリン・アサロのスコーリア戦記第1巻「飛翔せよ、閃光の空へ!」を読んだ。その一方で、同シリーズ中のネビュラ賞受賞作「量子の薔薇」も並行して読んでいる。
私はもともとキャラクター小説は嫌いで、「SFは奇抜なアイデアと巨大なスケールが全て」と公言してはばからない人間である。どんなに小説として熟練し、魅力的な登場人物が出てきても、「アイデアが陳腐ではSFを読む意味がないじゃん」と思っている人間である。
したがって、純恋愛ロマンス小説(いわゆるハーレクインロマンス系?)の王道を行き、女性読者の受けが良いという本シリーズの評判を聞き、長いこと「世界が違うな」「接点ねえよ」と敬遠していた。
ところが、上記の通り「量子の薔薇」は昨年度のネビュラ賞を受賞し、今年度ヒューゴー賞の候補にも上がっているという。現在、読む本の偏りをなくすため受賞作読みに従事している身、このシリーズ中の受賞作だけはどうしても読まなければならない状況になってしまった。
まず「量子の薔薇」原書を購入し、読みはじめると共に、シリーズ第一弾「飛翔せよ~」についてはハヤカワ文庫を古本で購入。
「量子の薔薇」はいきなり中世を思わせる古臭い異星を舞台に、某領地の女領主(若い娘)がヌードで川を泳いでいるシーンから始まる。6本脚の鹿のような動物を馬のように乗り回す騎馬隊、鎧兜や弓矢などの古風な武器といった未来/宇宙の設定の割に古い世界設定、古めかしい単語の多用など、おいおいほんとにSFかよ、という出だしであった。
ところが読み進むうちに、主人公が古城を貸し、遂には嫁ぐ羽目になる相手の男がスコーリアの嫡子であることがわかり、しかも、精神感応能力であることが判明してから、がぜんSFっぽくなる。精神感応能力についても、量子力学理論による疑似科学説明がなされ、これが本書の表題にも表れていることが分かる。
そこで、「飛翔せよ~」(しかしこの大げさな訳題と、恥ずかしい表紙は何とかならないもんかね)も並行して読み始めたところ、これがまた面白いのだ。hisyouseyo一見古めかしいスペオペ設定、陳腐なキャラクター小説の外観をしていながら、これでもかとばかりに、ナノテクや量子力学の今風ハードSF的小ネタ、ガジェット類が満載で飽きないし、異星の都市の描写なども魅力的だ。いうまでもなく、キャラクターの心理描写もリアリティがあってうまい。
キャラ立ちしてもアイデアのつまらない小説は私は面白いと思わないが、SF的アイデアの面白さを倍加させる要素として「リアリティがあるキャラクター」が位置付けられるのならば、大歓迎である。
これは、本シリーズの他の作品もチェックしなければなるまい。

さあて、これから量子の薔薇の単語調べと、続き読みをするか。

5/212週間ぶりである。
この間、スコ-リア戦史2冊読み終わった。なかなか面白かった。Hなのがよい。癖になりそうだ。

今、「ダーウィンの使者」を読み終わりそうだ。
次に読む本は、ハリーポッター(炎のゴブレット)、ブルーマーズ、タレントの寓話の3冊並行。ハリーポッターは単語集が出ているから、単語学習ははかどりそうだ。最初に単語を暗記し、関連語を調べてノートを作ってから読む。ブルーマーズは唯一持ち運べるサイズのペーパーバック。ダーウィンが終わった後に、昼休みの喫茶店で読むことになるだろう。
タレントは、寓話シリーズ第2巻、アースシード教のいよいよ勃興期の話だ。このシリーズは単語が平易なので、あまり語彙を増やすのには役立たないが、その代わりしっとりと荒廃した世界像、情景描写がいい。バラード好きには薦められる。会社でブルーマーズを、帰りの喫茶店でタレントを、家でハリーポッターを読むことになろう。
以上を読み終われば後はこれだけだ。

<長篇>
時だけが敵(1983年ネビュラ賞)

<中編、短編>
マーキー(1992年ネビュラ短編賞)
真実の都市(1993年ネビュラノウ゛ェラ賞)
大理石の弧に吹く風(2000年ヒューゴーノウ゛ェラ賞)
究極の地球、ミレニアムベビー(2001年ヒューゴーノウ゛ェラ、中編賞)
女神たち、お父さんの世界(2001年ネビュラノウ゛ェラ、中編賞)
フェアモント高地に速く流れる時間、地獄とは神の不在なり、犬がワンワンと言った(2002年ヒューゴーノウ゛ェラ、中編、短編賞)
ルイーズのゴースト、万能治療薬(2002年ネビュラ中編、短編賞)

時だけが敵は結局最後になってしまった。
短編は、真実の都市、地獄とは、犬がワンワン、ルイーズは持っている。究極の地球、ミレニアムベビーはインターネットから入手可能。

5/24
ネビュラ賞はアメリカの神々が受賞し、ダブルクラウン。ゲイマンは「コラライン」が英国協会賞短編部門も受賞し、大ブレイクだ。受賞作を受賞前に既に読んでいたのは初めてかも(笑)。英国協会賞長篇は、プリーストの「別れ」が受賞。早速、アマゾンに発注した。
息抜きに今、ブラウン「火星人ゴーホーム」を読んでいるが、危惧した通り古臭くて読みにくいね。
ハリーポッターの単語集買ってきた。単語をただ並べているだけという酷い本。索引すらついていない。でもないよりはまし、というレベル。値段が1900円と安めでもあるし、まあいいか。これで語彙力を増やそうという人には到底薦められないな。他人の並べた単語の索引作るぐらいなら、最初から自分で単語集作った方がいい。
「ルイーズのゴースト」読了。8点。
奇妙な味のポルノ?ファンタジイ。もとよりSFじゃない。こういう作品にまで賞を与えてしまうところがネビュラ賞の懐の深さでもあり、節操のなさでもある。あまり好みのタイプじゃないが、質の高い作品だということは分かる。
「ダーウィンの使者」は昨日読了。7点。

「量子の薔薇」は一昨日読了。8点。