SF百科図鑑 BEST OF INTERZONE


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September 09, 2004

BEST OF INTERZONE

best of interzone英国のSF雑誌インターゾーンのアンソロジーです。永年編集長を務め先ごろ引退されたデヴィッド・プリングル氏の編集です。英国協会賞受賞作のモリイ・ブラウン"BadTiming"(愛は時を超えて)が収録されていたので、スレッドを設けることにしました。他の作品も読んだら感想をコメントにつけていきます。
この雑誌は前にも三冊アンソロジーを出しているんですが(第三巻は全部読みましたがいい作品が多かった)、本書は1997年に出た、それまでの総集編的な内容で創刊当時から出版直前までの長い期間から満遍なく選ばれています。しかもメンバーも錚々たる顔ぶれで、バラード、オールディス、ワトソン、ディッシュといった大御所から、ライマン、マクラウト、フィリポ、キム・ニューマン、メアリ・ジェントルといった新鋭まで勢ぞろい。グレアム・ジョイスとピーター・ハミルトンという異色組み合わせのコンビまで収録しています。
冒頭に入っているイーガンの「ミトコンドリア・イヴ」は有名ですね。今んところ既読はこの作品だけです。
まずはモリイ・ブラウンから読み、ぼちぼち他の作品も読んでいきます。全部で29編入っています。
紹介サイトを発見しましたのでコピペ。
http://www.jpoc.net/dotorgsite/jpocorg/books/sf/pringle/BestofIZ.html

Mitochondrial Eve" by Greg Egan
The secret to our entire past is in our genes. Or somewhere else. Well, it's OKbut it does not come up to the level of some of this author's other work.4/10

"The Message Fom Mars" by J.G.Ballard
Humans travel to Mars and come back, well, different. Ballard puts a new twiston this theme here. 6/10

"The Scultptor" by Garry Kilworth
A sculptor finds a new a subtle way to kill somebody. 5/10

"The Allure" by Richard Calder.
Forgettable. Forgetten. 1/10

"Song of Bullfrogs, Cry of Geese" by Nichola Griffith
A nice twist on the old "mystery illness wiping out mankind" theme. 8/10

"Pigs, mostly" by Ian Lee.
I really liked this waspish tale of surrogate parenting with a twist. 9/10

"The Tourist" by Paul Park
Time travel becomes routine and a man chases a lost relationship into the past.4/10

"George and the Comet" by Stephen Baxter.
Two men transformed and transported to a strange future witness the death ofthe sun. 5/10

"Warmth" by Geoff Ryman
A child is raised by a robot becaude his mother has better things to do. Buteventually, the child's attachment to the robot becomes stronger than the tiesto mother. OK to read but no more than that. 3/10.

"The Family Football" by Ian R.MacLeod
A shape changing melange of family angst and smchmalz. Ick. 3/10

"Ahead" by Ian Watson
Cryopreservation meets and is subsumed into Nanotechnology. Well, yes but didthe story actually say anything of interest? Third rate and 3/10.

"Bad Timing" by Molly Brown
Hmmm, didn't Harlan Ellison write this time travel paradox a long time ago?2/10

World Wars II Paul Di Filippo
A pop-surreal alternative history that all seemed a little futile. 2/10

Bird on a Time Branch by Cherry Wilder
A lovely little story about a man who just misses a time warp. 7/10

Norbert and the System by Timons Esaias
What if we are all plugged into our personal computer all of the time and ithelps or perhaps controls us in everything? But then what what if we wanted tohave an off switch installed? A great story. One of the best in the book!8/10

Sharp Tang by John Meaney
Weird alien encounter tale that is not well written and just drags on and on.1/10

Off the Track by David Garnett
Exactly how many alternative histories featuring dead rock and roll stars dothe editorial team on Interzone think that I want to read? Not nearly so manyas they keep printing I can tell you! 2/10

The Eye Opener by Brian Aldis
This story has a slightly vintage feel but it was better than a lot of the moreostensible modern material here. A strange appartion is seen across the wholeplanet will it change mankind? 5/10

The Welfare Man by Chris Beckett
A near future social decay and alienated underclass story. Weak stuff really.3/10

The Data Class by Ben Jeapes
Marx updated for an era of smart agents on the net. Slightly interesting butthat's all. 4/10

Downtime in the MKCR by Eric Brown
Well, if you feel a need for virtual reality, gay AIDS SF then here it is butI'll just yawn quietly. 2/10

Eat Reecebread by Graham Joyce & Peter Hamilton
Mankind evolves into hemaphrodites as a result of eating the wrong sort ofburger. Well really. 3/10

The Unkindness of Ravens by Brian Stapleford
A man creates smart birds but they end up in a lonely blind alley. Not such abad tale really. 5/10

The Man Who Read a Book by Thomas Disch
After vanity publishing comes vanity reading! Amusing but of course, it hasbeen overtaken by the events that allow anyone to post a review on Amazon or onthe net! 6/10

Slow News Day by Kim Newman
Another weak alternative history tale. 2/10

The Net of Babel by David Langford
A library that hold every book possible but what is the point of the library?What is the point of the story? 3/10

A Ring of Green Fire by Seam McMullen
A rather odd tale about a rather odd new type of STD. Not that good. 3/10

Human Waste by Mary Gentle
A painful story about human cruelty and the need some people have to inflictpain. This was not a comfortable read but it was a great story. 9/10

Cyril the Cyberpig by Eugene Byrne
Robocop meets the muppets? Very funny, well written compelling tale about a pigwith boosted abilities. 9/10
silvering at 05:32 │Comments(6)TrackBack(0)読書

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この記事へのコメント

1. Posted by silvering   September 09, 200405:36
?よく見たら、何かめちゃめちゃ辛口なコメントばっかりですな&&点数軒並み低いし(笑)
2. Posted by silvering   September 09, 200405:39
イーガン10点満点で4点ワラタ
3. Posted by silvering   September 09, 200405:42
肝心のモリイ・ブラウンは2点かよ! ますます&&読む気が出てきたぞ(笑)
貶されると燃えるからな。
エリスンのタイムパラドックスねたの作品とかぶってるらしいが、そんな知らない作品と似てようが、知ったこっちゃないわ。
4. Posted by silvering   September 21, 200403:20
モリイ・ブラウン「バッド・タイミング」(邦題「愛は時を超えて」)読んだ。
タイムパラドックスで、本来の時間線からどんどんずれていく話かと思ったが、ラスト直前で、訪問相手の女性が主人公が去ったとたんに記憶が変わって11歳に戻るという場面があるところから、ちょっと違うようなので、もう一度よく考えてみる。
5. Posted by silvering   September 21, 200405:13
問題なかった。単に11歳のときの記憶を思い出したということだった。
(下に粗筋)

で、評価。
ネタは要するに、タイムパラドックスを繰り返してどんどん違うところにいってしまうというもので、エリスンを引き合いに出すまでもなくありふれたネタだ。
インターゾーン第3集にもある女性を求めて時間を旅するうちに時間線がどんどんずれてついには相手が男になったりするというような話があったし、このネタ、探せば何十と似た作品が見つかるだろう。

しかし本作は書き方がコミカルで巧い。シシリイと主人公のキャラ設定が最高に笑える。娯楽に徹してこれだけ楽しませてくれるのだから、多少のネタの陳腐さなどいいではないか。

テーマ性 ─
奇想性  ★
物語性  ★★★★
一般性  ★★★★
平均   2.25点
6. Posted by silvering   September 21, 200423:53
愛は時を超えて モリイ・ブラウン

アランは会社に遅刻し、掌タイムレコーダのところに行くとジョー・ツーフィンガーズに出くわす。37分以上の遅刻で1時間無給となったため、残りの時間、ジョーとコーヒーを飲むことになる。ジョーは面白いものを見つけたといい、「婦人の秘密」という古い雑誌を見せる。フィクション部の古文書をあさっていて偶然見つけたらしい。その雑誌に「愛はすべてを超えて」という小説が載っており、アランその人が登場するらしいのだ。それによるとアランは、1973年3月14日、タイムマシンでシシリイ・ウォーカーという女性を訪ね、この女性と結婚する。シシリイはその体験を小説に書き、「婦人の秘密」に掲載したと言うのだ。実際読んでみると、誰にも話していないアランの私生活のことが正確に書かれていた。ジョーは、実行しちゃダメだぞと釘をさすが、アランはすっかり興味を引かれてしまう。

場面は変わり、シシリイは寝室の鏡の前に立ち、ミニスカートの身支度を整え、母の目を盗んで外出する。次に彼女は、レコード屋にいる。モンキーズのアルバムをかおうか、ピーター・トークのほうが好きなのだがなどと考えていると、トミー・ジョンソンとロジャー・ハンリーが入ってきて服装を冷やかす。彼女は店を出て友人キャンディの家に向かう。通りの向かい側の金髪男が名前を呼ぶのには気づかない。

ジョーの不在中に、アランはデータを調べる。シシリイ・ウォーカー、1948-2037。米国。作品「愛は時を超えて」1973年3月。作品の内容&&
「わからないわ」クラウディアは言った。「どうして時間旅行が可能なの?」
「簡単に説明しよう」彼は言った。「宇宙が紐のようだと考えてくれ。その1点がある特定の時空間をさすと。そしてそのひもがぐるぐる巻きにからまっていると。点から点に移動することができると」
シシリイの学歴、1967年リンカーン高校卒。父マシュー・ウォーカー、自動車修理工。母不詳。結婚歴?アラン・ストロング。それ以上はなし。アランは写真をプリントアウトする。

ウォーカーと言う妊娠中の女が二つの買い物バッグをさげて歩いていると、男が話し掛けて来る。「シシリイ・ウォーカーを探しています」
「私はウォーカーですが、シシリイという人は知りません」しかし彼女はシシリイという名が気に入る。(?娘にその名をつける)

アランは300年前に死んだシシリイの写真に見とれる。その夜は残業をし、他人が帰った後に例の雑誌を探すが見つからない。コンピュータにきくと貸し出し中とのことで、ジョーがプロジェクト・コントロール名義で持ちだしていた。アランは焦る。自分が行かなければその作品は書かれないはずではないかという観念に駆られて。彼は研究室に忍びこみ、タイムマシンを探す。すると、ジョーが止めに入る。アランは手近のマシン(折りたたみ自転車風)でジョーを殴って気絶させ、タイムマシンのマニュアルを五ページだけプリントアウトしたところで追っ手が来たため慌てて出発する。

シェール宛、シシリイからの手紙。シシリイはシェールに似ていると言われるが、自分には理想の男が現れない。シェールとソニーは一目ボレだったのか? という内容。(?歌手のシェールだろう。確かソニーとは離婚するはずw)

アランはロンドンに着くが間違えて1998年7月19日に着いてしまう。マニュアル29ページ参照と出るがあいにく持っていない。彼は適当にあてずっぽうでダイヤルをまわして移動する。

シシリイが母の目を盗んで小説を書いている。最初は海賊小説らしきものを書くが破棄し、全く同じ文体で設定だけかえたSFに書きなおす。

アランはとうもろこし畑の真中に着く。ヒッチハイクで移動し、電話帳でウォーカーを調べる。シシリイの名を見つけ訪ねていくが、何と三歳の誕生パーティ中だった。(?ここで若干のやりとり)
アランはタイムマシンで少し先に進んでから、ドアをたたく。シシリイが出てくるが、小説と違い髪を切っている。アランは家に入れてもらい事情を話すが、1973年ではなく1979年だった。アランは「ちょっと遅刻しただけだから。大事なのは君と会うことだよ」というが、シシリイは「タイミングがすべてだわ。あなたは例の小説が1973年に発表されたと言うんだから、それより前でなくてはならない」と諭す。アランは、「それより前にあっているよ、君が三歳のときに」という。何と、アランは三歳の誕生パーティに跳びこんでしまい、逃げようとしたが無理やり巻きこまれ、あげく、シシリイに薔薇の花を渡し本にはさんで取っておくように言っていたのだった。シシリイは思いだし、アルバムを持ってきた。そこにはアランが写っていた(笑)。1951年の写真に、今と寸分違わない格好で。
アランは小説のシナリオ通りに台詞を進めようとするが、シシリイにバスタードと罵られる。問題は、シシリイが待ちくたびれて三〇歳を機に結婚したばかりだったことだ。タイムパラドックスで小説の中の話は消えてしまった。ならば別の宇宙のどこかで完成しているだろう。アランは去らねばならない。
シシリイはタイムマシンがあるという。自分もその時点に一緒に行けば何とかならないか。
アランは、自分だけタイムマシンに乗って「後で会おう」と言いながら時間をさかのぼる、「前に会おう」と言うべきだったと思いつつ。

アランは間違えて古代?のどこかに行ってしまい、神と間違われ戦争を引き起こす。アランは「おっと失礼」と慌てて戻る。

アランは1948年に行ってしまい、シシリイの母と会う。(?これによってシシリイの名が決まった)

次にアランは1994年に行ってしまう。15年待たせたことをシシリイは怒る。1979年にアランとあった直後、シシリイは慌てて離婚し、土曜にはアランに言われた服装と髪型にしてアランを待ちつづけた。10年待ち40歳になって待ちくたびれたところで結婚して欲しいと言う男が現れ、とびついた。もう別れるわけにいかない、夫にタイムマシンを直してもらおうかという。1973年に小説などもちろん書いていない。
アランは、ならば1979年離婚直後に行く、状況は同じで夫が自分に変わるだけだと言う。シシリイは目の前にタイムマシンを持ってこさせる。そして寝室に運ばせる。ベッドの横に。そして73年より前、71か72年に行けという。なぜならその前後の記憶に現実味がないからだと。理由が分からないながら何かを待っていたような記憶しかないのだと。
そして、アランが去るのを一歩下がって見守った&&
その時彼女ははっと思いだした。11歳のとき彼女が寝室で自転車に乗った男を見て叫び、良心に心配されたことを&&。
あの糞アラン、また間違えやがったな、と彼女は呆れた。

アランは、同じ部屋に着いた。真っ暗。シシリイが横たわっていた。死んで布がかぶせてあった。髪は真っ白。
アランはため息をつきまたタイムマシンにまたがった。
いつかは時間通りにつくことだろう。

October 22, 2005

"Best Of Interzone"

インターゾーン傑作集の一番新しい総集編。ゆっくり読むつもりなので、感想を最後にまとめる形だとはじめの方に読んだものの内容を忘れてしまうから、読んだ都度コメント欄に書いていくことにする。
silvering at 00:12 │Comments(18)読書

この記事へのコメント

1. Posted by slg   October 22, 2005 00:21
イーガン「ミトコンドリア・イヴ」★★ だいぶ前に短編集(祈りの海の方だったか?)で読んでいるが、アイデアは面白いものの物語的なおもしろみは全くなく、イーガンにしては凡作だった。
バラード「火星からのメッセージ」★★★ 火星から帰った探査船、しかし、乗組員は降りてこないまま何十年が経過&&。火星の特殊なウイルスにやられたのか? メインの謎そのものよりも、それに対する人類の奇妙な反応の方に作家の興味はあるようだ。なかなかの佳作。
2. Posted by slg   October 22, 2005 00:22
ギャリー・キルワース「彫刻家」★★★★ これは傑作だ。一種の改編歴史物か、いつの時代とも知れぬ砂漠をわたり、巨大な建造物を造る権力者の元に333個の彫像を届ける男。それは復讐のためだった、彼の計画は&&。人物描写もうまいし、不思議な「もう一つの地球」の風景描写もいい。人間性の本質に迫るオチも秀逸。キルワース、ジャンル的にはファンタシイになると思うが、なかなかイイ短編を書く作家だと思う。第2集に入っていた短編もまあまあじゃなかったっけ。
3. Posted by slg   October 24, 2005 23:34
リチャード・コールダー「魅力」★★ 未来のファッション業界の話。生体培養した特殊素材の服とかが出てくるが、話はつまらなかった。
ニコラ・グリフィス「ウシガエルの歌、鵞鳥の叫び」★★★1/2 疫病もの終末小説の佳作。情感あふれるエンディングがなかなか良い。
4. Posted by slg   October 26, 2005 21:02
イアン・リー「主に、豚です」★ 変な農場で豚を飼ってる女と息子の話。超速でとばし読みしたら、全然意味がわからんかった。気が向いたら後日再読。
ポール・パーク「旅行客」★★★ 2つのビッグバン、2つの時間流がぶつかり過去も未来も消えるという奇想SF。アイデアは面白いんだがストーリーがないよ&&
バクスター「ジョージと彗星」★★★ 遠い未来、太陽系滅亡間近な時代に猿の姿でよみがえらされた2人の人物の話。なかなかいい。イアン某と違って、やっぱりふつうのSFはわかりやすくていいね。
5. Posted by slg   October 27, 2005 21:37
ジェフ・ライマン「ぬくもり」★★★ 母親代わりの教育ロボットとのふれあいを描いたほのぼの系作品でまあまあの出来。
マクラウト「我が家のフットボール」は「20世紀SF」か何かで既読のためとばす。
ワトスン「アヘッド!」★★★ 頭部を切断して長期間保存する技術により人類の長大な未来史を見る男の話。ワトスンらしい佳作。題名は「前へ(ahead)」と「頭(a head)」の駄洒落。
モリー・ブラウン「愛は時を超えて」は既読・レビュー済みのため飛ばした。
フィリポ「第3次世界大戦」★★1/2 改変歴史物。ある男がタイムマシンで時代をさかのぼって原爆開発に関わった科学者を皆殺しにすることにより歴史が変わった平行宇宙で、第3次世界大戦が起こっているという話。まあ水準程度の出来。
チェリイ・ワイルダー「時の枝にとまる鳥」★★ 題名<鳥>は主人公の名前でもある。猫ものの小品。全然面白くなかった。
6. Posted by slg   October 30, 2005 11:53
ジョン・ミーニー「刺激臭」★★★ オーソドックスなエイリアンものだった。手堅い。
7. Posted by slg   October 30, 2005 12:19
デヴィッド・ガーネット「迷い道」★★1/2 アメリカとメキシコの国境付近を旅するイギリス人夫妻。寂れたガソリンスタンドに立ち寄り、退役軍人の男と話す。その会話から、ベトナム戦争が核戦争に発展した別の歴史が浮かび上がるという話。並の出来。
8. Posted by slg   October 30, 2005 12:47
オールディス「眼を瞠るもの」★★1/2 原題eye-openerは「驚くべき発見」という意味と、文字通りの意味をかけている。この駄洒落から思いついた話だろう。近未来の地球上に謎の巨大な顔が現われる。実体のあるものか、UFOのような集団幻覚か、それとも異次元の存在が見えているのか、謎は深まる。見る人によってそれは男に見えたり女に見えたりする。なんらかの宗教的な啓示だろうか? 人々の見守る中、その顔は最後に「目を開ける」という話。
9. Posted by slg   October 31, 2005 13:35
クリス・ベケット「福祉員」★★1/2 絶滅動物が遺伝子工学で復元され動物園で陳列される未来社会における福祉団体員の生活の一こまを描いた作品。凡作。
ベン・ジープス「データ・クラス」★★1/2 これもぱっとしない。ネットに逃亡したAIが革命を企てるというVRものの凡作。
10. Posted by slg   October 31, 2005 23:10
グレアム・ジョイス&ピーター・ハミルトン「<リースのパン>を食う」★★★1/2 何とも贅沢な組み合わせ。英国幻想小説界の俊英とニュースペースオペラの旗手のコラボレーションである。内容は、この二人の単独作品よりも面白い。ジョイスの奇想性や暗さと、ハミルトンのSFガジェットの扱いや俗っぽいストーリーテリングとが、うまい具合に調和しており、互いの欠点を相補っている。突然変異で生まれた両性具有の新人類迫害の物語で、ラストは近い将来に彼らが旧人類に取って代わるべきことが暗示されて終わる。無眠人とそっくりな話だが、手堅く面白いエンターテインメントに仕上がっている以上、文句の出ようはあるまい。
11. Posted by slg   October 31, 2005 23:10
ステイブルフォード「カラスの非情さ」★★★ 遺伝子操作で知能を持つに至った鳥たちが脱走するが、生存競争にさらされ次々と命を落とす。最後に残った鳥が、開発者の許に助けを求めに行く。この知性は遺伝しないため、鳥たちは自らの卵にひとつひとつ知性を持たせるための遺伝子操作をしなければならないが、一定数は命を落とすことになるというショートショート。
12. Posted by slg   October 31, 2005 23:15
ディッシュ「本を読んだ男」★★★★ 「アジアの岸辺」に収録されているようだが、持っていないのでこれが初読。出版業界に対する皮肉が効いた近未来奇想小説。書物が読まれなくなった未来に、出版業界はたばこ産業のごとく国の保護を受けるようになっている。作家や出版社は、読者を金で雇って本を読んでもらう。仕事にあぶれた主人公は<読書業>につき、ある作家志望者から読むことを依頼された本の内容から、新たな長編小説を書き、大ブレイクを果たすという話。現実の出版業界の不条理が効果的にデフォルメされており、可笑しい。
13. Posted by slg   October 31, 2005 23:18
キム・ニューマン「スロウ・ニュース・デイ」★★★ ドイツが第二次世界大戦に勝利したパラレルワールドにおけるドーヴァー海峡海底トンネル開通式の一こまを描いた小品。オチがあるタイプではなく単なるスケッチ風の作品。
14. Posted by slg   October 31, 2005 23:21
ラングフォード「バベル・ネット」★1/2 古代の図書館の書物データをコンピュータデータ化して解読する話。意味不明で何が面白いのかさっぱり分からない。ラングフォードは他にも何編か読んでいるが、全部意味不明。相性が悪いのだろう。
15. Posted by slg   October 31, 2005 23:28
ショーン・マクミュレン「緑の火の輪」★★★1/2 中世のヨーロッパである「魔女の息子」の女好きがペニスに「緑の環」を発症し、これを女たちに感染させる。主人公はその治療に駆り出され、わざと難航した上で治療に成功し、国王の持病治療に抜擢され、国王を見殺しにする。実は、国王に妻を寝取られた復讐であった。手堅いファンタジー作品。
16. Posted by slg   October 31, 2005 23:31
メアリ・ジェントル「人間の屑」★★1/2 厭人病の女がナノテク自動再生システムを組み込んだ息子をペットにしながら人間への愛を取り戻そうとする話。怪作。
17. Posted by slg   October 31, 2005 23:35
ユージン・バーン「電脳豚シリル」★★★1/2 愉快なキャラクター、電脳豚シリルをフィーチャーした、ユーモア・エンターテインメント小説。当初はアニメのキャラとして主人公がデザインした、「人の脳の機能を持つ機械を備えた知的豚、シリル」をある企業がリアルに実現し、売り出す。この電脳豚シリルは、パフォーマンス用に建造された劇場で、暴動を起こしたフーリガンを射殺し、逮捕されてしまう。諸々の騒動を乗り越えたシリルは脱走し、主人公の家にたどり着く。主人公はシリルの脳に自分の体験をインストールし、シリルとともに新たな漫画の構想を練る。そして恋人とともに新たな漫画プロダクションを設立するという話。普通に面白かった。
18. Posted by slg   October 31, 2005 23:38
2巻と同様に、ホームラン級の傑作は1編もなかった。総合★★1/2。