SF百科図鑑

アヴラム・デイヴィドスン『10月3日の目撃者』ソノラマ文庫

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匿名ユーザー

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October 22, 2005

アヴラム・デイヴィドスン『10月3日の目撃者』ソノラマ文庫

短編集
さすが玄人好みといわれるだけあって、技巧的な作品が多い。その代わりどれも小粒。細かい英語の駄洒落とか、アメリカ人でないとわからないであろうネタとか&&。英語圏人以外には解説が必要であろうような作品。つまりは一般性がないということか。
個人的に面白いと思ったのは「助けてくれ、私は地球人の医師だ」と「作家よ、作家」の2編だが、大傑作といえるものは入っていない。
「10月3日の目撃者」★★★ 雑談している人間たちによって適当にあしらわれるエイリアン。一種のアンチSFな話。
「人造人間ゴーレム」★★★ これも同じタイプで、あっさりシカトされやっつけられる人造人間。まとまりがよくシンプルでわかりやすい話。
「草は緑」★★1/2 土地を奪われたインディアンが魔法で復讐する話。ちょっと単純な感じがする。
「助けてくれ、私は地球人の医師だ」★★★1/2 歯のないエイリアンに拉致され歯形を作らされる天才歯科医。よくできたコメディ。ただ、オチにもう一ひねりあれば&&。
「常夏の国」★★ 死後の国=常夏の国をは語る霊媒の話。何が面白いのか今一わからず。
「六番目の季節」★★ 異星の樹液を吸って精神に異常を来す地球人たちの話。今一ありがち。
「魔法のペンダント」★1/2 魔力を持つ奇妙なロケット付きペンダントの話、何が面白いのかさっぱり。
「電話が遠いのですが」★1/2 歴史上の人物に電話をかけ助けを求める男の話。つまらなかった。
「不思議なカメラ」★★1/2 撮影した人物の生命を吸い取るカメラの話、まあまあだった。
「恋人の名はジェロ」★★ 人に呪いをかける少女たちの歌。デビュー作らしいが、凡作。
「豆占いの女」★★ これも似たような、豆で運勢を占う家政婦の話で、ひねりがなくつまらない。
「作家よ、作家」★★★★ これが一番面白かった。全作品の犯人を執事にしてしまうミステリ作家が、作品中のキャラを地でいく人々に復讐される話。通俗的なミステリ小説や出版業界に対する痛烈な皮肉には国境を越えた一般性があるので、けっこう笑えた。
総合 ★★1/2
silvering at 00:07 │Comments(1)読書

この記事へのコメント

1. Posted by SLG   October 23, 2005 15:19
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(1) 京都(日) 11R 3連複 軸2頭ながし 軸馬:02-07
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