SF百科図鑑
デイヴィッド・リンゼイ『アルクトゥールスへの旅』サンリオSF文庫
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匿名ユーザー
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October 20, 2005
デイヴィッド・リンゼイ『アルクトゥールスへの旅』サンリオSF文庫
1920年 リンゼイの奇書
地球から超光速宇宙船でアルクトゥールス星の惑星トーマンスに連れて行かれたマスカルという男が遍歴する、めくるめく哲学的形而上体験。眩暈がするほどに濃密に詰め込まれた、哲学的・宗教的メタファーの山。強烈な視覚イメージの数々。虚が実となり実が虚となる、めくるめく世界観の変転。そして、生死・世界を超越した高みへ&&。SF・ファンタジー設定を借りて展開される、弁証法的な形而上思弁小説。
訳者あとがきとコリン・ウィルソンがあまりに絶賛しすぎているのでちょっと引くが、凄い作品であるというのは認める。ただ、物語としてはそれほど面白いというわけではない。あくまでも、強烈な奇想的イメージとハッタリのきいた思弁の迫力が本作の売り。玄人受けする作品の典型で、存外一般性は乏しいと思う。
あと、一般名詞の組み合わせで作られた固有名詞群の語源(推測)を巻末にまとめてあるが、これは訳文中に取り込んだ方がよかったと思う(初出時のみ語義を表示してルビを振り、2回目以降をカタカナ表記するという最近多く使われる手法が最適だった)。
テーマ性 ★★★★★
奇想性 ★★★★
物語性 ★
一般性 ★★
平均 3
文体 ★★
意外な結末★★★
感情移入 ★★
主観評価 ★★1/2(28/50)
訳者あとがきとコリン・ウィルソンがあまりに絶賛しすぎているのでちょっと引くが、凄い作品であるというのは認める。ただ、物語としてはそれほど面白いというわけではない。あくまでも、強烈な奇想的イメージとハッタリのきいた思弁の迫力が本作の売り。玄人受けする作品の典型で、存外一般性は乏しいと思う。
あと、一般名詞の組み合わせで作られた固有名詞群の語源(推測)を巻末にまとめてあるが、これは訳文中に取り込んだ方がよかったと思う(初出時のみ語義を表示してルビを振り、2回目以降をカタカナ表記するという最近多く使われる手法が最適だった)。
テーマ性 ★★★★★
奇想性 ★★★★
物語性 ★
一般性 ★★
平均 3
文体 ★★
意外な結末★★★
感情移入 ★★
主観評価 ★★1/2(28/50)
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