SF百科図鑑 Robert Silverberg "Pluto in the Morning Sunlight"


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October 07, 2005

Robert Silverberg "Pluto in the Morning Sunlight"

The Collected Stories of Robert Silverbergという短編集シリーズの第1巻。
かなり質の高い短編集だったが、特に70年代のもののレベルが高かった。(なお、中の数編はかなり昔に読んでおり、今回は残りを読み終えた。)
"Homefaring"★★★ 甲殻動物に精神を接続する実験の被験者となった男が、終了後も甲殻動物の生活を思い出すという話だった。甲殻動物視点からの世界描写が面白い。怪作。
"Basileus"★★コンピュータプログラムで神を作ろうとした男が、神になる。
"Dancers in the Time-flux"★★1/2 "Son of Man"と同じ神話的未来世界に時間流で飛ばされた男の話。
"Gate of Horn, Gate of Ivory"★★ 夢の中で未来を念じた男が未来に行く。"Son of Man"と関係はないようだが同系の話。
"Amanda and the Alien"★★ 生物の魂を飲むエイリアンをもてあそんだ女の話。
"Snake and Ocean, Ocean and Snake" ★★ テレパス同士の恋愛話。実際に会うのはタブーであったがそれを破るという話。
"Tourist Trade" ★★ 地球人の形態を取る能力のあるエイリアンと商取引をしていた男が女の姿をしたエイリアンに恋し、関係を持つという話。
"Multiples" ★★★★ ここから急に作品の質が上がる。多重人格者が人格を使い分けるのが当たり前となった社会で、それにあこがれて多重人格者のふりをする単一人格の女の恋愛ストーリー。傑作。
"Against Babylon" ★★★★ テレパシー能力を持ったエイリアンに妻を奪われた男の苦悩。リサ・タトルの英国協会賞受賞作"In Translation"と共通点の多い話で、おそらくタトルはこの作品から着想を得たのではなかろうか。
"Symbiont" ★★★★★ これは傑作だ。脳に寄生し共生する恐怖の異星生物に侵された戦時の同僚につきまとわれ、苦悩する男。恋人とともに、かれを<殺して助ける>計画を実行に移すが、予想外の結末に&&。「冷たい方程式」を彷彿とさせる苦い結末まで、完璧な出来。
"Sailing to Byzantium" ★★★★★ 問答無用の名作。ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞。様々な古代都市テーマパークを造っては取り壊す、超遠未来の社会を遍歴する男。人造人間の少女を追う彼は、意外な真相を突き止める&&。幻想的で美しい都市の描写、美女、あっと驚くどんでん返し&&。『夜の翼』に並び称されるべき最高傑作の一つ。
"Sunrise on Pluto" ★★1/2 これはSFマガジンに訳されたことがあるようだ。冥王星に住む機械とも生物ともつかぬ奇妙な蟹型の存在の話。起承転結のある話ではなく、ただこの存在を調査し謎を解き明かすだけの話で単純だが、この生物の描写はなかなかに魅力的だ。ストレートな宇宙SF。
"Hardware" ★★ 小惑星帯から回収された物体はコンピュータだった。このコンピュータが地球上のコンピュータとアクセスし、第5惑星を破壊した兵器の秘密を語るというアイデアストーリー。
"Hannibal's Elephants" ★★1/2 ニューヨークの公園に着陸したエイリアンの話をハンニバルの歴史上の逸話に見立てたコメディ。
"Blindsight" ★★1/2 遺伝子操作実験で可視光線が見えない代わりにそれ以外の様々なデータを感知することが出来るようになった男。彼に雇われた少年は、実験を行った学者を捜し当てるが、逆に買収されてしまう。しかし、かの男はただの盲人ではなかったのだ&&という話。アイデアは面白いが、オチにひねりが足りない。
総合 ★★★1/2

silvering at 01:16 │Comments(0)読書