SF百科図鑑 ダン・シモンズ『夜更けのエントロピー』河出書房


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September 26, 2005

ダン・シモンズ『夜更けのエントロピー』河出書房

積読だった奇想コレクション。
やっぱりこの作家、苦手。ちっとも面白くなかった。面白かったのは『ハイペリオン』の『没落』じゃないほうだけだ。
小説としては人物描写、文章力ともに、とてもしっかりしていると思うのだが、それを通じて伝えようとする思想や人生観が陳腐で面白みがないのが、今ひとつ好きになれないところであろう。変に社会派ぶって戦争だの社会問題だのをとり上げる割に、主張が陳腐。こういうの苦手。それに、アイデアもたいしたことないのが多い。どこかで見たようなアイデアを人物の書き込みで厚みを与えるという作風だから、その文体だの心理描写だのが好きになれなければ、ちっとも面白くない。
また、アジア人蔑視的なところがあるのも嫌いなところ。『カーリーの歌』のインド人蔑視も酷かったが、本書の「バンコクに死す」におけるタイ人蔑視も酷い。白人の悪いところを象徴するような最低作家だと思う。だからといって、毛唐とか糞アメ公とか罵り返せば同じ穴の狢になってしまうのがつらいところだが。
黄泉の川が逆流する(死者を生き返らせる社会の話)★★
ベトナムランド優待券(ベトナム観光公社みたいな話)★1/2
ドラキュラの子供たち(チャウシェスク政権と吸血鬼の末裔の話)★1/2
夜更けのエントロピー(交通事故を題材にエントロピー=死の妄念を描いた技巧的作品)★★1/2
ケリー・ダールを探して(失踪した教え子を探し、違う世界に行く教師)★★★
最後のクラス写真(大苦難によってゾンビとなった子供たちを教える女教師、しかし実は&&)★★1/2
バンコクに死す(フェラチオしながら血を吸って殺すバンコクの娼婦。これは本当に酷く、読んでいて殺意がこみ上げる)-
平均 ★★
silvering at 20:00 │Comments(0)読書