SF百科図鑑

トマス・M・ディッシュ『人類皆殺し』ハヤカワSFシリーズ

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August 12, 2005

トマス・M・ディッシュ『人類皆殺し』ハヤカワSFシリーズ

ディッシュ処女長編
普通の破滅もので特に大したことはなかった。「草の死」の後日談といった感じ。エイリアンらしきものが地球上にばらまいた植物によって、地上の植物が枯れ、食糧難になり動物が死んでいく。人類は人口が激減しわずかな食料を奪い合って殺し合い、残った人々が小さな部族で細々と生活する。ある家族を中心とする共同体は権力欲や嫉妬、猜疑心にとって分裂していく。地上で物を燃やす球体が出没したため地下洞窟に避難し植物の果実で食いつなぐが、次々とメンバーが死んでいく。やがて植物の<収穫期>が来たためエイリアンは果実を収穫し植物を焼き払う。人々は地上に戻り災厄が去ったと喜ぶのもつかの間、次の種がまかれる。人類は自然によって淘汰されることがラストで明らかにされて終わる。
救いのないエンディングで発表当時は話題になったようだが、破滅ものとしては陳腐であり、小説として荒削りで、特に歴史に残るほどの作品とは思われない。
テーマ性  ★★★
奇想性   ★
物語性   ★
一般性   ★
平均    1.5
文体    ★★
意外な結末 ★
感情移入力 ★
主観評価  ★(14/50)

silvering at 23:58 │Comments(0)読書

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