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ウィリアム・ジェイムズ『純粋経験の哲学』岩波文庫

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July 03, 2005

ウィリアム・ジェイムズ『純粋経験の哲学』岩波文庫

純粋経験の哲学プラグマティズムで有名な米国心理学・哲学・宗教学者の哲学論文集。「リンボー」「ヴィーナス・プラスX」「破壊」などで参考文献によく名前の挙がっている学者なので、試しに読んでみた。真剣に論じるほどの内容でもないと思うので、いい加減に感想だけ記す。
結論から言うと、あまり役に立つ本ではなかった。
主要な論旨は以下の通り(明確な説明もなく意味不明の概念が論じられ、理解に苦しむ箇所も多いが、苦労して理解するに値する内容とも思えないので、テキトーに省略)。
<従来の哲学では「思考」「認識」とその対象である「物」とを同一次元における対立要素としてとらえる二元論が主流で、人間精神をあたかも物のようにとらえてきた。しかし、これは一見直観に基づく常識のようでありながら、自分の意識を仔細に観察すると精神とか意識にそういった実体の無いことが分る。意識というのは、対象物との間に生ずる「関係」そのものであり、いわば「物」を同時に二重に数えているだけであって、それとは別個の実体を持つものではない。
この主張に対する様々な考えられうる批判を必要以上に執拗にかわすことに紙数の大半が費やされる。
そして、認識というものを形作る無数の瞬間的な純粋経験が無数に重なり合い接続しあって一個の世界を構築しており、人間精神もまた無数の部分からなる全体であって全体と部分が同時に部分意識であり全体意識でもあるような関係にあり、全体意識を更に包含する巨大な意識というようなものがあるかもしれない(心霊学)。
世界は無数の断片から構成され、その相互関係は極めて複雑な無数の要素によって構成され、抽象論理のようにA=B=C、A
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