びっくりハウス効果★★★
前半 陳腐な宇宙冒険もので、糞認定しかけたが、ラストのメタフィクション落ちで辛うじてセーフだった。
バービーはなぜ殺される★★
そっくりのクローン集団内部の連続殺人。陳腐なミステリで退屈だった。凡作。
イークイノックスはいずこに★1/2
土星の輪に生息するシンブという寄生生物の話。冗長で退屈だった。キャラも魅力に欠ける。長い分余計に印象が悪く、最低点に近い。
マネキン人形★★★
妄想が真実であってもおかしくない、女性は寄生生物によって生殖し男性が不要であると信じる妄想患者と話しているうちに妄想が真実になる。筋立てが単純で工夫がないがアイデアは秀逸。
ビートニク・バイユー★★
単なる宇宙を舞台にした甘っちょろい人間ドラマで退屈。キャラ設定がラノベ青春もの風の型にはまったキャラで魅力に乏しいのも痛い。お子ちゃま向けメロドラマ。
さようなら、ロビンソン・クルーソー★★★
リゾート海洋惑星に改変された冥王星で人格を若年化され身体を両棲仕様に改変して二度目の思春期を送る<少年>の海洋冒険SF(上記ネタはオチで判明する)。出来はよいと思うが、<万年思春期>の初期ヴァーリーの作風が良くも悪くも前面に出過ぎていて、苦手な者にはかったるい。
「ブラックホールとロリポップ」は「ブルーシャンペン」で既読。よく出来た宇宙サスペンスだった。★★★1/2。
「バガテル」は大昔読んだが全く覚えていない。つまらなかったという印象だけが残っている。★★
「ピクニック・オン・ニアサイド」は「テイルズ・イン・スペース」で既読。★★★
全体的に低レベルの本だった。ヴァーリイは『残像』も表題作以外はいまいちだったし、今まで面白かったのは『ブルー・シャンペン』だけだ。八世界ものはほとんどつまらない。やはり設定が共通な分、マンネリ感が強く、キャラ描写の平板さが前面に出てしまうのと、アイデアがつまらないせいだろう。ありふれた人間ドラマに頼りすぎてしまう、ハインラインと同様の欠点がある。