メニュー
人気記事
<奴隷と自由人・第二部>
母系計画Motherlines スージー・マッキー・チャーナス
プロローグ
1
アルデラは緊張して川辺にうずくまり、軟泥の上をなにものかが通った跡を見つめていた。このあたりは水深が浅いので、なにかが向こう岸に渡ったのだ。いや、通ったものは二つだ──二つの行跡が一度離れたあと、ふたたび近づいている。
故郷を逃げ出してから何ヶ月ものあいだ、生き物を見ていなかったし、見たいとも思わなかった──荒れ果てた故国に伝説がゆき渡る、あの怪物ならば話は別だが。とはいえその存在を本気で信じているわけではない。おそるおそる、肩越しに後ろを振り返る。
(以下次号)
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。