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Paul Anderson "The Saturn Game"」(2005/12/07 (水) 12:25:13) の最新版変更点

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<p>2001年</p> <p>2/6</p> <p> というわけで「21世紀SF・」は・・を上回る読みごたえで、余裕の★★★★★。やっぱりニューウェーヴのSFは良いねえ。こんな本ばかりぶっ続けで50冊ばかり読みたいよ、ほんと。嗚呼幸せ。</p> <p> で、この本をあと2、3回読み直したいぐらいだが、それでは進歩がないので、心を鬼にしてヒューゴー賞読みに戻ることにする。今度は、アンダースン「土星ゲーム」とアシモフ「銀河帝国の興亡」である。アシモフは「ファウンデーションの彼方に」を読むため、どうしても旧シリーズ3冊を先に読まざるを得ない(また旧3冊はシリーズもののヒューゴー賞受賞作でもあるし)。<br> 「土星ゲーム」を読み始めたが、要するに、土星探査に出た宇宙飛行士たちが能力や精神状態を一定レヴェルに保つためには単調な飛行生活に埋没するだけではだめで常時何かをしていなければならない。その正気を保つための手段としてゲームをやっているメンバー4人が第1章で紹介され、次いで第2章でその4人が土星の衛星に着陸する。章冒頭に引用される「ミナモト」なる人物の文章によると土星探査は「クロノス」計画と言うようであり、この4人はクロノスの探査船から衛星探査のため派遣された者のようだ。というのが今読んだ段階での粗筋。第2章は衛星の情景描写がけっこう続くが、衛星から見た土星の描写など結構美しい。<br> なかなかそそられる発端部だが、このあとどう展開するか。詳細は、「SFリサーチ」のほうに記す。</p> <p>2/8<br> アンダースン「土星ゲーム」★★★★★<br> 名作だ。長い単調な航宙生活の中で精神状態を維持するため、乗員が興じる「サイコドラマ」(複数でプレイできるRPGのようなものと思われる)が乗員の精神に影響を与え、悲劇を巻き起こすという話。シミュレーションゲームにはまり過ぎてハイジャックをしてしまった例の事件など、最近同種の事件が頻発しており、その題材は極めて今日的、書かれた当時よりもむしろ今読む方が面白く、時代を先取りした作品だったといえる。もちろん、土星の衛星に着陸後、ゲームの登場人物になり切って無謀な探索行に赴き、窪地に転落してからの鬼気迫るサヴァイバル描写はさすがの出来。先日読んだ「メイルシュトレーム2」もサヴァイバルものであったが、やはりこの手のものは何度読んでも面白い。また、ストーリーの良さ、アイデアの斬新さ、人物の描き分けのうまさもさることながら、何といっても土星の衛星の地表の状態についての緻密な構築がハードSF作家らしい見事さで、情景描写の色彩感覚も素晴らしい。ヒューゴー賞/ネビュラ賞独占は当然だろう。個人的にアンダースン短編(中編?)のオールタイムベストだ。これほどの作品が(しかもこのアイデアはゲーム大国日本でこそ最も生きるものなのに)、未だに未訳にとどまっていること自体が不思議でならない。</p> <p> で、引き続き、カップリングのベンフォード「氷生」読み始める。冥王星の生命の話! まず、「冥王星」を選ぶというところがそそられるではないか。冥王星については20世紀後半になるまでほとんど何も分かっていなかったが、次第に、南北の極にメタンと思しき氷冠があること(ということは大気や、メタンの海もある?)や、冥王星の半分以上の大きさのあるカロンという衛星(衛星というより双児惑星?)があることなどが判明。で、様々なデータからまず生命の存在する可能性はほぼゼロに近いのだが(何しろ太陽が普通の星のようにしか見えないほど遠い)、その限り無くゼロに近い中から唯一のあり得る可能性を描き出したのがこの作品、との作者の弁(巻末の後書きを先に読んでしまった(笑))。<br> 第1章からいきなり、「ザンド」なる怪しい生き物の生態描写が始まる。この描写がタンギーの絵のように幻想的で、もうたまりません。で、第2章は冥王星有人探査船(そんな探査誰がするか、というのはおいておいて(笑))の唯一の生き残り?の女性(他の3人は理由は分からないが凍っている、凍眠なのか死んでいるのかは現段階ではよくわからない。多分寝ているんだろう)が孤独を紛らそうと闘う場面。第3章はまた冥王星の生態描写の場面、と交互に進行していく。ベンフォードを読むのは日本語/英語を通じてこれが初めてだが、クラーク以外では最もクラークに似た作品を書く作家といえると思うけど、なんだこれ、クラークよりいいじゃん。惑星、衛星のリアルな描写は、もと惑星マニアの者には、そこらあたりの生温い仮性ハードSF作家の気の抜けた作品群とは比べ物にならないほど歯ごたえがある。第2章を読む限り、人物描写やプロット構築力もクラークより上のように思われる。この力量を見る限り、クラークはいつ引退してもいいのでは?と不埒なことを考えてしまう(笑)。<br> 冥王星の生物がなぜか英語で喋っているのも笑える。ほんとは受賞作でも何でもないので後で読んでもよいのだが、題名と「冥王星」に惹かれて、結局すぐに読んでしまいそうである。</p> <p>うう、(略)。ほんとにつくづく俺って駄目やね。</p> <p>やばい、もう行く時間だ。風呂にも入ってねえ。</p> <p> 結局、アイスボーンの前に、受賞作中の短かめのものを先に読むことにした。<br> そこで、ゼラズニイ「永久凍土」読み始める、しかしまだ1ページ目で寝てしまった、夕べ。ゼラズニイは、会話文は軽快だけど、素の文の単語が結構難しいので読みにくい。時々、普通の辞書に載っていない古語のようなものまで使っているし。したがって、まだどんな話なのかよく分からない。</p>

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