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「中村融『影が行く』創元SF文庫」(2005/12/06 (火) 20:02:54) の最新版変更点
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<p>2000年</p>
<p>8/26</p>
<p>「影が行く」より<br>
悪夢団(クーンツ)★★★1/2<br>
エリスンっぽい暴力描写のピカレスク小説?だが、ひねりが足りず物足りない。このネタで長編を書いたら、面白いと思うんだがなあ・・・。クーンツはやはり切れよりパワーのタイプで、長編に向いているようだ。キングも短編は今いちだし、通ずるものがある。</p>
<p>8/27</p>
<p>影が行く<br>
「群体」トーマス★★★★★<br>
バイオSFホラーの埋もれた名作だ。突然発生した生命体が水道管から人を襲うというネタは、「ブラッドミュージック」「パラサイトイヴ」などでお馴染みだが、この作品の特異性は、極めて客観的文体で、冷静な科学的説明を加えながら、淡々とパニックの描写をしていることだ。「ボシイの時代」を思わせる文体。作者は無名だが、ウィルヘルムと共作があるというから実力があるのだろう(ウィルヘルムが認めた、というんだから)。<br></p>
<p>あぁ~、最近翻訳やってねぇなぁ、やりてえ!</p>
<p>8/29<br>
「影が行く」より<br>
「歴戦の勇士」ライバー★★★★<br>
改良戦争ものの傑作。しかし、このシリーズ、肝心の「改良戦争」自体は登場人物の語りの中に出てくるだけ。「ビッグタイム」も中継点での話だし。SF味は薄いよなぁ。まあそこがライバーらしい変でちょっと暗い味を醸し出しているんだけど。<br>
「ポールターのカナリア」ロバーツ★★★1/2<br>
おいおい、あのロバーツの短編だってよ! ロバーツの短編が訳されている、というだけでじゅうぶん凄い。しかも内容がほとんど京極堂(笑)。SFっぽくはないけど、それなりに面白いので許す。<br>
「影が行く」キャンベル★★★★★<br>
凄いですねえ。バイオホラーSFの超古典にして、SFミステリとしても大傑作。しかもその謎ときの論理がSFそのものというのが嬉しい。とても30年代の作品とは思えないぐらい新鮮に読めるのは訳文の力もあるか。ディックあたりだと全員乗っ取られて終わるところだろうが、いちおう無難に解決されてしまうところがまた、これはこれでいい。<br>
「探検隊帰る」ディック★★★1/2<br>
いかにもディックらしい作品。ただしラストはもうひとひねり欲しかった。<br>
「仮面」ナイト★★★★1/2<br>
有名なのに影の薄い作家で、多分読むのは初めて。しかし、意外な傑作。人体のすべてが補綴技術によって完全なサイボーグと化したら人間心理はどうなるか? という切れ味鋭い短編。<br>
「吸血機伝説」ゼラズニイ★★★1/2<br>
原題はハリスン作品の題名のもじりであるように、明らかに題名を先につけて内容を合わせて書いたと思しき掌編で、特にどうということはない作品だが、器用にまとまっておりこれはこれで笑って読んでいればよい。<br>
「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」クラーク・アシュトン・スミス★★★★★<br>
凄いです。怖かったです。しかし、これ、SFとはいえないよなあ。怪奇幻想小説の王道、いかにも「ウィアード・テールズ」な感じ。舞台が火星なだけで、内容はラヴクラフトが書いたといわれても信じてしまうぐらい。いくらホラーSFのアンソロジーとはいえ、SFのアンソロジーに入れることには疑問も。しかし、この作品自体に罪はない。<br>
「5つの月が昇るとき」ヴァンス★★★1/2<br>
ヴァンスはヒューゴー受賞のノヴェラしか読んでいないので、異世界ものファンタジーでやたら怪獣が出てきて殺しあう話ばかり書いている人と思っていたが、こういう普通のショートショートも書く人だったとは意外。しかし、常人には思いも及ばぬ変な話であるところに、ヴァンスらしさの片鱗があるかも。<br>
「ごきげん目盛り」べスター★★★★1/2<br>
うーむ、やっぱりべスターは凄い。いかれてるよ。一人称、三人称が入り乱れる文体、いかれたキャラクター、暴力と犯罪のオンパレード、テンポよく軽いストーリー展開、発想のずば抜けた凄さ。短編なだけに満喫とまではいかないが、この作家の凄さの一端は十分に窺える。しかしべスターはやっぱり長篇がいちばん。<br>
残るは、満を持して、目当てのオールディス「唾の樹」のみ! 何といってもこれが目玉で、これとライバー、ロバーツ、べスターあたりが入ってなければ多分この本は買ってなかった。いよいよ読むぜ幻の名作!</p>
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SFM10月号、70年代特集号ゲット。いよいよヒューゴー読みも70年代に入る。60年代はあと長篇は2冊、但しブラナー予習用長篇2冊も別に読むが。</p>
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そいえば、スラデック「ロデリックアトランダム」届いたぞ!</p>
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<p>8/30<br>
「影が行く」読了。<br>
「唾の樹」オールディス★★★★★<br>
さすが大御所、落ち着いた語り口でじっくり読ませる。オーソドックスな侵略?もので英国SFの王道的作品。20世紀初頭の英国田園風景の牧歌的描写がまた絶品。ウェルズが作中に登場しメタSFとしても楽しめる。ネビュラ賞受賞も順当なところ。集中の目玉はやはりこれだった。</p>
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さて、後は月無慈悲とブラナーで60年代ヒューゴーはパーフェクト制覇。<br>
ネビュラは後、「ドリームマスター」「バベル17」「アインシュタイン交点」「成長の儀式」「ベスト・フロム・オービット」とディクスン「彼の名は王」で全部。ディクスンのみ未訳だが、オービットも入手困難(NWSF社だもん(^_^;))。<br>
しかし、ネビュラは後の楽しみにとっておこう。</p>
<p>一足先に70年代の課題図書選定をしておこう。</p>
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71年リングワールド(ニーヴン) 凶運の都ランクマー(ライバー)
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