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『ゆがんだ闇』角川ホラー文庫」(2005/12/06 (火) 00:30:09) の最新版変更点

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<p>1997年日記より</p> <p>4/21<br> Massive Attack の新作を買いに行くが、輸入盤しかない。日本盤が4/8発売のはずだから、とうに店頭に並んでいるはずなのだ。3軒ほど回っても見つからないということは、売り切れの線も薄く、恐らく、発売延期になったのであろうと思い、日本盤が出るのを待つことにして------何しろ日本盤にはボーナストラックが入っているのだ------まだ買っていなかった1stアルバムを輸入盤で買った。明日発売のはずのUAの2ndが既に置いてあったので、これも買おうと思ったのだが、生憎、持ち合わせが5000円札1枚しかなく、Massiveのみで我慢することにした。<br> で、今2回目を聴いているがすげえいいよ。2ndは暗い曲が多かったので気分が乗らないと聴けなかったのだが、1stは明るめだったので安心。3rdを手に入れたらテープ編集に走ろう。</p> <p> 先週の土曜に角川ホラーのアンソロジー「ゆがんだ闇」★★とキングの「ゴールデン・ボーイ」を購入、アンソロジーのほうから読み始める。<br> まず、このセンスのない安易な題名はやめてほしい。恥ずかしいから。<br> しかし、アンソロジーのタイトルは無能な編集者の責任であって、作品を提供している作家には何の責任もないから、入っている作品がよければおれとしては何も言うことはない。<br> 収録作家は6人で、鈴木光司や瀬名秀明も入っている。特に瀬名の有名な「Gene」が入っているので、ほとんどこれめあてに買った。<br> で、良いものはなるべく最後に回してどうでもいいのから先に片付けるというおれの性格通り、巻末に入っている瀬名を真っ先に読むなどということはせず、最初から順番に読んで行った。<br> で、今、4つ目まで読んだのだが&&。<br> はっきりいって、く・だ・ら・な・い。<br> 早速口をきわめてけなしていく。<br> 小池真理子「生きがい」。★<br> 作者は「恋」とかいう長編だか何だかで、直木賞とか何とかいうらしい賞をとったそうだが、よくもまあこんな文章力にプロット構成力でそんな賞をとれたもんだよ、という感じである。<br> 文章どころか、国語力自体に問題がある。とにかく誤字が散見され、よくもまあこれで大学のしかも文学部を出られたよなあ、と言いたくなる。頼むから日本語書いてよ。<br> で、内容だが、とにかくこの語り手である「私」とかいう奴がやたら気持ち悪い。更に、アパートに一人だけ住んでいるノボルとかいう大学生がまた気持ち悪い。人間が描けてないためにのっぺらぼうでどういうやつなのか顔形などイメージできず、不愉快でたまらない。登場人物はこの2人だけだというのだから、これを読むのがどんなにつらいことかはお分かりであろう。<br> 下手な文章に、人間っぽくない気持ち悪い登場人物、ありふれたくだらないオチ。わざとくだらなく書いているとしか思えないほど、活字として出版され市販されるにふさわしくない駄作である。そのような印象を読む者に与えて不愉快な気持ちにさせる、それこそが作者の狙いであり、そこにこそまさに新しい「恐怖」があるというのなら、この作者は正しく天才か白痴のどちらかであろう。<br> 駄作はこの作品だけだと信じたい。そうでないとあまりに空しくなる。一応、傑作といわれている「墓地を見下ろす家」はまだ辛うじて読む気でいるので、どうか期待を裏切らないでほしいとただただ祈るのみである。といっても、文章力はなあ。どうしようもないよ。<br> 鈴木「ナイトダイビング」。★<br> 駄目。終わってる。浅すぎる。とても職業作家の作品とは思えないほど突っ込みが足りない。まあ、あの短編集「仄暗い水の底から」自体、出来不出来の差が激しく、ひどいのはほんとうに無残な出来だったので、これがこの作者の力なのかなという気もするが。アイデア等はラヴクラフトそっくりで、突っ込みが足りないのも恐怖の核心であるクトゥルフの神々を謎のままとどめて小出しにするラヴクラフトっぽいよなあという感じはするのだが、いかんせん実力がないためにラヴクラフトの足元にも及ばないほどの惨憺たる出来である。<br> で、なによりいやだったのが、子供を作るか作らないかでもめて倦怠期気味の夫婦が海中の奇妙な生物を見たのをきっかけに子供を作る気になり絆を深めるという死ぬほど恥ずかしいラスト。虫酸が走る。よくこんな文章を平気で書けるよなあと、嫌悪せずにはいられない。<br> 考えて見れば「仄暗い水の底から」にも似たようなのが入っていたよなあ。変な家族愛みたいなのをやたら強調した。すげえ偽善者っぽいの。おれは偽善者がこの世で死ぬほどいちばんずば抜けてダントツにめちゃめちゃ嫌いである。最初読んだときはまあいいかとあんまり気にならなかったのだが、これだけ何度もやられるといやでたまらなくなってくる。<br> これでまた、「ループ」を読む気が失せたよ。あああ。結局こいつので傑作といえるのは「リング」と「浮遊する水」の2作だけで、後は大したことないのばっかりじゃないか。<br> 篠田節子「小羊」。★<br> 前半は謎めいてて結構よかったのよ。よく純文学作家がSF書くとそうなるような感じで、SF作家だと当り前に書くようなことも結構ものものしく大げさに書くのがかえっていい感じ醸し出すことがあるというのと同じ様な感じっていうか。<br> しかし、後半が駄目。クサい。恥ずかしい。赤面。アイデアが陳腐すぎる。1930年代のSF並み。このオチのためにえんえん前半読まされてたのかと思うと、あまりのことにおいおい泣きたくなってしまう。<br> 作者紹介によると作者はレムやディックが好きだというので、この作者はセンスがいいのかも知れないとちょっと期待した自分の人を見る目のなさにひしひしと劣等感にうちひしがれ、ふと、その劣等感が自分自身のせいではなくもっぱらこの篠田某という作家のせいだということに頭が及んだときむしょうに殺意が込み上げてきた。<br> しかも、このアイデアは確かに陳腐なのだが、陳腐である上に、10年以上昔の諸星大二郎の漫画にそっくりのがあったのを思い出し、こいつ漫画を盗作してるよとものすごく腹が立ってきた。夕日に向かって機関銃を乱射したい気分である。<br> で、更に、このアンソロジーがホラーのアンソロジーであるのを思い出し、どう見てもただの出来の悪いSFの短編でしかなく、SFのアンソロジーなら間違いなく駄作として読み捨てられ振り返りもされない程度のものに過ぎないのに、あたかもホラーであるかのような顔をしてホラーのアンソロジーに収められ、しかもあたかも傑作であるかのような顔をしているのが憎たらしくてたまらなくなってきた。<br> 初出がSFマガジンだというので、作者がSFのつもりで書いたというのは確認できたからその点はいいのだが、頭の紹介文に書いてある「SF的色彩を強く投影しながら、底知れぬ恐怖へと誘う異色作である」という部分がものすごく違和感があり、笑ってしまう。別に底知れぬ恐怖になんか誘われないよ。予想通りのオチだし、ラストのやたら感動させようという作為の感じられるいやらしい文章は最低だし。<br> 呆れたことに、この作者も「女たちのジハード」とかいう陳腐な題名の作品で直木賞を取ったとかいうことである。ほんとに直木賞って終わってるね。<br> 坂東眞砂子「白い過去」。★★<br> 今まで読んだ4つの中ではいちばんまし。<br> しかし、この作品もまた、主人公が気持ち悪い。まあ、この作品の最終的なオチが主人公の気持ち悪さにあるわけだから、それが作者の狙いなんだが。どうして女の書く小説はすぐこういうオチになってしまうんだろうね。女の心に潜む魔性、狂気、みたいな。少し自惚れ過ぎなんじゃないの。そんなもん全然興味ないよ。とにかくおれは、この手のオチは嫌いだ。生理的に受け付けない。だからこの作品とて、「金払ったかいがあった」という気には全くならねえ。<br> それにこの作品もまた、主人公の女性の心理描写の文章が陳腐すぎ。<br> 「青春は終わったのだ。」<br> 「不意に泣きたいような寂しさを覚えた。」<br> 「結婚して以来、自分の足元だけ見て生きてきた。」<br> よくもまあ、こんな中学生のような文を書けるよね。あんた何歳? 恥ずかしくないの。<br> で、こいつも「山妣」とかいうので直木賞取ってるんだってさ。もう信じられない。唖然である。<br> と、読んだのはここまで。期待して読み始めたのに、ほんとうに腹が立つ。こんなことなら最初っからキングとか、ブラックウッドやビアースとか読んだほうがよっぽど時間の節約になる。一生に読める本の数は決まってるし、こちとらそんなに暇じゃないのである。</p> <p> 後は、小林泰三と瀬名に期待するしかない。これでくだらなかったら、おれはもう、この本を焼き捨ててやるぞ、消毒するために。徽菌(ことえりに字が入ってなかった------10分ぐらい探したのに。この辞書、馬鹿(「ぶゎか」と、最初の破裂音をことのほか激しく唾を飛ばすほどの勢いで発音すると、よりいっそう憎しみが強調されて気持ちいいこと請け合いなので、お勧めします。)過ぎる。)がうつるから。</p> <p>頭ん中のBGM、じゃがたら「もうがまんできない」。<br> 4/25<br> 「ゆがんだ闇」読み終わる。<br> 小林泰三「兆」★★★★1/2<br> 傑作だ。最後の最後まで展開が読めないトリッキーな構成、独特のユーモラスな文体、斬新なアイデア。何も言うことはない。作者は天才だ。この作品だけでもこの本を買った甲斐があった。<br> 瀬名秀明「Gene」★★★<br> 遺伝子SF。後半に若干、ホラー色がみられるものの、ラストは完全にSFオチ。ここから、悪魔のゲノムを注入されたマウスと人間の戦いに話が発展して行けば、モロ「パラサイト・イヴ」調になってしまうが、そうなる前の段階で終わっているので、若干物足りない印象。<br> しかし、主人公がゲームをする場面の描写、ゲームと現実が同時進行して最後に一体化してしまう展開などにこの作者の才能の片鱗が見られるとは思う。また、アイデアの科学的ディテールへのこだわりは相変わらず(素人にはかったるいが)。</p> <p> 「兆」があまりによかったので、「玩具修理者」購入。</p> <p> なお、UAの「AMETORA」も購入。途中、ジャズやサンバが入ったり、沖縄民謡風が入ったりと、楽曲のバラエティにも富みかなりの傑作。Ambitious Loversのアートリンゼイが曲を提供している。★★★★1/2</p> <p>Massive Attackは残念ながら来週に発売延期となった。<br></p>
<p>1998年日記より</p> <p>4/21<br> Massive Attackの新作を買いに行くが、輸入盤しかない。日本盤が4/8発売のはずだから、とうに店頭に並んでいるはずなのだ。3軒ほど回っても見つからないということは、売り切れの線も薄く、恐らく、発売延期になったのであろうと思い、日本盤が出るのを待つことにして------何しろ日本盤にはボーナストラックが入っているのだ------まだ買っていなかった1stアルバムを輸入盤で買った。明日発売のはずのUAの2ndが既に置いてあったので、これも買おうと思ったのだが、生憎、持ち合わせが5000円札1枚しかなく、Massiveのみで我慢することにした。<br> で、今2回目を聴いているがすげえいいよ。2ndは暗い曲が多かったので気分が乗らないと聴けなかったのだが、1stは明るめだったので安心。3rdを手に入れたらテープ編集に走ろう。</p> <p> 先週の土曜に角川ホラーのアンソロジー「ゆがんだ闇」★★とキングの「ゴールデン・ボーイ」を購入、アンソロジーのほうから読み始める。<br> まず、このセンスのない安易な題名はやめてほしい。恥ずかしいから。<br> しかし、アンソロジーのタイトルは無能な編集者の責任であって、作品を提供している作家には何の責任もないから、入っている作品がよければおれとしては何も言うことはない。<br> 収録作家は6人で、鈴木光司や瀬名秀明も入っている。特に瀬名の有名な「Gene」が入っているので、ほとんどこれめあてに買った。<br> で、良いものはなるべく最後に回してどうでもいいのから先に片付けるというおれの性格通り、巻末に入っている瀬名を真っ先に読むなどということはせず、最初から順番に読んで行った。<br> で、今、4つ目まで読んだのだが&amp;&amp;。<br> はっきりいって、く・だ・ら・な・い。<br> 早速口をきわめてけなしていく。<br> 小池真理子「生きがい」。★<br> 作者は「恋」とかいう長編だか何だかで、直木賞とか何とかいうらしい賞をとったそうだが、よくもまあこんな文章力にプロット構成力でそんな賞をとれたもんだよ、という感じである。<br> 文章どころか、国語力自体に問題がある。とにかく誤字が散見され、よくもまあこれで大学のしかも文学部を出られたよなあ、と言いたくなる。頼むから日本語書いてよ。<br> で、内容だが、とにかくこの語り手である「私」とかいう奴がやたら気持ち悪い。更に、アパートに一人だけ住んでいるノボルとかいう大学生がまた気持ち悪い。人間が描けてないためにのっぺらぼうでどういうやつなのか顔形などイメージできず、不愉快でたまらない。登場人物はこの2人だけだというのだから、これを読むのがどんなにつらいことかはお分かりであろう。<br> 下手な文章に、人間っぽくない気持ち悪い登場人物、ありふれたくだらないオチ。わざとくだらなく書いているとしか思えないほど、活字として出版され市販されるにふさわしくない駄作である。そのような印象を読む者に与えて不愉快な気持ちにさせる、それこそが作者の狙いであり、そこにこそまさに新しい「恐怖」があるというのなら、この作者は正しく天才か白痴のどちらかであろう。<br> 駄作はこの作品だけだと信じたい。そうでないとあまりに空しくなる。一応、傑作といわれている「墓地を見下ろす家」はまだ辛うじて読む気でいるので、どうか期待を裏切らないでほしいとただただ祈るのみである。といっても、文章力はなあ。どうしようもないよ。<br> 鈴木「ナイトダイビング」。★<br> 駄目。終わってる。浅すぎる。とても職業作家の作品とは思えないほど突っ込みが足りない。まあ、あの短編集「仄暗い水の底から」自体、出来不出来の差が激しく、ひどいのはほんとうに無残な出来だったので、これがこの作者の力なのかなという気もするが。アイデア等はラヴクラフトそっくりで、突っ込みが足りないのも恐怖の核心であるクトゥルフの神々を謎のままとどめて小出しにするラヴクラフトっぽいよなあという感じはするのだが、いかんせん実力がないためにラヴクラフトの足元にも及ばないほどの惨憺たる出来である。<br> で、なによりいやだったのが、子供を作るか作らないかでもめて倦怠期気味の夫婦が海中の奇妙な生物を見たのをきっかけに子供を作る気になり絆を深めるという死ぬほど恥ずかしいラスト。虫酸が走る。よくこんな文章を平気で書けるよなあと、嫌悪せずにはいられない。<br> 考えて見れば「仄暗い水の底から」にも似たようなのが入っていたよなあ。変な家族愛みたいなのをやたら強調した。すげえ偽善者っぽいの。おれは偽善者がこの世で死ぬほどいちばんずば抜けてダントツにめちゃめちゃ嫌いである。最初読んだときはまあいいかとあんまり気にならなかったのだが、これだけ何度もやられるといやでたまらなくなってくる。<br> これでまた、「ループ」を読む気が失せたよ。あああ。結局こいつので傑作といえるのは「リング」と「浮遊する水」の2作だけで、後は大したことないのばっかりじゃないか。<br> 篠田節子「小羊」。★<br> 前半は謎めいてて結構よかったのよ。よく純文学作家がSF書くとそうなるような感じで、SF作家だと当り前に書くようなことも結構ものものしく大げさに書くのがかえっていい感じ醸し出すことがあるというのと同じ様な感じっていうか。<br> しかし、後半が駄目。クサい。恥ずかしい。赤面。アイデアが陳腐すぎる。1930年代のSF並み。このオチのためにえんえん前半読まされてたのかと思うと、あまりのことにおいおい泣きたくなってしまう。<br> 作者紹介によると作者はレムやディックが好きだというので、この作者はセンスがいいのかも知れないとちょっと期待した自分の人を見る目のなさにひしひしと劣等感にうちひしがれ、ふと、その劣等感が自分自身のせいではなくもっぱらこの篠田某という作家のせいだということに頭が及んだときむしょうに殺意が込み上げてきた。<br> しかも、このアイデアは確かに陳腐なのだが、陳腐である上に、10年以上昔の諸星大二郎の漫画にそっくりのがあったのを思い出し、こいつ漫画を盗作してるよとものすごく腹が立ってきた。夕日に向かって機関銃を乱射したい気分である。<br> で、更に、このアンソロジーがホラーのアンソロジーであるのを思い出し、どう見てもただの出来の悪いSFの短編でしかなく、SFのアンソロジーなら間違いなく駄作として読み捨てられ振り返りもされない程度のものに過ぎないのに、あたかもホラーであるかのような顔をしてホラーのアンソロジーに収められ、しかもあたかも傑作であるかのような顔をしているのが憎たらしくてたまらなくなってきた。<br> 初出がSFマガジンだというので、作者がSFのつもりで書いたというのは確認できたからその点はいいのだが、頭の紹介文に書いてある「SF的色彩を強く投影しながら、底知れぬ恐怖へと誘う異色作である」という部分がものすごく違和感があり、笑ってしまう。別に底知れぬ恐怖になんか誘われないよ。予想通りのオチだし、ラストのやたら感動させようという作為の感じられるいやらしい文章は最低だし。<br> 呆れたことに、この作者も「女たちのジハード」とかいう陳腐な題名の作品で直木賞を取ったとかいうことである。ほんとに直木賞って終わってるね。<br> 坂東眞砂子「白い過去」。★★<br> 今まで読んだ4つの中ではいちばんまし。<br> しかし、この作品もまた、主人公が気持ち悪い。まあ、この作品の最終的なオチが主人公の気持ち悪さにあるわけだから、それが作者の狙いなんだが。どうして女の書く小説はすぐこういうオチになってしまうんだろうね。女の心に潜む魔性、狂気、みたいな。少し自惚れ過ぎなんじゃないの。そんなもん全然興味ないよ。とにかくおれは、この手のオチは嫌いだ。生理的に受け付けない。だからこの作品とて、「金払ったかいがあった」という気には全くならねえ。<br> それにこの作品もまた、主人公の女性の心理描写の文章が陳腐すぎ。<br> 「青春は終わったのだ。」<br> 「不意に泣きたいような寂しさを覚えた。」<br> 「結婚して以来、自分の足元だけ見て生きてきた。」<br> よくもまあ、こんな中学生のような文を書けるよね。あんた何歳? 恥ずかしくないの。<br> で、こいつも「山妣」とかいうので直木賞取ってるんだってさ。もう信じられない。唖然である。<br> と、読んだのはここまで。期待して読み始めたのに、ほんとうに腹が立つ。こんなことなら最初っからキングとか、ブラックウッドやビアースとか読んだほうがよっぽど時間の節約になる。一生に読める本の数は決まってるし、こちとらそんなに暇じゃないのである。</p> <p> 後は、小林泰三と瀬名に期待するしかない。これでくだらなかったら、おれはもう、この本を焼き捨ててやるぞ、消毒するために。徽菌(ことえりに字が入ってなかった------10分ぐらい探したのに。この辞書、馬鹿(「ぶゎか」と、最初の破裂音をことのほか激しく唾を飛ばすほどの勢いで発音すると、よりいっそう憎しみが強調されて気持ちいいこと請け合いなので、お勧めします。)過ぎる。)がうつるから。</p> <p>頭ん中のBGM、じゃがたら「もうがまんできない」。<br> 4/25<br> 「ゆがんだ闇」読み終わる。<br> 小林泰三「兆」★★★★1/2<br> 傑作だ。最後の最後まで展開が読めないトリッキーな構成、独特のユーモラスな文体、斬新なアイデア。何も言うことはない。作者は天才だ。この作品だけでもこの本を買った甲斐があった。<br> 瀬名秀明「Gene」★★★<br> 遺伝子SF。後半に若干、ホラー色がみられるものの、ラストは完全にSFオチ。ここから、悪魔のゲノムを注入されたマウスと人間の戦いに話が発展して行けば、モロ「パラサイト・イヴ」調になってしまうが、そうなる前の段階で終わっているので、若干物足りない印象。<br> しかし、主人公がゲームをする場面の描写、ゲームと現実が同時進行して最後に一体化してしまう展開などにこの作者の才能の片鱗が見られるとは思う。また、アイデアの科学的ディテールへのこだわりは相変わらず(素人にはかったるいが)。</p> <p> 「兆」があまりによかったので、「玩具修理者」購入。</p> <p> なお、UAの「AMETORA」も購入。途中、ジャズやサンバが入ったり、沖縄民謡風が入ったりと、楽曲のバラエティにも富みかなりの傑作。AmbitiousLoversのアートリンゼイが曲を提供している。★★★★1/2</p> <p>Massive Attackは残念ながら来週に発売延期となった。<br></p>

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