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<p>2003.10.28</p> <br> <p>10月14~18日<br> <br> 1週間まとめ書きすまそ。<br> (略)競馬はずれた。<br> 明日(略)<br> <br> <br> 肝心の「ブルーマーズ」だが足踏み状態。(略)、パソコンいじり、競馬、エロネット観賞などで忙しく、なかなか読む暇がない。今ようやっとPart8が終わりそうである。この日記はもともとSF日記だったのに、いつからこんなふうになったのか。子供のようには戻れない。そろそろ本筋に戻したい。<br> Part6-7が話が進まず結構いらついたのだ。Part6はAnnのパートだったが、Annがどういう人物だったかほとんど記憶に残っていない。生物学者だったっけ。確かシェフィールド襲撃をとめようとした人物だったような。話はなんかただ回顧するだけであんまり進展はなかった。Part7はNadiaとArtがいちゃつきながら、火星の新政権の話をする。軌道ミラーが外されたために、火星の温度が下がるとかそんな話もあったような気がするが、だらだら読んでいたために、記憶が定かでない。ひどいときは3日で1ページとかいう感じだったから当たり前か。確かNadiaが火星の大統領だったような。書き込みが細か過ぎてそういう本筋部分が、かえって印象に残らないんだよな。これで344ページまで来た。で、Part8。ここはNirgalが火星に戻ってきてHirokoを探すパート。これも進展なし。この辺は要するに、話を進める気は作者に全くなくて、単に変容する火星の大自然をひたすら描写するのが目的。<br> 以上から明らかな通り、本作は、(略)理論で分析すればものすごく低い点になりそうな作品である。この作者は、物語性というものを非常に軽視している、というよりも、はなから別のことに興味を持っているようだ。それは、変容していく火星の大自然のリアルな描写と、そこで変容していく人間や文明のリアルな描写である。その推論がかなり偏っているために、リアルというよりシュールリアリスティックな感じはするが、描写が細かいことだけは間違いがない。<br> いちおうあてはめてみよう。<br> 1 舞台設定<br> 場所=火星<br> 時代=21~22世紀(近未来)<br> 状況設定=人類が火星に「最初の100人」を送り込み、地球化を始める。巨大なパラソルで太陽光を遮り、巨大なミラーで太陽光を火星上の一点に反射し、そのエネルギーで大気生成をする。地中の氷を溶かして海を作り、ドーム都市を作ったり、「モホール」(モホロビチッチ不連続面にできた穴)を加工して居住地を作ったりして生活を始める。火星軌道上には軌道エレベータでつながれた宇宙ステーションが開発の拠点となっており、メタナッツと呼ばれる超国籍企業が地球の政権の中心として開発の中枢になっている。また最初の100人は癖のある人物揃いで殺人事件など結構どろどろした人間関係もあったが(第1巻「レッドマーズ」に詳述)、火星の生態系を壊さないように時間をかけて慎重に開発すべきだという赤派と、急速に地球化を進めるべきだという緑派に分かれる。緑派はメタナッツに忠実で、地球温暖化により水位が上昇し水没した都市からの地球人難民等の移民を急速に進めるべきだという立場に親近性を持つ。本作はどちらかというと赤派にシンパシーを持つスタンスで書かれている。「レッドマーズ」ラストでは、急速な地球化に反対する赤派たちが軌道エレベータを破壊し、メタナッツによる開発の拠点を失わせる。続く「グリーンマーズ」では、破壊工作を行ったヒロコら赤派がモホールの地中都市に生活し、二世、三世が生まれている。メタナッツの開発部隊は軌道エレベータを再建し、頓挫した作業を再開しようとしている。帯水層が開放され、徐々に海が形作られていく。再び始まった地球化、そして次次と送り込まれて来る地球の移民たち。危惧を覚えた火星先住民たちは、再度結集し、ダムを決壊させ、メタナッツの拠点都市を水没させる(「グリーンマーズ」ラスト)。<br> 「ブルーマーズ」は、その直後、火星先住民たちが、軌道エレベータの直下にあるメタナッツの拠点都市シェフィールドに向かうところから幕を開ける・・・。<br> 2 人物設定<br> <最初の100人>=火星に送り込まれた最初の科学者集団。長命化措置でほぼ半永久的に生きることができるため、アン、ヒロコらは既に肉体年齢は150歳近いのに、外見は若々しい。<br> アン:赤派の中心的人物。<br> ヒロコ:過激派のリーダー。隠れコロニーの指導者。ニルガルらの母ないし祖母。<br> ナディア:技師 本作では火星の大統領となり、地球から送り込まれたエージェントのアートと恋仲になり子をもうける<br> サックス:火星の地球化を進める権威。<br> マヤ:植民団の元リーダー<br> (既に死亡)<br> フランク・チャーマーズ、ジョン・ブーン、アルカディイ、フィリスなど。<br> <その他><br> コヨーテ:密航者、ニルガルの父<br> ニルガル:ヒロコの子、隠れコロニー出身の三世、赤派活動に参加<br> アート:地球プラクシスから、火星先住民との和平のため送り込まれたエージェント。ナディアと恋仲になり、子をもうける。<br> <br> 3 変化(事件)<br> 変化軸=火星の実権を握るのは、地球=メタナッツ&緑化派か、赤派か?<br> 赤派のシェフィールド襲撃は失敗(多数死亡)?火星先住民の一部(サックス、ニルガルら)は派遣団とともに地球訪問(ニルガルはヒロコの噂耳にするが、地球の環境に馴染めず倒れる)?火星の独立認め、火星憲法起草?ナディアが大統領に選ばれる?サックスは軌道ミラーの移動を提唱、実施?ニルガルは火星に戻り、ヒロコを探す・・・(以上、第8章までの流れ)<br> <br> 4 分析<br> 上記の通り、本作の軸は政治小説である。これと、火星のテラフォーミングのディテールを描写する面白さを結び付けている。<br> ストーリーの軸は古臭い革命の物語であり、先の予想がつく分、退屈である。しかも、第1巻、第2巻、第3巻と、この軸には全く変化が見られない。おまけに、巻を追うにつれ、無駄に長くなっている(今回の第3巻に至っては、原書で会話文の少ない細かい活字のびっしり詰まったページが761ページもある)。その大部分は火星の地表の微に入り細に入りの写実的描写に費やされる。ストーリーは遅々として進まず、ほとんど付け足しのような感じすらする。<br> 物語としては「退屈」と結論するほかない。登場人物も多数いるが、特定の主人公はなく、火星の「環境」を構成する要素、物体の域を出るものではない。しいていえば本作の主人公は、「火星」そのものである。<br> 本作の楽しみどころは物語性にはない。本作は「絵」である。火星の風景描写、これをどれだけ楽しめるかに尽きる。楽しめる人には、名作たりうるが、楽しめない人には、極めて退屈な愚作にもなりうる特異な作品である。私は後者かもしれない。<br> <br> 10月19~20日<br> <br> 19日は仕事に行った。<br> <br> 20日は仕事に行った。<br> <br> 「ブルーマーズ」一気に加速。465ページまでいった。<br> 第9章「自然の歴史」<br> サックスのパート。サックスが天才女性数学者と仲良くなり、この女性が親元に戻ったりする。「ねじれ理論」「ひも理論」などについて結構濃い議論がされる。この辺はよく分からないので後で調べておこう。後はマスクなしで呼吸する遺伝子施術など。最後にミシェルがホームシックにかかり地球に帰りたいとサックスに相談するくだり。話には進展なし。<br> 第10章「価値変容」<br> ナーガルのパート。ナーガルが火星を走り回りながらいろんな体験をする。こいつが何であちこち走り回るのかよく分からないが(笑)。原住民が鹿狩りをするのにでくわして、仲間に入ったりする。やはりストーリーに進展なし。<br> 既に前回考察したとおり、本作の眼目は物語性にないことが明らかになっている。よって本作の読み方も物語ではなく情景描写に重きを置くことに変えた。そうしたら少し楽しめるようになった気がする。<br> 第9章にしろ第10章にしろ、火星の自然描写が美しいっちゃあ美しい。もうそれを楽しむ以外、この本の楽しみ方はないと思う。感情移入できるキャラははっきりいっていません。強いていえばコヨーテだな。でもコヨーテはあまり表舞台に登場しないから。完全なアウトローとして、物語の端々に登場するだけ。やっぱりこの本は、人物の行動よりも火星の情景描写が書きたいことの中心なんだなと実感。<br> 今から寝ながら第10章の残りを読みます。<br> <br> <br> 10月21日<br> <br> 今日から1日100ページモードに入ろうとしたが(1日5時間読書時間が取れれば可能)、やはり睡魔には勝てない。帰って最初にインターネットをやると大抵駄目だ。このままじゃいけない気がする。よって明日から生活を変える。<br> 方針1 帰ってまず本を読む。ノルマを終えるまでパソコンは動かさない。<br> 方針2 帰る前に(略)などで必ずノルマの半分ぐらいはこなした上で帰る。<br> この二つを肝に銘じたい。これはSF者の宿命だ。<br> <br> さて、睡魔に勝てず零ページで寝てしまったので、翌朝20ページほど読んだ。今日180ページ読むのは無理だから自動的に繰り越しになってしまう、これはいかん。やっと500ページ超えたけど。<br> 第11章途中まで。ウ゛ィリディタ。太陽系中に植民した人類と、水星や金星、地球を歴訪するゾー(火星生まれで地球の重力に馴染めない)。その後、火星に戻り、ハンググライダーみたいなことをするパートまで読んだ。この辺をもっと書き込んで欲しいんだけどねえ。特に水星は萌える。金星まあまあ。火星よりはましだな、二酸化炭素の高温の空気の中での生活ってのは結構萌える。火星もう飽きた。もっとがんがん、木星とか土星とかタイタンとかイオとか冥王星とかも出してくれ。<br> <br> <br> 10月22~23日<br> ブルマーすすまねえな。ブルマーって呼んだらちょっとは読む気になると思ったんだけどな(笑)。<br> 22、23日とも帰ってすぐ爆睡。今24日朝、ちょっと読んだ。今度から早寝して朝読もうかな。いや、やっぱり前日帰る前に(略)とかで読んで帰るのが一番確実。<br> ヒューゴー賞ネビュラ賞にいつまでもかまけてるわけにいかないんだ。予定より2年もオーバーした。こんなことしてたらおじいちゃんになっちゃうじゃん。今日第12章、明日第13、14章で完読する。土日でハリーポッターを潰し、来週はソウヤーを読みコンプリート。そろそろ読むの飽きてきたから他のことしたいんだ。<br> やっと547ページだよ、やばいよ。めちゃめちゃ遅れてる。今日読み終わる予定だったのに。<br> 第11章VIRIDITAというのはviridity{名}:みずみずしさ、若々しさ、新緑、生気、鮮やかな緑、未熟さ、緑に関係あるのかな。外国語かもしれん。<br> ここはなかなかよかったね、ZOというFLIERが主人公のパート。途中ミランダに行った場面がよかった。やっぱり太陽系のいろんなところに行って欲しいよね、SFとしては。そういうのが読みたくて宇宙小説読むんじゃん。ただ、ストーリーは全然進展なし。やっぱりこの小説は物語性を軽視している。アンチノベルのつもりはないと思うが(笑)。でもここの情景描写はよかったから許す。<br> <br> <br> 10月24日<br> <br> またノルマをこなせなかった。とほほのうた。<br> 今朝(25日)少し読んだのにまだ574ページだよ。今日中に200ページ読まないとハリーポッターに移れない。相変わらずストーリーは動かない。とほほほほほほほっほほほほほほほほほほほほっほ。<br> ぱーと12、「有為転変」It goes so fast<br> マヤとミシェルのパート。マヤとミシェルの海辺での暮らし。彼らはグランドキャナルを見にいく。当地は、グリーンマーズのラストでバロウズが水没した大洪水の際にできたイシディス湾の周辺にある。同湾とヘラス海(湖)が「グランドキャナル」で結ばれている。この運河にそって都市が配列され、北(イシディス)側から順に、ローズ、ナーサレス、「ゲイルクレーター」というクレーターを挟んで、オクサス、ジャカルテス、シモワス、ポリフェマス、「グラスバンクス」を経て、ユークロニア、カイコ、アンテウス。ヘラス海への出口に「マラチート・ベイ」がある。ヘラス海への出口の両脇にフィヨルドの湾があり、左がハーマキスフィヨルド、右がダオフィヨルドである。ヘラス海の中央に「マイナスワン島」がある。ダオフィヨルドの湾口は「地獄の門」と呼ばれる。ヘラス海の対岸には、左にモンテプルシアノ市、右にオデッサ市が位置し、背後に「ヘレスポンタス・モンテス」という山地がある。また、運河の北方にはティレナ・マッシフ(大山塊)という山があり、その北西にサビシイ市がある。ちなみに、イシディス湾の西は大陸(ザンス)となっており、水没したバロウズはこの沿岸の海中にある。バロウズ南方の陸地はデュマースレイと呼ばれ、その東方に「リカス・ウ゛ァリス」という入り江がある。バロウズ北西はシルティス地方と呼ばれる。イシディス湾の東方にはエリシウムという巨大な島がある。エリシウムと南方の大陸の間の狭い海峡は、「ナロウズ」と呼ばれる。<br> この小説の主人公は火星なのだから、人物よりも無生物の方が重要である。無生物に感情移入すれば楽しめる。よって、上記の地名や位置関係を暗記し、それに重点を置いて読むようにすれば面白い。頑張るぞ。<br> 実は我慢できずちょっとハリーポッターを先走って読んでしまった。46ページまで。第3章「招待状」を読み終わった。物語性がものすごく高いので、こわいぐらいにすいすい進む。ハリーが伯父さんにいじめられているところへ(デブの息子の減量ダイエットにつきあわされ、食い物を減らされる)、ワールドカップを見に行こうぜと友人のパパから手紙が来て、ハリーが「いいよ行けなくても。おじいちゃんに手紙書くから」と脅しておじさんから承諾をもらう。はっきりいって雲泥の差だ(笑)。作者が違うとどうしてこうも違うのか。ハリーポッターが売れるのは、物語自体のテンポがいいのに加え、細かいユーモアやペーソスの積み重ねがリズムを後押しをしてくれるので退屈しないということ。しかも一方に偏ることなくバランスがいい。後は「不幸な生い立ちのハリーが魔法学校で大活躍」という基本設定が感情移入し易いことだな。周りのいやな奴らを、「マグル」として一括して笑いの対象にできるという点でも小気味よさがある。細かいところまでよくできているのだが、頭で考えて作ったというよりも、天性の才能で普通にできたという感じだ。<br> 早くブルマー終わって移行するぞ。<br> 今日は最後の課題(略)に並ぶ予定。<br> その後、ひたすらブルマー漬けだ。<br> <br> <br> 10月25日<br> <br> リネージュとSFマガジン購入。12月より新たなファンタジー叢書が始まるが、来年2月にプリースト「プレスティジ」が含まれている。マジで嬉しい。早く今年の英国協会賞受賞作「別離」を入手しないと。<br> <br> (略)は不味かった。(略)だけど。<br> <br> ブルマーやっと636ページまで来た。後125ページを明日一気に潰す。<br> 第12章「有為転変」。「最初の100人」の仲間が次々と死に始める。もしくは記憶に障害を来し始める。延命処置の限界なのか。イェリが死亡し、その葬儀の後、彼らはマヤ&ミシェルのアパートで語らう。マヤは一人オデッサの街にくり出し、高台に上り、海を見下ろしながら感慨に耽る。<br> 今第13章「実験的手順」の冒頭まで来たところ。世代宇宙船に乗り込むという連絡をジャッキーから受けたニルガルがシェフィールドのエレベーターまで見送りに来る。ニルガルもまたアルデバラン(牡牛座中の星)に行く決心をする。<br> 第13章、斜め読みしたところ、火星第3革命の幕を開ける! 話のようだ。<br> 火星の革命よりも世代宇宙船の話を読みたいんだけど。この辺は好みなんだろうなあ。あえて火星の話の方を書くところがこの作品の売りなんだろう、きっと。好き嫌いは別にしてそれはそれでありなんだろう。何せ火星が主人公だし。<br> <br> <br> 10月26日<br> <br> ブルマー、710ページまで来た。あと50ページ。終盤急に面白くなったよ。サックスが記憶を増強する薬を開発し、最初の100人の生き残り14人をアンダーヒルに集めて全員に注射する(マヤのみ拒否)。ジョン・ブーン殺害事件、サックスとアンの関係など200年前の謎がいよいよ明らかになるか? 何か凄いぞ。大逆転かな。今から寝ながら読み終わる予定、わくわく。<br> 菊花賞はマイネルダオスから総流しして外しました。ダンスインザダークはこわいと思ったが、プレンティじゃつかないとおもって。来週から点数方式での予想を復活します。不調との因果関係は明らか。<br> <br> <br> 10月27日~28日<br> <br> あれ、今日って27だっけ28だっけ? 火曜日なんだけど。<br> あ、28だなやっぱ。<br> 最近アルツが酷い。おまけに(略)。いよいよ老化が本格的になってきた感じだ。<br> 27日、ブルマー読了。何だかんだぶつくさいったけど、結構読みごたえがあったし、楽しんだよ。ストーリーはひどいけど。いろんな風景描写がたたみかけるようにしつこく繰り返されるのだが、これが不思議と記憶に残っているんだ。そして、ラスト付近の記憶増強薬のくだりで、視覚、情景や状況と記憶が強く結びついていることが深い意味を持って来る。読者が第1巻から本作に至る情景描写をきちんと読んでいるほど、このトリロジーの真のクライマックスといえる、この最後のシーンが強い印象を残す仕掛けになっている。無意味な情景描写ではなかったんだ。<br> 後半は、老いについて、死について、生について、不死についても、深く考えさせる内容になっている。<br> 赤+緑を混ぜて全てを受容しようという「第三革命」ははっきりいって予測どおりで、ストーリーとしてはカスだが、そんなのはほんとにどうでもいいことだ。<br> あらゆる意味で強烈な三部作だったと思う。すくなくとも記憶には残る、厭が応でも。再読にも耐えるだろうと思う。<br> 8点。<br> <br> で、今日より、指輪物語と、ホミニドと、ハリポタに入る。<br></p>

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