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柳美里『雨と夢のあとに』角川書店」(2005/12/04 (日) 21:59:57) の最新版変更点

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<div class="datebody"> <h2 class="date">November 24, 2005</h2> </div> <div class="blogbodytop"></div> <div class="blogbody"> <div class="titlebody"> <h3 class="title">柳美里『雨と夢のあとに』角川書店</h3> </div> <div class="main"> 同題のテレ朝金曜ナイトドラマの原作。ブックマートの割引券がもうすぐ期限だったので、何か買わないとと思い、定価の半額でこの本を見つけたので購入。小林泰三の『海を見る人』単行本版もあったが、確か文庫化されて安くなっているはずなので見送り。<br clear="all"></div> <a name="more" id="more"></a> <div class="mainmore"> テレ朝のドラマは今年見た連続ドラマの中で一番の気に入りなので、ドラマとの差異(原作にある部分と脚本家がアレンジした部分)の確認を兼ねて読んだ。<br> まずいちばんの相違は、原作の視点がほぼ娘の視点に統一されていることだろう。そして、思春期の少女の不安定な心の動きが、作者特有の極端に主観的で口語的な『独り言文体』で語られている。本文の9割方は、この少女のひとり語りで占められており、寒々しい孤独感の中で、父親や隣人の死という極限状況(また、生みの母によって明かされる出生にまつわる衝撃の事実)に遭遇しながらも、これらの耐え難い現実を徐々に否応なく受け入れ、自立への一歩を踏み出していくまでの49日間の心の動きが、繊細かつ不気味に描き出されている。題材的にはコテコテのホラー小説でありながらも、読んでいる感覚や読後感は純文学そのものであるし、読んでいて背筋が寒くなるのは、幽霊の怖さよりも、むしろそこに描き出された少女の心の動きから伝わってくる寒々しさ故である。<br> この作者の多くの作品と同様に、このしつこいまでの主観的な<ひとり語り>的心理描写が、前半非常に冗長に感じられる。他の作品では、明確な結末もなく、主観的心理描写の垂れ流して終わることが(俺の読んだ範囲では)大半である。だが、本作の場合は、出生の秘密

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