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<div class="datebody"> <h2 class="date">October 09, 2005</h2> </div> <div class="blogbodytop"></div> <div class="blogbody"> <div class="titlebody"> <h3 class="title">Christopher Priest "An Infinite Summer"</h3> </div> <div class="main">プリーストの短編集<br clear="all"></div> <a name="more" id="more"></a> <div class="mainmore">「限りなき夏」"Whores"「蒼ざめた逍遥」"The Nagation""The Watched"の5編を収録。読んでみて"The Nagation"も既訳ではないかと思った。プリースト編集のアンソロジー「アンティシペイション」に入っていた短編と同じものではないかと思うのだが、訳題等未確認。<br> 「限りなき夏」は河出文庫の「20世紀SF」に入っている。★★★。「蒼ざめた逍遥」はSFマガジンのバックナンバーで読んだ。★★★★。いずれも時間テーマの奇想小説で、SFとはいえないが不思議な味わいのスタイリッシュな佳作。<br> ほかの3編はいずれも、いわゆるドリーム・アーキペラゴ(夢諸島)もの。登場人物の空想の中に存在する架空の平行宇宙の英国と行き来をするという基本設定。この宇宙では英国が周辺の国と交戦してたりと、現実の英国と違うさまざまな舞台設定であるが、作品ごとに一定せずまさに「夢の中の世界」という感じである。にもかかわらず奇妙に透明なリアリティがあるのが特徴。<br> "Whores" ドリームアーキペラゴで思い出の娼婦を追い求める男。別の娼婦を紹介される。その女には息子がいた。この男は奇妙な幻覚を見る病気にさいなまれているが、この子供に付きまとわれる幻覚を見るようになる&&というような小品。★★★<br> "The Negation" 隣国と境界線をはさんで対立する国(ドリームアーキペラゴが存在する夢の中の英国の一部)。国境警備の男が女流作家と会う。この女の作品(Affirmation)には、境界線を越えよというメッセージが含まれていた。作家は男に向けて、アファーメーションとついになるNegationという作品を書くが、警備隊の目に留まり追放される。男は作家のメッセージを理解し国境を越える&&。★★1/2<br> "The Watched" 夢諸島に住む「シンティラ」(微小な盗撮カメラのようなものか?)探知の男。防壁や櫓のある古城様の邸宅を買う。そこからカターリ族の視察に訪れた人類学者夫婦とともにカターリ族の奇妙な儀式を双眼鏡で観察。ある日、部族の娘の男を誘うようなセクシャルな儀式を目撃し、それに魅せられた男は次第に現実と空想の境をさまよい始める。最後は男自らが全裸で儀式に加わり、防壁から観察する何者かの視線に晒される。まさにプリーストらしい意味不明なエンディングの奇想小説。★★★<br> 総合★★★<br> プリーストの奇想は短編だとあっけなくて今ひとつ物足りなく感じる。やはり長編でこそ本領発揮の作家だろう。ドリームアーキペラゴものも、やはり長編の"Affirmation"("The Nagation"で言及される作品とは題名は同じだが、内容は違う)が一番面白い。<br> <br clear="all"></div> <div class="posted">silvering at 13:10 │<a href= "http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50100845.html#comments"><font color="#87614C">Comments(0)</font></a> │<a href= "http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/cat_70845.html"><font color= "#87614C">読書</font></a></div> <div class="menu"><a href="http://blog.livedoor.jp/silvering/"><font color= "#87614C">このBlogのトップへ</font></a> │<a href= "http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50100767.html"><font color= "#87614C">前の記事</font></a> │<a href= "http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50102875.html"><font color= "#87614C">次の記事</font></a></div> </div>
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