「アレステア・レナルズ『啓示空間』ハヤカワ文庫SF」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<h2 class="date">October 09, 2005</h2>
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<h3 class="title">
アレステア・レナルズ『啓示空間』ハヤカワ文庫SF</h3>
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英国ニュースペースオペラの雄、レナルズの未来史シリーズ第1作。<br>
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<br clear="all"></div>
<a name="more" id="more"></a>
<div class="mainmore">前に読んだ"Chasm
City"と同じシリーズ。文庫版で1032ページあるので一気読みとはいかなかったが、2日で読み終えた。<br>
バクスターばりのスケールの大きな馬鹿SFネタを中心に、大小の謎で引っ張る本格ミステリ仕立ての宇宙アクションSF。とにかく、世界描写が細密で圧倒的なリアリティがあるのが特徴。その分、世界に入り込むまでに時間がかかる(序盤300ページほどを読み終えてようやく作品世界へ入るために必要な知識が頭に入ったという気になれる)が、いったん入り込んだら後はぐいぐい引き込まれる。単独でもテーマになりそうなハードSF・ナノテクSF的ガジェットやアイデアがこれでもかとばかりに大量投入されて、眩暈がするほどだ。最初は関係がないように見えたえ3つのサブストーリーが次第に統合されるという凝った本格ミステリ的な構成。ハードボイルド的なドライで酷薄なキャラクター設定、多彩な人物。後半のめくるめくアクション描写。そして終盤のメインの大ネタ、謎の「中性子星」とその周囲を回る謎の惑星の正体&&。見事にスケールの大きなミステリSFにして、アクション宇宙SFに仕上がっている。<br>
カズムシティにおける暗殺ゲームや<融合疫>は"Chasm
City"のメインネタの一つになっていたもので、本書はあの時代よりも後の時代を扱っており、カズムシティで暗殺ゲームを改良し商業化した主人公の名前も本書でちょっとだけ言及される。それぞれ独立した作品でありながら、本書で積み残しにされた謎が向こうで解決され、さらに別の謎が生まれるという「謎を系統発生させる手法」で、次作への興味が維持させる作りになっており、1冊1冊が分厚いにもかかわらずプロット上の整合性が高いのにも感心させられる。シリーズ全体が一つの巨大な本格ミステリになっているといえる。<br>
過去になかったタイプというよりも、過去の様々な宇宙SF、未来SFのバリエーションを集大成した決定版ともいうべき、強力なシリーズだと思う。その第1弾にふさわしい作品である。"Chasm
City"よりもプロットはやや散漫だが、その分スケールの大きい本格宇宙SFになっている。<br>
テーマ性 ★★★★<br>
奇想性 ★★★★★<br>
物語性 ★★★★★<br>
一般性 ★★<br>
平均 4<br>
文体 ★★★★<br>
意外な結末 ★★★★★<br>
感情移入 ★★★<br>
主観評価 ★★★★(42/50)<br clear="all"></div>
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