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<h2 class="date">September 17, 2005</h2>
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『ロシア・ソビエトSF傑作集 上』創元SF文庫</h3>
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<div class="main">ロシアもの傑作集上巻<br clear="all"></div>
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革命前の作品5編を収録。だが、発表年代に百年もの開きがある上に、質的なばらつきが激しい。「技師メンニ」が長さにおいても質においてもずば抜けた存在で、他は歴史的価値を除いては読むに値するレベルではない。しかし、本書の価値はいうまでもなく、巻末の深見弾入魂のロシアSF史。これだけ体系的で詳細で整理された旧共産圏SF史は日本国内はもちろん、英語圏にはほとんど存在しない。この巻末論文だけのために、このアンソロジーと東欧のアンソロジーは、SFファンの必須アイテムなのである。<br>
オドエフスキー「4338年」★(遠い未来のロシアを訪問する人物の手記という形のユートピア小説だが、ストーリーらしいストーリーがなく物語としては全く評価できない。18世紀の作品では仕方がない)<br>
モロゾフ「宇宙空間の旅」★(架空の月旅行。ウェルズやヴェルヌの同種作品のダイジェストのような陳腐な作品で、今読む価値はない)<br>
クプリーン「液体太陽」★1/2(一種のマッドサイエンティストもので、小型人工太陽を開発するが爆発してしまうというありがちな話。古臭いアイデアSFだが、逆に懐かしい感じもする)<br>
ボグダーノフ「技師メンニ」★★★★(質量ともに読み応え十分の火星を舞台にした重厚な社会思想小説。現実にレーニンらとともに革命前の共産党に参加していた人物だけに、その詳細な社会思想の迫力と説得力は、最近のSFと比べても圧倒的に優っている。1910年代の小説とは思えない)<br>
ブリューソフ「生き返らせないでくれ」★1/2(生前人格をコピーして復活させるという最近ではありがちなアイデア。歴史的価値以上には評価できない)<br>
巻末解説 ★★★★★<br>
総合評価 ★★★1/2<br>
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