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<div class="datebody"> <h2 class="date">September 15, 2005</h2> </div> <div class="blogbodytop"></div> <div class="blogbody"> <div class="titlebody"> <h3 class="title">Sean Stewart "Galveston"</h3> </div> <div class="main">世界幻想文学大賞<br clear="all"></div> <a name="more" id="more"></a> <div class="mainmore"> 息をもつかせぬ面白さで、原書454ページを8時間程度で一気読みしてしまった。<br> 舞台となるガルベストンという島はテキサスに実在するらしい。大洪水後のアメリカ。&lt;マルディグラ&gt;という魔法の園には、モマス神や、大洪水で封じ込められた<反逆者>と呼ばれる人々が住んでいる。町の住人には魔法使いが混じっており、人形からモンスターを作ったりしている。また、亡くなった人は幽霊となって戻ってくる。ランドル・デントン保安官は人間の生活が魔法に侵されるのを危惧し<反逆者><怪物>やマルディグラをガルベストンから一掃しようと考えている。住人たちは、来る日も来る日もポーカーに明け暮れる&&。といった状況設定。<br> 物語の主人公は、ジョシュという男性と、スローンという女性。まず、ジョシュの父親がポーカーに興じる場面から始まる。この父親はポーカーに負けて家を失い、ジョシュは母親と移住するが、死別し、現在はしがない<魔法医者>となっている。他方のスローンは、魔女の祖母とモマス神を祖母に持つ娘。二人は幼馴染であったが、スローンのほうは小さかったのでジョシュを覚えていない。<br> 本書はプロローグに当たる第1章の後、第一部から第五部までの5部構成になっており、1章おきにスローンとジョシュのストーリーが交互に語られ、第5章で両者が合わさり大団円となる。<br> スローンは、病気の母親を助けたい一心で、祖母や祖父に相談する。祖母はスローンの心臓を入れた魔法の人形や、スローンが&lt;マルディグラ&gt;の祖父に会いに行くための仮面などを作ってくれる。スローンは、マルディグラの祖父に会いに行く途中、暴漢に襲われたのをジョシュらに助けられ知り合う。2度目に仮面をかぶり、スライ(ずるい)と名乗ってマルディグラに行った際、スローンはジョシュを再び訪ねるが、そこで母の死を知り絶望のあまり仮面をかぶってマルディグラに逃げ込んでしまう。そして、エースという男と出会い、ポーカーの極意を学び、強すぎて勝負に出られないエースに代わりポーカーで金を稼いでいた。<br> ところが、スローンの失踪がジョシュらの仕業という噂が立ち、保安官はジョシュとハムを逮捕、一方的に死刑判決の上、船に乗せて海に流してしまう。ジョシュとハムは、海賊に船を奪われ、砂浜に上陸し、国道に沿ってガルベストンと反対方向の町を目指して冒険の旅を始める。<えび男>や爬虫類、毒蛇、人食い族らと出くわしながらも、何とか生き延び、ハムの意向で再びガルベストンに戻る。<br> いっぽう、ガルベストンに戻り、無実の罪でジョシュらが処刑されたことを知ったスローンは、祖母の仮面で姿を消し魔法の国マルディグラに行ったことで、祖母とともに保安官の厳しい追及にあう。銃による脅しに抵抗した祖母は結局射殺されてしまう。すると、祖母の作った人形が生命を持ち、小さな女の子となって飛び出してきた。赤毛の女の子スカーレット。保安官らは彼女を殺そうとするが、スローンはスカーレットと協力して保安官らに呪いをかけ、保安官を血を吐いて苦しみ始める。すったもんだしているところへ、ハリケーンが来襲、スローンとスカーレットは保安官の手を逃れて、その甥子らと別の屋敷に避難し、潜伏する。<br> ハリケーンの後、ガルベストンには様々な病気が流行し病人が相次ぐが、ジョシュがいないため治療がはかどらない。そこへ、ようやくジョシュらが帰還し、スローンらと再開、治療に着手する。<br> 保安官は、スカーレットに刺客を差し向け、誤って別の&lt;反逆者&gt;女性を射殺。スローンの身柄を拘束し、今後の対策について会合を開くと告げてジョシュらを招待する。保安官もすでに病魔に侵されており、辞意を示すものの、魔法を一掃せんとする独善的方針を強要しようとしたため、腹心の部下の反逆にあい殺人等の容疑で身柄拘束される。<br> 次なる管理者のポストには、スローンやハムらが選ばれ、魔法を全面的に受け入れるという方針が確認される。最後にモマス神が登場し、ポーカーの場面でエンディングとなる。ジョシュはスローンに対する恋心を自覚する。<br> 不思議なリアリティを持った魔法的なアメリカ未来社会の魅力、キャラクター描写の巧みさ、天才的なストーリーテリング、どれをとっても文句のつけようがない。特に、話の山にさしかかるところで章が終わるという手法で、文字通り<巻おくあたわざる>状態に読者を追い込んでしまうストーリーテリングの巧みさは、バロウズレベルにまで達している。凄い。きわめてユニークな大傑作。<br> <br> テーマ性  ★★★★<br> 奇想性   ★★★★★<br> 物語性   ★★★★★<br> 一般性   ★★★<br> 平均    4.25<br> 文体    ★★★★<br> 意外な結末 ★★★★<br> 寛恕移入  ★★★★★<br> 主観評価  ★★★★1/2(45/50)<br clear="all"></div> <div class="posted">silvering at 01:50 │<a href= "http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50033875.html#comments"><font color="#87614C">Comments(0)</font></a> │<a href= "http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/cat_70845.html"><font color= "#87614C">読書</font></a></div> <div class="menu"><a href="http://blog.livedoor.jp/silvering/"><font color= "#87614C">このBlogのトップへ</font></a> │<a href= "http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50029687.html"><font color= "#87614C">前の記事</font></a> │<a href= "http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50033953.html"><font color= "#87614C">次の記事</font></a></div> </div>

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