「Robert Silverberg "The Book Of Skulls"」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「Robert Silverberg "The Book Of Skulls"」(2005/12/04 (日) 20:17:02) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
<div class="datebody">
<h2 class="date">September 11, 2005</h2>
</div>
<div class="blogbodytop"></div>
<div class="blogbody">
<div class="titlebody">
<h3 class="title">Robert Silverberg "The Book Of Skulls"</h3>
</div>
<div class="main">1972年長編<br clear="all"></div>
<a name="more" id="more"></a>
<div class="mainmore">
いやはや、この本は凄い。シルヴァーバーグの最高傑作だと思う。SFではないし、ホラー仕立てだがけっきょくホラーでもなく、普通小説ですらある(それゆえに一般性も高い)。にもかかわらず怖い。いちばん怖いのは頭蓋骨の中身、人間の精神である。<br>
ある大学の同じ寮に住む4人の男。エリは学級肌の男で好奇心旺盛。ティモシーは懐疑主義者。オリヴァーは父を若くで亡くし自殺未遂歴のある陰気な男。ネッドはゲイ。ある日、エリが大学の図書館で、永年誰も読まなかったと思われる『髑髏の書』の原稿を見つける。その中には18の秘密の教えが記され、その第9番目に、不死を得る秘儀が記されていた。それによると、4人一組で「受容体」となって秘儀を受ければ、二人の死と引き換えに残りの二人が永遠の生命を得られると記されていた。ただし、一人でも去れば他の三人は死で償うことになるという。折りしも、この書物の出所と思われる謎の寺院が南部にあるという報道を見て、4人は車ではるばる出かけていく。長い時間をかけて旅する道中の会話で、4人のそれぞれの動機はばらばらであることが次第に明らかになるが、とうとう4人は岩の上に髑髏の乗った寺院にたどり着く。そして、髑髏の書に記載された秘儀が始まった。様々な運動や儀式が際限なく繰り返され、3人の娘と毎日セックスをする儀式などが加わり、ついには、各人の今迄で誰にも話せなかった秘密を特定のメンバーに告白せよと指示される。ネッドは、ホモの三角関係で二人を自殺に追いやったこと、ティモシーは妹をレイプしたこと、オリヴァーはゲイ体験をしたことがあることを告白したが、エリは話すべき秘密が見つからず、自らオリヴァーの体験をネッドに話すという指示違反を犯した上、それが自分の罪の告白だと言い張る。このころにはすでに4人の足並みは乱れていた。オリヴァーは己の同性愛傾向をネッドに打ち明け、同衾。一方、この秘儀に懐疑を募らせたティモシーは早朝に立ち去ろうとする。エリはそれを阻止しようとして、髑髏を投げつけ、ティモシーを殺してしまう。そして、罪悪感にさいなまれたエリは、髑髏の書に記載されたとおり自らの肉体を切り裂いて自殺。かくして、髑髏の書の記載のとおり、2人の命と引き換えに残る二人が永遠の生命を得て、秘儀は完了した。生き残った二人は、死んだ二人の墓の上に悪魔の幻影を見、「お前たちは本当にここで求めるものを得たのか? そう確信できるのか?」という囁きを頭の中に聞くが、苦悩のときを乗り越え、ついに髑髏の地の守り手となる決意を固める。<br>
秘密宗教の魔術的儀式というオカルト的な題材を扱っていながら、「二人が死に、二人が生き残る」という生の極限状況を現出させ、そこに4人の対照的な人物を配置し、その魂の懊悩を描出し、自らの魂の混乱ゆえに自らの手で秘儀を完成させてしまうという皮肉で悲惨な結末によって、なんら超現実的要素を持ち込まないまま恐怖を与えるのが凄い。この時期のスペキュレイティヴ・フィクションの見本とも言うべき大傑作である。<br>
<br>
テーマ性 ★★★★★<br>
奇想性 ★★★★<br>
物語性 ★★★★<br>
一般性 ★★★★<br>
平均 4.25<br>
文体 ★★★★<br>
意外な結末 ★★★★<br>
感情移入力 ★★★★<br>
主観評価 ★★★★(41/50)<br>
***<br>
追記<br>
>▼ ロバート・シルヴァーバーグのSF小説"The Book of
Skulls"のウィリアム・フリードキン監督による映画化で、「ペイチェック
消された記憶」("Paycheck",2003年)などを手掛けたテリー・ヘイズ(Terry
Hayes)が脚本を担当するようだ。<br>
<br>
>もう1本、SF作家ロバート・シルヴァバーグ原作による<br>
The Book of Skullsの映画化が、『エクソシスト』のウ<br>
ィリアム・フリードキンの監督で計画されている。 <br>
この原作は1972年に発表されたもので、内容は、4人の大<br>
学生が古代の書物の中に、永遠の命の秘密を発見したことか<br>
ら始まる恐怖を描いたもの。そしてこの原作から、昨年ディ<br>
メンションにRetributionというオリジナルスリラーの<br>
脚本を契約したばかりのジェフ・デイヴィスが脚色すること<br>
になっている。 <br>
なおフリードキンの参加を聞いたデイヴィスは、「フリー<br>
ドキンのためにサイコホラー映画の脚本を書けるなんて&。<br>
彼は、映画史上最高に恐ろしくて、不安感を掻き立てる映画<br>
を監督し、この映画ジャンルを確立した人物だ。脚本家にと<br>
って、これ以上に望めることはない」と語って興奮していた<br>
ようだ。 <br>
また製作は、パラマウントに本拠を置くアルファヴィルと<br>
いうプロダクションで行われるが、同社のトップのダニエル<br>
&ジム・ジャックス兄弟は、ユニヴァーサルの『ハムナプト<br>
ラ』シリーズや、先に日本でも公開された『ハンテッド』な<br>
どホラーとスリラーを専門に製作しているチームだそうだ。<br>
<br>
ぐぐっていたら、こんな記事を発見。映画化されるのなら、見てみたい。が、この作品の怖さは、映像では完全に伝わらないんじゃないかなあ。どっちにしろ、映画化されれば翻訳されそうだから、期待。<br clear="all"></div>
<div class="posted">silvering at 13:24 │<a href=
"http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50022744.html#comments"><font color="#87614C">Comments(1)</font></a>
│<a href=
"http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/cat_70845.html"><font color=
"#87614C">読書</font></a></div>
<div class="menu"><a href="http://blog.livedoor.jp/silvering/"><font color=
"#87614C">このBlogのトップへ</font></a> │<a href=
"http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50021843.html"><font color=
"#87614C">前の記事</font></a> │<a href=
"http://blog.livedoor.jp/silvering/archives/50024602.html"><font color=
"#87614C">次の記事</font></a></div>
<div id="ad"></div>
</div>
<div class="comblogbodybottom"></div>
<a name="trackback" id="trackback"></a><a name="comments" id="comments"></a>
<div id="commenttop"></div>
<div id="comment">
<h3 class="commenthead">この記事へのコメント</h3>
<div id="commentbody">
<div class="commentttl">1. Posted by slg <span>September 11, 2005
14:31</span></div>
<div class="commenttext">投票内容<br>
件数 場名 レース 式別 馬組 金額<br>
(1) 札幌(日) 11R 単 勝 02<br>
100円</div>
</div>
</div>
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: