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Christopher Priest "The Affirmation" - (2005/12/04 (日) 20:25:29) のソース

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<h2 class="date">September 15, 2005</h2>
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<div class="titlebody">
<h3 class="title">Christopher Priest "The Affirmation"</h3>
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81年長篇 ドリームアーキペラゴ(夢の諸島)もの。<br clear="all"></div>
<a name="more" id="more"></a>
<div class="mainmore">面白かったー。<br>
恋人と破局し父を失った男が、友人に借りた別荘に引きこもって自分のライフヒストリーを何度も書き直すうちに、架空のライフヒストリーをでっち上げてゆく。<br>
そこは、イギリスと似ているが、国名も地名も全く違う世界。その世界で、男は不老処置を受ける宝くじに当選し、船で&lt;夢の諸島&gt;を遍歴しながらクリニックへと向かう。船上で女と知り合うも、破局し、宝くじ会社の担当社員の女セリと仲良くなる。クリニックで彼は、措置を受ければ記憶をいったん全部消し、新たにインプットする必要があるため、詳細なライフヒストリーを書く必要があるといわれる。男は、実は以前に書いたライフヒストリーを持っていたが、それはロンドンなどの架空の地名や人名が出てくる架空のライフヒストリー(書き手である外側の自分から見れば現実)であった。男は、余命数年を宣告され、迷った挙句措置を受けるが、目覚めた後、上記の架空のライフヒストリー以外に経歴情報がないため、記憶復活のリハビリに手間取る&&。<br>
この架空の話と平行して、現実の主人公の話が進行する。引きこもり状態の主人公を心配した姉が現れ、やがて、自殺未遂をした恋人も戻ってくる。主人公は恋人と再び同棲し、自分が書いた現行の中で創造した架空の恋人セリのことも忘れそうになった。だが、その世界は結局頭を離れず、恋人との間に再び冷たい空気が流れ、恋人が再度の自殺未遂。主人公は原稿を見せ、自分への理解を求めようとするが、拒否される。逃げる場所は、自分の想像したイナースペースしかなかった。彼はセリに導かれ、作中の主人公の故郷に向かう(途中で、作中のストーリーと融合?)。彼は、やはり恋人グラシアスのところへ戻るといい、セリと別れる。そして、自分のいる場所を理解し、後ろを振り返る&&唐突に手記が途切れる(存在消滅?)。<br>
現実のイギリスと架空の夢の諸島世界という二重の現実が並存し、前者の人物が後者を夢見ているという構図が、次第に崩壊し、融合して消滅してしまうというトリッキーな作品。作中の人物もまた、現実のイギリスを夢見ており、互いに夢見あっている関係にあったが、次第に両者の関係は曖昧になっていく。プリーストの十八番である現実崩壊感覚が存分に楽しめる良作。<br>
<br>
テーマ性  ★★★★<br>
奇想性   ★★★★<br>
物語性   ★★★★<br>
一般性   ★★★<br>
平均    3.75<br>
文体    ★★★★<br>
意外な結末 ★★★<br>
感情移入力 ★★★★<br>
主観評価  ★★★1/2(38/50)<br>
***<br>
ヒューゴー賞受賞のスザンナ・クラークの本受領したが846ページもあるよ&&orz。こりゃ一晩で読むのは無理だわい。<br clear="all"></div>
<div class="posted">silvering at 14:07 │<a href=
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<h3 class="commenthead">この記事へのコメント</h3>
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<div class="commentttl">1. Posted by slg   <span>September 16, 2005
02:41</span></div>
<div class="commenttext">
スザンナ・クラーク読み始めたけど、つげえつまんなくてページが進まない。腹が立つから愚痴を書かせて。こんなんがヒューゴー賞? しかもSFじゃないじゃん。こんなハリーポッターの二匹目泥鰌作に賞をやるなんてアメリカSFも本格的に終わってんな。まあ新作出す作家にろくなのいないからな。ウィリスとかビジョルドとかとっくに飽きてますし。</div>
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