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言葉のもつ力について:1

旧約聖書の記述では「『光あれ。』すると光があった。」
ヨハネによる福音書の冒頭では、「はじめに言葉ありき。言葉は神なり。」
などなど。それ以外にも言葉の持つマナ(魔力)についての考え方はさまざまな文献に見られる。
日本でも「言霊」などという考え方がある。

人間はものを考えるとき、「言葉」を使って考える。人間が世界を理解するためには言葉が必要不可欠だ。

「言葉」は人間が世界を切り取るための武器である。

プラトンが言った「イデア」とは言葉そのものであると考えることもできるだろう。

形のないもの、たとえば「人間」「男」「女」。
世の中誰一人として同じ人間などいない。ということは、これが「人間」という標準が存在しないにもかかわらず、私たちは「人間」という言葉を理解できる(あるいは理解できていると思っている)。「男」「女」などという言葉も同様だろう。あるいは「美人」なんていう言葉も。

また、たとえば「愛」「夢」。
人間が動物だったときには「愛」は種の存続の為の本能であったろうし、「夢」は生存本能であっただろう。「言葉」を手に入れ、知性を持って考えるようになった人間は、自らの行動を決定するそれらの衝動を本能ではなく意思であると考えたかったのだろう。
言葉の起源はそんなところだろうが、その言葉が生まれたことによって現在に至るまでの人類の歴史において別の意味で様々なドラマを生み出すにいたっている。
これは、人が「言葉」によって世の中を理解し、自らの行動を決していることに原因があるともいえるだろう。

あるもの、ある感情などに「名前」をつけるということはそれらを理解する(理解したつもりになる)為には必須の、人間の原書の知恵であるといえると思う。だが同時に、名前をつけることによって抽象化し、得てして物事の本質を捉えにくくしている側面も否めないだろう。
また、それらの言葉が既成概念となってしまい、新しいものを生み出すことを難しくしてしまうこともあるかもしれない。





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