想風月華
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想風月華
ja
2008-02-27T01:35:28+09:00
1204043728
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こんにちは!このHPの管理人の暁綾です。
このサイトでは、私のオリジナル小説や詩、二次創作などを公開しております。載せている小説も少ないですが、少しずつ更新していこうと思うのでよろしくお願いします。
&bold(){只今更新停滞中。}
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開設日:2005,12,10
キリ番→&counter(all)ヒット
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10000ヒット越えました!!!!
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☆更新履歴
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☆[[Text>メニュー2]] …右側に出ていますvv(見やすくしたい片はTextをクリックしてください)
☆[[お題配布処>お題配布処]] …お題配布をしております♪
☆[[10色使って10のお題。>10色使って10のお題]] ・・・お題を使って、二次創作やオリジナル小説を書きますvv
☆素敵サイト様
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2008-02-27T01:35:28+09:00
1204043728
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メニュー2
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☆TEXT(↑Old ↓New)
○オリジナル
某月の刻印
第一章 鬼を刻む者
[[ 序 >序]] [[ 一 >一]] [[ 二 >二]] [[ 三 >三]] [[ 四 >四]] [[ 五 >五]] [[ 六 >六]] [[ 六【半】 >六【半】]] [[ 七 >某月の刻印―七―]] [[ 七【半】 >七【半】]] [[ 八 >八]] [[ 九 >九]] [[ 十 >十]]
第二章 神無き月の挽歌
[[ 一 >―一―]] [[ 二 >神―二―]] [[ 三 >第二章―三―]] [[ 三【半】 >三【半】]] [[ 四 >第二章―四―]] [[ 四【半】 >第二章―四【半】―]]
短編
[[【光の残滓】>【光の残滓】]] …11/30・戒斗誕生日SS
[[【白雪姫と七人の小人たち】>【白雪姫と七人の小人たち】]] …12/10・サイト一周年記念御礼
○遥か
[[【星月夜】(イノあか)>『星月夜』(遥か1)]]
[[【咲きかけた唄】(神子)>【咲きかけた唄】]]
[[【やさしいよるは】(季←あか)>【やさしいよるは】]]
[[【雨に咲く花】(あか←天)>【雨に咲く花】]]
[[【一筋の光】(九望)>『一筋の光』(遥か3)]]
[[【花が咲く頃。】(弁望)>『花が咲く頃。』(遥か3)]]
[[【花びら一片】(ヒノ望/フリー)>『花びら一片』 (フリー)]]
[[【蒼天】(敦望)>『蒼天』(遥か3)]]
[[【暗黒】(知望)>『暗黒』 (遥か3 十六夜記)]]
[[【白き光はここに散り。】(敦望/フリー)>『白き光はここに散り。』(フリー)]]
[[【口付け】(弁望/フリー)>『口付け』(フリー)]]
[[【とどかない扉まで】(銀望)>『とどかない扉まで』]]
[[【決して開かれぬよう】(神子)>『決して開かれぬよう』]]
[[【何を失っても。】(九郎←神子)>【何を失っても。】]]
[[【失ってはじめて、】(神子←泰衡)>【失ってはじめて、】]]
[[【冬の欠片】(敦望)>【冬の欠片】]] …UP遅れのクリスマスSS。
[[【春の夜の】(望←ヒノ/フリー)>【春の夜の】]] …ヒノエ誕生日SS。
[[【届かぬ祈りの果て】(神子←景時)>【届かぬ祈りの果て】]]
あなたにであえたことは奇跡でした。―遙かなる時空の中で3。10のお題ー
[[【振り返るように夢から醒めた。】(将望)>【振り返るように夢から醒めた。】]]
[[【だって君は笑うのだろう】(九望)>【だって君は笑うのだろう】]]
【最初で最後の】 …製作中。
【その罪すら愛していると】(弁慶) …隠し部屋にUP
[[【何度だって振り返らずにはいられない】(譲望)>【何度だって振り返らずにはいられない】]]
[[【どうか笑顔で】(景望)>【どうか笑顔で】]]
【そしてさよならのくちづけを。】 …製作中。
[[【いつだって】(リズヴァーン)>【いつだって】]]
[[【たった一人のあなたへ】(朔)>【たった一人のあなたへ】]]
[[【あいしてました、だれよりも】(白龍)>【あいしてました、だれよりも】]]
○GIFT
繁原おん様 [[【潮風に吹かれて】(遥か3)>『潮風に吹かれて』(GIFT)]]
咲紅羅様 [[【それでも貴方は微笑んで】(十六夜記)>『それでも貴方は微笑んで』]]
○宝物
神崎姫乃様より [[【For you…?】>『For you…?』(宝物)]]
霞野薙様より [[【ひそやかな】>『ひそやかな』]]
神羅様より [[【In Conference】>In Conference]]
千都瀬様より [[【覚えてますか?】>覚えてますか?]]
[[【決してその手を離さない】>決してその手を離さない]]
[[【赤い糸】>赤い糸]]
[[【交わりしは…】>【交わりしは・・・】]]
[[【君と僕の間に】>【君と僕の間に】]]
○キリ番&キリリク
1000&2000ヒット…神羅様 [[【夏の思ひ出】(某月)>【夏の思ひ出】]]
3000ヒット…紫雲柳様 製作中。
4000ヒット…アオリ様 [[【いつか】(No.6)>【いつか】]]
5000ヒット…なつみ様 製作中
7000ヒット…御猫堂様 製作中。
☆11/26に隠し部屋作成。
このHPの何処かに入り口があるので 気が向いたら探してみてくださいね♪
置いてあるものについては[[こちら。>こちら。]]
☆[[TOP>トップページ]]☆[[管理人>管理人]]☆[[日記>http://lostwings.seesaa.net/]]☆[[CHAT>http://www.takamin.com/oekakichat/user/oekakichat3.php?userid=214061]]☆[[掲示板>http://b4.spline.tv/fourwings/]]☆[[お題配布処>お題配布処]]☆[[10色使って10のお題。>10色使って10のお題]]☆
2008-02-25T04:41:31+09:00
1203882091
-
10色使って10のお題
https://w.atwiki.jp/benhino3/pages/15.html
<br /><br /><p>10色使って10のお題。</p>
<br /><p> 1.紅葉 2.蒼天</p>
<p> 3.黄昏 4.紫煙</p>
<p> 5.暗黒 6.金糸</p>
<p> 7.濃紺 8.新緑</p>
<p> 9.行燈 10.白光</p>
<p><br />
リンク元・『気楽に10のお題』</p>
<p> →<a href="http://nilian.xxxxxxxx.jp/">http://nilian.xxxxxxxx.jp/</a></p>
2008-02-25T04:34:19+09:00
1203881659
-
【届かぬ祈りの果て】
https://w.atwiki.jp/benhino3/pages/78.html
<p>明るさは 夜独特の闇に犯され、空には静々と帳が降ろされた。</p>
<p>今宵は満月。庭の澄んだ池には、掴めそうで掴めない月が色鮮やかに舞い降りている。</p>
<p> </p>
<p> 「―――…今宵は望月、なんだ…」</p>
<p> </p>
<p>俺は一人、縁側に腰掛けて夜空を見上げた。</p>
<p>きっと、今の俺はいつも以上に情けない顔をしているだろう。</p>
<p>こんな顔は朔には…ましてや彼女には絶対に見られたくないななどとぼんやりと思う。</p>
<p>こんなこと 俺が言う資格なんてないけど――正直、満月の夜は辛い。元の世界へ帰ってしまった彼女を思い出してしまうから。</p>
<p>苦笑をもらして、俺は自嘲気味に空から視線を逸らした。</p>
<p> </p>
<p> 『 景時さん 』</p>
<p> </p>
<p>あの声が笑顔が、脳裏に甦る。</p>
<p>くるくると目まぐるしく変わる表情は、いつも忙しなく周りへと向けられていた。―――でも、</p>
<p> </p>
<p> 『……ありがとう、ございます…』</p>
<p> </p>
<p>あの…照れたような笑顔は。頬を真っ赤に染め、はにかむように俺を呼ぶ君だけは。</p>
<p>今となっては自惚れかも知れないけれど、</p>
<p> </p>
<p> 「俺だけのものだって…思ってたのに」</p>
<p> </p>
<p>痛いね。今でもこんなにも―――君のことを想ってる。</p>
<p>ぽつりと呟いた言葉は もう誰にも届かない。</p>
<p>焦がれた月は行ってしまった。腕を伸ばしても、届かないものは必ずあるのだ。だから…</p>
<p> </p>
<p> 「――――好きだよ」</p>
<p> </p>
<p>せめてこれだけは、この気持ちだけは 誰にも譲らない。</p>
<p>君に逢えた。</p>
<p>それだけで、十分だった。</p>
<p align="right"><strong>【届かぬ祈りの果て】</strong></p>
<p align="left"> </p>
<p align="left"> </p>
<p align="left"> </p>
<p align="left">…果てしなく 景時さんじゃない気がする(汗)</p>
<p align="left">久々に書くと危険だ・・(滅)</p>
2007-04-23T03:47:46+09:00
1177267666
-
【雨に咲く花】
https://w.atwiki.jp/benhino3/pages/77.html
<div align="left"> </div>
<div align="left">散る花は今にも泣き出しそうな天に溶け消えてしまいそうなほどに白かった。<br />
ぴんと張り詰めた空気に冷ややかともとれるその無垢な白さは、この世界の終焉の中でさえ美しく映えるのだろう。<br />
それを見 ぼんやりと思考を巡らすオレはらしくなく、はたから見れば何を思い詰めているんだと思われる可能性が十分に高い。<br />
その証拠に、今まで何人もの知り合いがオレに声をかけていった。</div>
<div align="left"> (別に思い詰めてなんかねぇんだけど)</div>
<div align="left">思い詰めてるのは寧オレよりもあいつらだろ。<br />
オレは人知れずひっそりと溜息を吐いた。ったく…あかねも詩紋も 一人で抱え込み過ぎだ。隠し事が苦手な分、何かを悩み出すとすぐに顔に出る。…でも、</div>
<div align="left"> 「……んなにオレ、頼りないか…?」</div>
<div align="left">どうしたって聞けば、何でもないよと何事もなかったように笑顔返してくる。<br />
…心配をかけないようにしているのはわかるけど。だけど 少しくらい話してくれたって、</div>
<div align="left"><br />
空に視線を移すと、まるでそれを待っていたかのように雨が降り出す。<br />
この分だと暫く雨は止むことはないだろう。弱ったな…と苦笑気味に呟いてふと、今自分が雨宿りをしている巨木に目を奪われた。</div>
<div align="left">雨にうたれてはらりと散る花。それは何よりも弱く儚く見えて、</div>
<div align="left">「―――あかね、」</div>
<div align="left">優し過ぎて人知れず涙を零してるお前にそっくりだよ。<br />
お前を想ってこんな風に笑うのは 一体何度目になるだろう。<br />
オレも馬鹿な奴だなと自嘲の笑みを零し、未だ止みぬ雨に想いを託した。</div>
<div align="left"> </div>
<div align="left">【雨に咲く花】</div>
<div align="left"> </div>
<div align="left">天真くんお誕生日SSとして書き始めて粉砕した代物・・・orz</div>
<div align="left">そしてこのとき神子サマは絶対季史さんと逢引してるんですよー!!(笑)天真くん可哀相…<br />
…届かない片想いって大好きです(歪んでるなおい)あっはーぶっちゃけ自覚済み☆(強打</div>
<div align="left"> </div>
2007-04-05T10:42:14+09:00
1175737334
-
明日への灯火
https://w.atwiki.jp/benhino3/pages/21.html
<p align="left"><strong>☆素敵サイト様</strong></p>
<div align="left"><strong>異次元の回廊</strong></div>
<div align="left"><a href="http://ijigensekai.obunko.com/">http://ijigensekai.obunko.com/</a></div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<p align="left"><strong>☆お友達サイト様</strong></p>
<p align="left"><strong>トベナイサカナ</strong>(相互リンク)</p>
<div align="left"><a href="http://www.geocities.jp/tobenaisakana_1222/">http://www.geocities.jp/tobenaisakana_1222/</a></div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"><strong>Camellia</strong>(相互リンク)</div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"><a href="http://camellia.kyarame.com/">http://camellia.kyarame.com/</a></div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"><strong>うっすらとぼんやり</strong>(相互リンク)</div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"> </div>
<div align="left"><a href="http://panic.in/aori_mihira/">http://panic.in/aori_mihira/</a></div>
<div align="left"><font color="#000000"><strong>*Pure Voice*</strong>(相互リンク)</font></div>
<div align="left"><a href="http://id8.fm-p.jp/58/fancy1231/">http://id8.fm-p.jp/58/fancy1231/</a></div>
<div align="left"><strong>御猫堂本舗</strong></div>
<div align="left"><a href="http://homepage3.nifty.com/dog-end/index.htm">http://homepage3.nifty.com/dog-end/index.htm</a></div>
<div align="left"><strong>Flyaway</strong>(相互リンク)</div>
<div align="left"><a href="http://homepage2.nifty.com/Flyaway/">http://homepage2.nifty.com/Flyaway/</a>
<div align="left"><font color="#000000"><strong>紫陽花の残夢で逢いましょう</strong>(相互リンク)</font></div>
<div align="left"><a href="http://pksp.jp/ajisai-yume/">http://pksp.jp/ajisai-yume/</a></div>
</div>
2007-04-04T14:41:12+09:00
1175665272
-
【やさしいよるは】
https://w.atwiki.jp/benhino3/pages/76.html
<p align="left"> </p>
<p align="left"> 『 あか ね 』<br />
「あなた…は、」<br />
<br />
優しかったの。その手のぬくもりは…とても、とても。<br />
すべてのはじまり―――雨空の下、橋の上。<br />
<br />
<br />
<br />
<strong> 【やさしいよるは】</strong><br />
<br />
<br />
<br />
どうして。<br />
あなたはもうここにはいない。<br />
幸福な時間に包まれていたのは、私の人生にとってほんの一瞬でしかない。<br />
<br />
「季史さん」<br />
<br />
愛しい人の名を紡ぐ。<br />
ただ寂しがり屋で、ただ誰かに愛されたかったあの人。<br />
人を愛すことも―――人に愛されることも知らなかった……不器用なあの人。<br />
私の頬を伝う滴を拭ったぬくもりは、確かに私の記憶に肌に刻まれている。<br />
<br />
<br />
「季史…さん」<br />
<br />
<br />
透明が、私の頬を打った。<br />
冷たい温度は、私から確実にあなたの体温を奪おうとする。<br />
冷えた身体を縋るように抱き締めて、私は目を耳を心を塞いだ。<br />
目を閉じれば何も見えない。耳を塞げば何も聞こえない。<br />
心を閉ざせば誰も――――私を傷つけたりなんかしない。<br />
<br />
<br />
<br />
『あかね』<br />
<br />
<br />
<br />
声が、聞こえる。<br />
あの人は…私が何者でも構わないと言った。二人ならば、恐れるものはもう…何もないと。<br />
<br />
「…行かな、いで…」<br />
<br />
掠れた声音で言葉を紡ぐ。<br />
求めなければよかった。ずっと…忘れてしまっていた。<br />
私の幸せは欲しかったものは、全て指の間からすり抜けていくのに。<br />
<br />
―――藍空に溶けたのは、とても優しい人でした。<br />
<br />
<br />
<br />
【やさしいよるは】</p>
2007-04-01T14:00:44+09:00
1175403644
-
【春の夜の】
https://w.atwiki.jp/benhino3/pages/75.html
<p align="left"> </p>
<p align="left">声なんて――――かけられる筈なかった。<br />
<br />
<br />
一瞬、天女が空から舞い降りたのかと思った。満開の、美しい夜桜の下、少女はいた。<br />
通りすがり 微かな嗚咽が耳朶を掠めて、こんな夜中にと思って足を運んだ…この美しい桜並木。<br />
独り人気のない桜の巨木の下、少女は一人泣いていた。<br />
<br />
「……さん…っ」<br />
<br />
年は同じくらいだろうか?<br />
ない人目を憚らず、嗚咽をもらし、どうしてと…少女は髪を振り乱して泣いていた。<br />
<br />
どうせ男にでもフラれたのだろう。<br />
そう思って面倒なことの起きないうちに退散しようとしたオレの目に止まった、少女が手にした変わった形の刀。<br />
…少女の物だろうか?だが、普通の少女がこんなものを持ち歩く筈がない。<br />
長く色鮮やかな髪の隙間から垣間見える美しい二対の翡翠。それから溢れる涙を拭う事もせず、少女は立ち上がって手慣れた様子でそれを掲げる。<br />
<br />
<br />
―――それは一瞬のことだった。<br />
<br />
<br />
息をすることも忘れた。時さえも止まったように思えた。<br />
それは見たことのない剣舞。舞を舞うかのように華やかで、花弁を断ち、風を断ち、己を断つ…鋭い太刀筋。<br />
毅然と上げた面は 息を呑むほどに決意に充ち満ちていて。<br />
<br />
( 驚いたな… )<br />
<br />
視線が逸らせない。<br />
生まれて初めてだった、こんなにも一人の誰かに魅せられたのは。<br />
<br />
声をかけようとは思わなかった。…いや、声なんて―――かけられる筈がなかった。<br />
そのひとつひとつの動作は洗練されていて、邪魔をするのも野暮に思える。<br />
そして何より……少女の瞳に浮かんだ光は、何かに堪えているかのような寂しさを宿していたから。<br />
<br />
…だからだろうか。少女をそんな風に思えたから―――綺麗だと、思ったのだろうか。<br />
<br />
穏やかな風に 桜が散る。<br />
身を隠すことも忘れて魅せられた姿は、始まりと同様唐突にその動作を止めた。<br />
<br />
色鮮やかな花。物言わぬ翡翠が―――オレを捕らえた。<br />
<br />
<br />
<br />
【春の夜の】<br />
<br />
ヒノエ誕生日おめでとう!!<br />
?←望美←ヒニョみたいな感じ?(笑)ですが、まあ分かんなくってもヒニョ誕生日SSです!!(ぇぇ)<br />
この作品は4月いっぱいお持ち帰り可能ですので、宜しかったらお持ち帰りください。</p>
2007-04-01T13:48:07+09:00
1175402887
-
第二章―四【半】―
https://w.atwiki.jp/benhino3/pages/74.html
<p>―四【半】―</p>
<p>ねぇ、あんたってどこからきたの?<br>
―――――――ぼく・・?<br>
そう、あんた。<br>
―――――――たぶん・・・きみのしらないとってもとおいところから。<br>
ふぅん・・そこはどんなところなんだい?<br>
―――――――え?<br>
あんたにとって、そこはどんなばしょかってことだよ。<br>
―――――――ぼくにとって・・・<br>
そ。<br>
―――――――んー・・ひとことじゃむずかしいな。きみはどこからきたの?<br>
おれ?おれはどこからもきていないよ。ずっとずっとむかしからこのばしょにいる。<br>
―――――――そうなんだ?じゃあきみにとっての『ここ』はどんなばしょなの?<br>
おれにとって?<br>
―――――――だってぼくだけこたえてるんじゃつまらないでしょ?<br>
なるほど。おれにとって・・か。はじめてきかれたよそんなこと。あんた、おもしろいな。<br>
―――――――そうかな?<br>
そうだねぇ、おれのことなんかきくようなものずきは
あんたいがいでいままでにふたりだけだよ。<br>
―――――――ふたり、だけ?<br>
・・・・・・・ききたいの?おれにとっての『ここ』が。<br>
―――――――うん。<br>
じゃあきかれたてまえ、こたえてあげようか?おれにとっての『ここ』はね・・・</p>
<br>
<br>
<p>『もっともいとしくて
むかしからだいきらいな・・・いまいちばん
こわしたいばしょだよ。』</p>
<p dir="ltr"></p>
<p dir="ltr"><br>
あとがきという名の言い訳。<br>
なんだかよくわからん話。これから大変な事になるぞという感じを出したかったんです(苦笑)ちゃんとでてますかね??<br>
まぁ、次のお話からまた彗くん探しの旅(ぇ)が開始されますので
気長にお待ちください・・・。<br></p>
2007-03-25T09:37:54+09:00
1174783074
-
第二章―四―
https://w.atwiki.jp/benhino3/pages/73.html
<p>―四―</p>
<p> 「んでもって入ったら入ったで
とっても素敵なお出迎えがあるってわけだ☆」<br>
「・・・つべこべ言わずにさっさと掃除しろ・・」<br>
『まったくだ』<br>
「はいはい」<br>
森に入ってすぐだった。目の前には
二十匹程の図体のでかい鬼の群れ。<br>
一人最低何匹倒せばいいんだ?そう苦笑気味に漏らした幼馴染の背を蹴り、俺は宙を舞った。</p>
<p> 「・・・一気に片付けるぞ」</p>
<p>
先手必勝だ。ずるいと頬を膨らませて構える戒斗へと不敵に笑って
俺は封珠を鬼へと一斉に投げつけた。</p>
<p> 「―――――“縛”」</p>
<p>馬鹿正直に一体一体倒していって
雑魚ばかりに体力を取られても仕方ない。まとめて倒したほうが効率的だろう。<br>
「うしっ行くか!!」<br>
『・・・面倒だな』<br>
「はあああああああああああっっ!!!!」<br>
俺が動きを封じて動けない奴らに殴りかかる戒斗と、面倒だと言いながら一体ずつ確実に砂へと変えていく銀麗。次々と鬼を倒していく戒斗に、修行はさぼっていなかったんだなと素直に感心してしまう。</p>
<p>
<em>『ああああああああああああああああっっ!!!!』<br></em> 「っ葵依!!」</p>
<p>
雑魚の中でも多少力のある鬼数匹が、弱めにかけた金縛りを破って
俺へと突進してくる。少しも頭を使わないその捨て身の攻撃に、俺は思わず唇を歪めて口を開いた。</p>
<p> 「―――――“滅”」</p>
<p>少し頭足りねぇんじゃねぇのか?
ついでにそう呟いたときには
既に全ての鬼が砂と化していて。<br>
「悪いっ大丈夫だったか?」<br>
「・・・あれくらいの事で焦ってるようなら
まだまだ修行が足りないな・・」<br>
『そうだな』<br>
「うっ!!」<br>
俺があれしきの鬼にやられるわけないだろう。お前も少しは頭を使えと軽く戒斗の額を小突き、俺は砂の山を踏みつけて先へと進み始める。<br>
「でもさっ師走の者の廃墟って
此処からだと結構近かったよな?」<br>
小走りに俺の隣りに並んで 戒斗が言う。<br>
「ああ、もうあそこに見えてるだろう・・?」<br>
「あーあれかっ」<br>
『・・・。』<br>
歩き始めて少ししたときの事だった。目の前が開け
視界が一気に広くなり、目の前には朽ちた屋敷の跡。<br>
「・・・・すげ・・」<br>
『・・・懐かしいな・・』<br>
「あ?」<br>
『・・・なんでもない・・』<br>
さわりと吹いた風は透明で、流れた空は
とても青く。一歩この敷地に入ったときから感じた
大きな力。</p>
<p> 「・・・・千年前の鬼刻の力、か・・」</p>
<p>
庭の隅々まで見渡せば、季節に関係なく咲き乱れる花々。この敷地内を見れば
此処にどんな人物が住んでいたのかがわかる。なんて強い力。この美しい土地を誰かが今も尚
少しずつ手入れをしているのではないかと感じさせられる。<br>
そして―――――</p>
<p><br>
「そこにいるのは、誰だ?」</p>
<p><br>
さくり、と急に聞こえた、柔らかく散った花の上を歩く音。<br>
振り返ればそこに、風に散らばった夜の闇と錯覚させる程の漆黒と、訝しげに向けられた
暖かな紅い瞳。<br>
『っ陸・・!!?』<br>
「うおっすげーなその犬っ喋れるのか!!?」<br>
「いや、一応狼なんだけどな」<br>
「・・・つっこむべきはそこなのか・・?」<br>
いや違うだろう。よしよしと銀麗の頭を撫で始めるその少年に、俺は思わず溜息を吐いた。<br>
「つかお前、陸を知ってんのか? 陸は2年前に失踪した
オレの兄貴の名前なんだけど?」<br>
『・・・・二年前、だと・・?』<br>
「・・・銀麗・・?」<br>
らしくもなく動揺を隠せずにいる銀麗。どうしたんだとばかりに戒斗が心配そうに名前を呼ぶ。<br>
『・・・いや、なんでもない』<br>
「なんでもないっておま」<br>
「戒斗、今は関係ないだろう。そこのお前に聞きたいんだが」<br>
「は?」<br>
なんでもなくないだろ。そう紡ごうとしたらしい戒斗の言葉を遮り、俺はずっと銀麗の頭を撫でつづけている少年へと目を向けた。<br>
「お前は『要』か?」<br>
「・・・・・・・・・・・・あー・・なるほど、な。お前ら、もしかして『彗』を知ってて『要』を探してるって奴か?」<br>
くすりと唇に笑みを浮かべて言う、二対の紅。銀麗から放れ、一定の間合いを取るその姿に
俺はもう一度だけ言葉を紡ぐ。<br>
「答えろ、お前は『要』なのか?」<br>
「人に物を聞くときは
それなりの礼儀ってもんがあるんじゃねぇのか?」<br>
『―――――その通りだ、葵依。今緊急事態だったとしても
まず自分から名乗らなくてはな・・』<br>
「おっよく分かってんじゃんその犬っ」<br>
『犬ではない、狼だ』<br>
「・・・葵依・・」<br>
「・・・わかった」<br>
俺はそう呟いて
その少年の前へと進み出る。そして片膝をつき
頭を垂れた。<br>
「―――――私は 樹那国神官・一ノ瀬神社神主の一ノ瀬
葵依。諸事情により、私は今『要』という名をも<br>
つ方を探しております。今日は貴方様が私の探している『要』様なのかを伺いたく
参上いたしました」<br>
「・・・じゃあやっぱりお前らが・・」<br>
あの話は嘘じゃなかったんだな。そう紡がれた言葉に
俺は静かに顔を上げる。</p>
<p> 「あっ悪い、自己紹介が遅れたな。オレは美月
要。正真正銘、お前らのお探しの『要』だ」</p>
<p>
俺の腕を掴んで立たせ、要と名乗った少年は言う。人懐っこい笑みを浮かべ、要はそれでそっちは?と戒斗と銀麗の方へと向いた。<br>
「俺は砂名宮 戒斗。よろしくなっ要!!」<br>
『私は銀麗だ・・・宜しく頼む』<br>
「ああ、宜しくな!! っと、葵依っていったっけ?
そういや彗は何処いるんだ?」<br>
「・・・。」<br>
「えっとー・・・要、お前は落ち着いて聞いてくれるよな?」<br>
「は?」<br>
戒斗の言葉に目を丸くする要。言いづらそうに言葉を濁す戒斗に、落ち着いて聞くからと少年が詰め寄る。<br>
その様子に困りきった幼馴染の代わりに、俺は静かに口を開いた。<br>
「――――――彗は、いなくなった」<br>
「え・・」<br>
「ちょっあお」<br>
「今言わなくても、どちらにしろ後で言わないといけねぇだろ。なら早めに言っておくべきだ」<br>
それに、まだそうとは決まっていない事もあるんだ。早とちりするなと付け加え、俺は幼馴染から呆然とする少年へと視線を向けて大まかに説明をした。</p>
<p> 「・・・じゃあ 彗はその・・刹那って奴に・・」<br>
「ああ、その可能性が高い。だから俺たちは
お前を先に探す事にした」<br>
『――――――お前がいれば、彗も安心するであろうからな・・』<br>
「・・・・。」</p>
<p>
一人考えるようにして黙り込む要。そして何かを言おうとして躊躇うその姿に、俺は静かに先を促した。<br>
「・・・話は分かった。オレは彗を探す為・・お前たちに協力する」<br>
「――――感謝する」<br>
「ったく・・兄貴といい夏穂姉といい彗といい、なんでオレの周りにはオレに心配かけるような奴しかいない<br>
んだろうな・・・」<br>
『・・・さあな』<br>
「宿命って奴じゃん?」<br>
「うわーすっげえ説得力あって嫌だ・・」<br>
戒斗の言葉に脱力する要は、苦笑しながら俺を振り返り
右手を差し出した。</p>
<p> 「これから宜しく」<br>
「―――――ああ、」</p>
<p>
その右手を掴み、俺はほっと息を吐いて笑みを零した。<br>
これで少しは
目の前に立ちふさがっている問題の数々の解決に一歩近づいただろうか?<br>
そんな事は今はまだ分からないけれど、とりあえず最優先事項を解決できそうな気がしている。<br>
また、忙しくなるな・・。そう心の中だけで呟いて、俺たちは今いる廃墟を後にした――――――</p>
<br>
<p>あとがきという名の言い訳。<br>
や、やっと要が出てきた・・・ってか仲間になったッッ!!(爆)これで宝捜し・・もとい彗探しがやっとこさスタートですね。あー長かった・・orz
まぁ、次はもう少し早くUPできるといいと思います(涙<br></p>
2007-03-25T09:35:35+09:00
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