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―三【半】―

俺は―――――あいつの言葉を信じてもいいのだろうか?


穏やかな風の流れる中、俺は一人 森にいた。微かに流れる薫物の香りと着物だけを纏って。


 『嫌だっ駄目っ・・・要―――――――!!!!』


絶望に魅入られたものだけが発せられる絶叫。大切な人を失う事を極度に恐れる幼馴染が発した叫び。
泣きながら俺を呼んだその声が 頭から離れない。

 「っくそ・・」

早くあいつのところへ行かなければ。またあいつは何をしでかすか分かったもんじゃない。
でも・・

 『今、なんて言った・・?』
 『君の幼馴染について知っている人たちが 今君を探していると言いましたが?』
 『それで彗は・・・あいつはどんな奴と一緒なんだ!?それよりも あいつは無事なんだな!!?』
 『知りませんよそんな事』
 『そんな事っておま』
 『だってそうでしょう?私は元々君たちとは関係のない赤の他人。それを君の手当てをしてあげて、面倒を
みてあげて、なのにどうしてそこまでやってあげないといけないんです?そう思いませんか?』
 『それは・・っ』
 『でも私もそこまで鬼ではありませんからね。私の事を信じられるというのなら 明日、その人たちに逢わ
せて上げましょう』
 『本当か!?』
 『えぇ、でも・・君が私を信じられるのなら、です。君はまだ 私を信用してはいないでしょう?』
 『それは、そうだけど・・』
 『それに、もしかしたら私はただ単に君を厄介払いしたいだけかもしれませんよ?君の大切な人をどうでも
いいと言っているんですからね』
 『・・・。』
 『もし私を信じられるようなら明日の朝、また私の部屋へと来なさい。話はそれからです』

これは 先ほどのあいつとのやり取り。信じられるのなら部屋へ来いと言ったあいつ。その話が何処まで本当で何処まで嘘なのか、まだ俺には分からない。でも・・・


 「あいつの手がかりがあるって言うのなら・・」


本当だろうが嘘だろうが 何だっていい。心はいつだって決まっている。


 「待ってろよ――――――彗」


墜ちた葉に、俺は一片の想いを乗せた。・・・瞳が―――――熱い。





 「・・・で、何故お前らまでついてくる?」
 「何言ってんだよっこういう時こそ相棒がいなくてどうすんだっっ!!」
 『――――私はその相棒とやらの保護者代理というところだな・・』
 「・・・。」
黙殺。俺は満面の笑みを浮かべてこちらを見つめる幼馴染と玲瓏な狼にひとつ、盛大な溜息を吐いた。
まったく・・・こうなる事を予想したから早めに神社を出たというのに。
ここは前・師走の者が使っていた屋敷とされる廃墟のある森。冷たい空気に暖かな朝日が差し込もうとするこの時間。いつもなら寝坊しまくりのこいつが当然寝ている筈の時間。・・・の筈なのに何故、こいつがここにいる・・?
 「今日は銀麗に手伝ってもらって早起きしたんだ、お前・・絶対俺の事おいて行くと思ったから」
 『・・・すまぬな葵依、駄目だと言っても 私の言う事も聞かなかったのだ』
 「・・・。」
終いには神社の前で泊まりこみなどと申すから。
そう溜息を吐いて言う銀麗に、軽く頭痛を覚える。・・・確かに 今のこいつならば言いそうな事だ。
 「・・・本当に来るのか・・?」
 「おうっっ!!」
 「・・・・足手まといになったらそのまま見捨てていくぞ・・?」
 「大丈夫だって!!足手まといにはならねぇよ」
銀麗もいてくれるしな。言いながら右手を白銀の上へと乗せる戒斗。強い意志を宿したその瞳に、俺は今日何度目か知れない溜息をまたしても盛大に吐いた。

 「・・・・行くぞ」
 「おうっ!!」

これで今日の早起きという名の努力は水の泡。苦笑も隠さずに 俺はいつも通りの面子の先頭にたって 何も言わずに歩き始めた・・・――――――


あとがきという名の言い訳。
そして話が進まないというね!!(滅)
・・・はい、それは私のせいでございます(涙)いやあ~始まっちゃいましたねぇ『要』探しの旅♪
まぁまだ出会ってすらいないというのに話の始めのほうでもろに出てきちゃってますけど。きっと次の回で葵依たちと会えるはずなので、待っててくださいねvv・・・そういえば 彗ってどうなったんだろ・・(ヲイ)