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ゆらゆら ゆらゆら。


ゆるやかに揺れた淡き水面が様々な角度から見せる表情を変える。
網膜に突き刺さるそれは、何かを諭すようにして俺に触れ。


 (  ひか、り …? )


霞み掛かった意識に、鮮明に刻まれるもの。

時に優しく 時に厳しく。そして気高く俺に問う。


 『―――…お前に』


すべてを背負う覚悟はあるのか。
鋭利な切っ先のように研ぎ澄まされた声音。何も言えずに佇み一つ、俺は細く息を吐く。


 「 覚悟、か 」


そんなもの、とっくに出来てる筈なのに。何故今更そんな事を問うのか。

 「 …どう して 」

問い掛ける声も虚しく、一筋の声は音となり静寂へと消えて逝く。



 「『――――甘い考えは捨てろ』」



一つ被りを振って、俺はあいつが呟いた言の葉を紡いだ。
前だけを見ろ。過去を振り返りすぎるな。
自分の身くらい自分で守れなくてどうする。

足元がおぼつかなくても、真っ直ぐ先へと伸ばすその腕。鋭利なまなざし。
そして酷く冷静な――――




 「……ん…?」
 「…目を覚ましたか」
目を擦り、ゆっくりと上体を起こす。頭には先ほどの夢の残り香。

 「…葵依…?」
 「ああ、」

意外と近くにあった…色鮮やかな深紅。
その時軽く起こった眩暈に起こしかけた身体が傾ぎ、俺は対して抗いもせずにそのまま後ろへと倒れ込む。


 「…平気か?」
 「平気だって、ちょっと眩暈がしただけだし!!」
 「……いきなり起きるからだ…」
 「へ?」


いつもの如く馬鹿者と呟く幼馴染。倒れ込んだその先、いつもよりも高い位置に倒れた事に気付く。


 「ったく…最近貧血気味なのに無茶するからだ…」
 「無茶なんかしてな」
 「治ったら請求するからな…」
 「…肩貸すぐらいで請求するのかよ…」


俺の言葉に 当たり前だとばかりにくすりと笑ってみせる幼馴染。それを見て俺は思わず溜息を吐き、


 「ならこれくらいしてもらってもいいよな?」


そう言って 葵依の膝へと頭をのせた。

 「…重い、」
 「いーじゃんこれくらい、減るもんじゃないし」
 「…お前がのると減る…」
 「酷っ!!」

それはちょっと酷くない?
寝転がりながら抗議する俺を無視して、本を読み始める幼馴染。


 「葵依ー聞い」
 「聞いてない」
 「…少しは否定しろよ…!!」


言い終わる前に肯定され、それ以上は何も言えずに心で涙する俺。
さわりと吹いた一陣の風に誘われ、静かに瞼を閉じる。

 「…治ったら手始めに境内の掃除からやってもらうからな…」

だから今は眠れと低く呟いた幼馴染に分かってるよと俺は軽くひらりと手を振り。


 「――――おやすみ、」


暖かな光を受け、俺は意識を沈めた。
これ以上、今ある戦いに犠牲者が出ない事を祈りながら――――


【光の残滓】


あとがきという名の言い訳。
まだそこまで摩綺羅との戦いが酷くない、とある平和な日の午後のお話(笑)戒斗の誕生日SSから何故こんなになったのかが不思議…(笑)そして題名と内容が沿ってない気が。
これからも精進していきます…っ!!