―三―
――――――も・・すぐ・・・・だ、“―――”。今度は・・・に・・・・して・・・・・・・・な・・
誰かの声が、頭に響く。この声は一体何なのだろう?初めて聞いた声の筈なのに、妙に懐かしさが込み上げてくる。
『甘えてんじゃねぇよ』
夜の闇を切り取ったかのような漆黒の髪に紅い瞳。右目にはしる禍々しい傷跡に何故だか奇妙な違和感。一体、何なのだろう・・・?
『お前に何が分かる?お前なんかにこの苦しみがわかってたまるか。もう二度と・・・俺の前でそんな台詞を吐くな、・・・次はない』
『お願い、今度こそあの人を助けてあげて。私ではどうしようもないの・・・!!』
『お前さぁ 俺の事なんだと思ってんの?』
『ふふっ、本当に―――は面白いよね』
『頼むからさ、もう・・・それだけは嫌なんだ。もうあんな気持ち、二度としたくねぇんだよ・・・』
『馬鹿だなぁ少しはここ、使えよ?お前頭は良いんだからさ、使わねぇとただの石頭だぞ?』
『――――貴方は、何の為に此処にいるのですか・・・?』
次々と走馬灯のように 頭を駆け巡る人 ヒト ひと。
『ウミ。』
月光りに照らされて美しき白銀が揺れる。夜の帳に散らばる星々の欠片。紫色のそれは、何かを射抜くかのように鋭い光を宿らせて。
あぁ、また――――夢をみて。ただただ深い闇へと墜ちていく。何の音もたてる事はなしに・・・
そしてまた 廻ってく。