想風月華
『決して開かれぬよう』
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匿名ユーザー
『なんの―――つもり?』
そう問うたもう一人の“私”。それは
思わずその戸惑いを、そのまま声音に滲ませた。
…まさか、私が私自身の身体を傷つけようなどと
思いもしなかったのだろうから。
「貴女には、ここで私と消えてもらう」
そう言って
私は私に刃を向ける。…これ以上、皆を傷つけないように。もうこれ以
上―――あの人を傷つけないように。
「望美!!」
「望美さん!!」
皆は この扉の外にいる。あの人も
この扉の外にいる。…こっちに 来ようとしてくれ
る。
私は、それで十分だよ。
それを想うだけで…私は―――
「っ扉を開けて!!」
皆の声が 聞こえる。あの人の…声が。
「さようなら…」
…ごめん ね
私は行くよ。皆とは…貴方とは違う、ただひたすら遠くへと。私がいる限り、皆を危険に
晒すから。
私がいる間は…決して、この扉は開かない。開かせは
しないから
「――――神子、」
守るよ
私が愛した…人達を。
『扉を開く10のお題』より
―5,決して開かれぬよう―
あとがきという名の言い訳。
お友達からいただいた
素敵お題。でもだいぶ前に書いた代物なので
微妙ですよね(涙)一応迷宮の神子様視点です♪