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「決してその手を離さない」(2006/12/07 (木) 12:53:47) の最新版変更点
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<p>分かっていたんだ</p>
<p>この闇から抜け出そうとしても</p>
<p>もう遅いということを――――</p>
<br>
<p><strong> 【決してその手を離さない』】</strong></p>
<br>
<p> 「えへへっ」</p>
<br>
<p>隣に座る可憐な少女が僕に微笑みかける。</p>
<p>久々に2人でたくさんの話をした。他愛もない話を。</p>
<br>
<p> 「どうしたんですか?そんな嬉しそうな顔をして」</p>
<p>
「だって、弁慶さんとこうやってお話するの、久しぶりだから」</p>
<br>
<p>
惜しみない笑顔を向けられて。僕は複雑な気持ちになる。</p>
<p>
ああ。僕はいつまでこの笑顔を享受することが許されるのだろうか。</p>
<br>
<p>
「長い間、留守にしていてすみませんでした。神子を守ることが僕の役目なのに」</p>
<p>
「いいんです。他の人もいてくれたし。それに、薬師というのも大切な仕事でしょう?」</p>
<p><br>
「君は本当に純粋で綺麗な心の持ち主なんですね。僕には眩しすぎるくらいです。でも、僕でない人と一緒にいたなんて、妬けてしまうな。僕の気持ちを知っていて言ったんですか?」</p>
<br>
<p>君は僕がどんなに汚い人間か知らないから。</p>
<p>
綺麗すぎる君を少しでも汚したくて。僕は意地悪を言った。</p>
<br>
<p>
「えぇええっ!?な、何を言ってるんですか!!そんな・・・っ」</p>
<p> 「ふふ、冗談です。何事もなくて本当に良かった」</p>
<p> 「もうー。びっくりするじゃないですか」</p>
<br>
<p>
頬をふくらませて、怒ってる素振りを見せるが、それすら愛らしく見える。</p>
<p>
くるくるとめまぐるしく変わる表情が愛おしくて。愛おしすぎて。胸が苦しくなった。</p>
<p><br>
何も疑わないその瞳が痛かった。</p>
<br>
<p>
「そろそろ日も暮れてきたことですし。部屋に戻りましょうか」</p>
<p>
そう言って僕はその場から逃げ出すように立ち上がろうとした。</p>
<p> 「えっ・・・・弁慶さん、待って・・っ」</p>
<br>
<p>彼女は僕の袖をきゅっと掴んだ。</p>
<br>
<p> 「・・・望美、さん・・・?」</p>
<br>
<p>
思ってもみなかった反応に、僕は驚いた表情を隠せない。</p>
<p>ゆっくり振り返ると、目に涙を溜めている君がいた。</p>
<br>
<p>
「だって、このまま帰ってしまったら。弁慶さんが二度と戻らない気がして。根拠なんてなにもないけど。そんな気がする」</p>
<br>
<p>ああ。君は何て愛おしいんだろう。</p>
<br>
<p>
「僕も君とずっと・・・一緒にいたい。君をここから連れ去りたいくらいです」</p>
<br>
<p>君とずっと一緒にいられるなら、どんなにいいか。</p>
<br>
<p>
「だったら。一緒にいてください。どこにも行かないでください」</p>
<br>
<p>
涙を流しながら君は言った。袖を握り締めて、もう離さないとでもいうように。</p>
<br>
<p>
「そんなことを言うと、本当に連れて行ってしまいますよ?・・・ほら、帰りましょう」</p>
<br>
<p><br>
黙って首を振る君の手をとった。ほんの少しだけ震えている君の手。</p>
<p>
この先、僕は君を悲しませることになる。だけど。君を失うのはもっとつらいから。</p>
<p>君を守るために僕は悪魔にもなろう。</p>
<p>僕は決してその手を離さない。</p>
<br>
<p><br></p>
<p>
千都瀬様からの強奪物第二作品目ー!!(どんどんぱふー/ぇ)</p>
<p>
・・・ど、どうしたらこんな風に弁望を書けるのかしら・・?(は)弁様素敵ーっ望美が可愛いー!!!!(爆)</p>
<p>千都瀬様、本当に有難う御座います(涙)</p>
<p>分かっていたんだ</p>
<p>この闇から抜け出そうとしても</p>
<p>もう遅いということを――――</p>
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<p><strong> 【決してその手を離さない】</strong></p>
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<p> 「えへへっ」</p>
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<p>隣に座る可憐な少女が僕に微笑みかける。</p>
<p>久々に2人でたくさんの話をした。他愛もない話を。</p>
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<p> 「どうしたんですか?そんな嬉しそうな顔をして」</p>
<p>
「だって、弁慶さんとこうやってお話するの、久しぶりだから」</p>
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<p>
惜しみない笑顔を向けられて。僕は複雑な気持ちになる。</p>
<p>
ああ。僕はいつまでこの笑顔を享受することが許されるのだろうか。</p>
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「長い間、留守にしていてすみませんでした。神子を守ることが僕の役目なのに」</p>
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「いいんです。他の人もいてくれたし。それに、薬師というのも大切な仕事でしょう?」</p>
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「君は本当に純粋で綺麗な心の持ち主なんですね。僕には眩しすぎるくらいです。でも、僕でない人と一緒にいたなんて、妬けてしまうな。僕の気持ちを知っていて言ったんですか?」</p>
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<p>君は僕がどんなに汚い人間か知らないから。</p>
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綺麗すぎる君を少しでも汚したくて。僕は意地悪を言った。</p>
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「えぇええっ!?な、何を言ってるんですか!!そんな・・・っ」</p>
<p> 「ふふ、冗談です。何事もなくて本当に良かった」</p>
<p> 「もうー。びっくりするじゃないですか」</p>
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頬をふくらませて、怒ってる素振りを見せるが、それすら愛らしく見える。</p>
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くるくるとめまぐるしく変わる表情が愛おしくて。愛おしすぎて。胸が苦しくなった。</p>
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何も疑わないその瞳が痛かった。</p>
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「そろそろ日も暮れてきたことですし。部屋に戻りましょうか」</p>
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そう言って僕はその場から逃げ出すように立ち上がろうとした。</p>
<p> 「えっ・・・・弁慶さん、待って・・っ」</p>
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<p>彼女は僕の袖をきゅっと掴んだ。</p>
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<p> 「・・・望美、さん・・・?」</p>
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思ってもみなかった反応に、僕は驚いた表情を隠せない。</p>
<p>ゆっくり振り返ると、目に涙を溜めている君がいた。</p>
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「だって、このまま帰ってしまったら。弁慶さんが二度と戻らない気がして。根拠なんてなにもないけど。そんな気がする」</p>
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<p>ああ。君は何て愛おしいんだろう。</p>
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「僕も君とずっと・・・一緒にいたい。君をここから連れ去りたいくらいです」</p>
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<p>君とずっと一緒にいられるなら、どんなにいいか。</p>
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「だったら。一緒にいてください。どこにも行かないでください」</p>
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涙を流しながら君は言った。袖を握り締めて、もう離さないとでもいうように。</p>
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「そんなことを言うと、本当に連れて行ってしまいますよ?・・・ほら、帰りましょう」</p>
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黙って首を振る君の手をとった。ほんの少しだけ震えている君の手。</p>
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この先、僕は君を悲しませることになる。だけど。君を失うのはもっとつらいから。</p>
<p>君を守るために僕は悪魔にもなろう。</p>
<p>僕は決してその手を離さない。</p>
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千都瀬様からの強奪物第二作品目ー!!(どんどんぱふー/ぇ)</p>
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・・・ど、どうしたらこんな風に弁望を書けるのかしら・・?(は)弁様素敵ーっ望美が可愛いー!!!!(爆)</p>
<p>千都瀬様、本当に有難う御座います(涙)</p>
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