「某月の刻印―七―」(2006/08/18 (金) 21:32:09) の最新版変更点
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<p>―七―</p>
<p>嗚呼、俺はこの時を
どれだけ心待ちにしていたのだろう?</p>
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風にはためく紅は
楽しげに散る散る桜の花弁を弄び、唇を歪めた。見下ろした先に見ゆるのは、これから始まるであろう儀式の準備に駆け回る・・・次期神鬼刻主。</p>
<p> 「たくさん待たせたんだ、もちろん俺を
楽しませて―――――くれるよね・・?」</p>
<p>ただ鬼刻を召喚されたんじゃつまらない。どうせなら
もっともっとこっちが楽しめるような状況を作らなければ。手を伸ばし、徐に掴んだ淡き花弁を
悪戯に柔らかく引き裂く。</p>
<br>
<p> 「―――― ねぇ、助けたいと思ってる人に
それを邪魔されたら・・どんな気分になるのかなぁ?」</p>
<br>
<p>
おぞましさを感じさせるような角度に唇の端を持ち上げて、色鮮やかな深紅は告げる。</p>
<p> 「・・・始まるよ?」</p>
<p>自らを死へと至らしめる、血の宴が。<br>
そして静かに幕は開く・・・。</p>
<br>
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「――――これより、鬼刻召喚の儀式を執り行う」<br>
帝より重々しく告げられた
始まりの言葉。神官は前へという合図と共に
俺は封珠と数珠を手に、陣の中へと入った。微かに震える手をより一層強く握り、瞳を閉じて深く息をする。<br>
これから始めようとしている儀式は
この国、樹那を救う為に必要な者たちを召喚する為の儀式だ。・・・だが、ただ単に味方となる者たちを召喚する為だけの儀式ではない。この儀式は
凄まじいほどの力を有した術者であっても
過去に一度しか成功した事のない・・・成功させる事がとてつもなく困難な儀式。それに加え
この儀式は、鬼刻と呼ばれる十二人の者たちを召喚するのに術者の力ではなく
命を吸い取り、神鬼刻主となる筈の者を死へと至らしめるものでもある。 ・・・だからこそ、<br>
(失敗は・・・許されない。)<br>
チャンスは一度きり。俺はゆっくりと瞼を押し上げ、天を見据えた。</p>
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「―――――万物を巡りし 大いなる者たちよ」</p>
<p><br>
そして静かに輝き始める封珠を投げ、数珠を両手に掛ける。</p>
<p> 「我が声の届きし者たちよ
我の声を聞くがいい。我は今此処で
主らに呼びかける者なり」</p>
<p>
光が増していく。次第に吹くはずのない風が強まり、陣内の封珠を天へと高く高く飛ばしていく。少しずつざわめきも・・・強まる。</p>
<br>
<p><br>
「応え 我が鬼を刻む十二の刃たちよ・・・」</p>
<br>
<p><br>
応え・・・応えろ。 応えて く れ・・・</p>
<p> (・・・・戒斗、)</p>
<p>縋るように心で呟いた名に
俺は静かに目を閉じる。そして輝いた空へと・・祈るように
腕を伸ばす――――</p>
<p><br>
あとがきという名の言い訳。<br>
あっはー儀式しかやってませんよ儀式しか(殴)またしても葵依の一人称(+某刹那という名の摩綺羅さんの一人称を少々)ですよ。どうしましょうねぇ
なかなか鬼刻が出てきません(汗)次回の予告をしますと
召喚される側、鬼刻側の召喚される瞬間までを書きたいなぁと思って(すっぱあああああああああん!!!!/葵:・・・思うだけでは駄目だというのが分からないのか・・・?)・・・書きます書かせていただきます!!(涙)・・・という事で
現代のお話になりますね。それはそれで
これから書く側としては楽しみですvv(笑)<br></p>
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