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某月の刻印―五―」(2006/07/06 (木) 17:15:30) の最新版変更点

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<p>―五―</p> <p><br> シャーン・・・</p> <br> <br> <p>涼しげに辺りに響きわたる 鈴の音。</p> <br> <br> <p>シャーン・・・</p> <br> <br> <p>なんて</p> <br> <br> <p>シャーン・・・</p> <br> <br> <p>――――――なんて、懐かしい。</p> <br> <br> <p>シャラシャラシャラシャラ・・・</p> <br> <br> <p>流れるように</p> <br> <br> <br> <p>・・・・響いてく。</p> <br> <br> <br> <p> 「――――――それは 本気か」</p> <p> 御簾の向こう側から聞こえた、困惑とも心配ともとれる現帝の言葉。無謀だという周囲の言葉をよそに俺は御簾の向こうを見透かすかのような強い意志をその瞳に宿し、きっぱりと言い切った。</p> <br> <br> <p> 「鬼刻召喚の儀式を致します」</p> <br> <br> <p> この宣言の直後、一瞬辺りは静寂に包まれた。・・・が、</p> <p>  「摩綺羅は第一皇子とこの樹那国を狙っております。一刻の猶予もありません」</p> <p>  「――――恐れながら。私にはどうもその話が作り話のようにしか思えませんが?」</p> <p> その場で静かに聞いていた上級貴族の者が明らかに蔑んだ瞳で俺を見、そう口にした。</p> <p>  「そうだっいくら神官だからといって言って良い事と悪い事がある!!」</p> <p>  「千年前に封印された筈の摩綺羅が現れただなんて・・・頭がおかしいんじゃないのか?」</p> <p>  「言い過ぎだ、神官殿はまだ子供なのだ。重い役職に幼すぎる年で就いたので張り切りすぎたのだろう?悪い事は言わない、今からでもいいから本当の事を話しなさい」</p> <p> 自分が想像していたものと寸分も違わない反応。一人が思った事を口にすると、次々と好き勝手に思った事を発言し始める。一人だと弱気でも集団となると途端に強気になる・・・愚かな人の習性。何故気づかないのだろう?それが、その事が、己の寿命を縮める要因ともなりかねない事に。</p> <p>  「――――ならば、現に第一皇子が意識を失って運び込まれ・・・3日経っても未だに意識が戻らないことは</p> <p>どう説明するというのです?貴族の皆々様方?」</p> <p> 「それはっ・・・!!」</p> <p> 俺の言葉に、数名が言葉に詰まる。するとその中の一人が意地悪く瞳を光らせて徐に口を開く。</p> <p>  「単に調子が悪かった・・・それだけではないのか?」</p> <p>  「・・・お言葉ですが右大臣、特に貴方には解かる筈がない」</p> <p> 「何?私の力を馬鹿にするというのか?」</p> <p> 威張り散らした態度をとる太い腹の右大臣に俺はふっと冷たい笑みを浮かべた。</p> <p> 「何が可笑しい?」</p> <p> 俺の小馬鹿にしたような微笑が気に入らなかったのだろう。右大臣は不機嫌そうに眉根を寄せる。</p> <p>  「・・・失礼。大臣があまりにも素晴らしい御言葉を御吐きになったので、感動の余りつい笑いが・・・」</p> <p> からかうようにして紡げばみるみると怒りで顔が真っ赤になっていく右大臣。俺はそんな様子を見、嘲笑って一言つけたした。</p> <br> <p> 「力のない貴方には、戒斗・・・第一皇子と私にあった人ならざる者の残り香に一度も気づかなかったでしょう?」</p> <p>「!!?」</p> <br> <p> そう、多少でも力のある者なら確実に気づく筈のその香りに気づかなかった・・・愚かな男。俺は絶対零度の微笑を向けると静かに御簾へと向き直った。</p> <p>  「命の危険があることは承知の上です。ですがこれは私たちだけの問題ではなく、この国の未来に関わる事です。たとえ駄目だといわれても私はやりますので、どうかご理解下さいますよう・・・」</p> <p>そして俺は 深く頭を垂れる。きっと帝はもはや我が子同然に見守ってきた俺の申し出に、戸惑っているのだろう。暫しの沈黙が続く。</p> <p>  「・・・・・・・・ここで私が何と言おうとお前の決心は・・・変わらぬか?」</p> <p> 「はい」</p> <p> 「それなりの覚悟はあるのか?」</p> <p> 「はい」</p> <p> 「命の保証はないのだぞ?」</p> <p> 「承知しております」</p> <p>  「鬼刻の召喚は最も難しいとされている儀式。・・・出来るのか?」</p> <p> 「不可能ならばここで宣言することはありません」</p> <p> 「・・・お前が死んだら あれが悲しむぞ?」</p> <p> 「・・・・・私は 死ぬつもりは全くありません」</p> <p> ゆっくりと顔を起こし俺は揺るがない決意を胸に、御簾を見つめた。少しの間と微かに聞こえる小さな小さな溜息。そして帝は「そこまで言うのならば良かろう」と呟き、</p> <br> <br> <p>  「―――――神官に、鬼刻召喚と摩綺羅殲滅を命ずる」</p> <br> <br> <p> そう宣言した。俺は瞳を見開き、御簾を見つめる。途端に大きくなるざわめきに帝は文句は言わせない・・・と貴族を一蹴した。</p> <br> <p>  「そこまで言うのならば神官、自らの手でやってのけよ」</p> <p> 「―――――御意。」</p> <br> <p> そして俺は帝の俺への信頼と思いやり、そして我が子を思う愛情に気づき再び深々と頭を垂れて感謝の意を述べた・・・・。</p> <br> <br> <br> <p> 言い訳という名のあとがき。</p> <br> <p> や、やっとお話が動きだした・・・!!(ぇ)なんだか書きたいとこに行く前に別にどうでもいいところばかりつらつら長い気がするなぁ・・・(爆)反省は必ず、日々精進を心がけよう。うん。</p> <p> 次回はきっと鬼刻召喚の巻ですねvvほんとのほんとにやっと書けますよ~゜。゜(>□<)゜。゜これから急激に登場人物が増えるので宜しくですvv<br> </p>
<p>―五―</p> <p><br> シャーン・・・</p> <br> <br> <p>涼しげに辺りに響きわたる 鈴の音。</p> <br> <br> <p>シャーン・・・</p> <br> <br> <p>なんて</p> <br> <br> <p>シャーン・・・</p> <br> <br> <p>――――――なんて、懐かしい。</p> <br> <br> <p>シャラシャラシャラシャラ・・・</p> <br> <br> <p>流れるように</p> <br> <br> <br> <p>・・・・響いてく。</p> <br> <br> <br> <p> 「――――――それは 本気か」</p> <p> 御簾の向こう側から聞こえた、困惑とも心配ともとれる現帝の言葉。無謀だという周囲の言葉をよそに俺は御簾の向こうを見透かすかのような強い意志をその瞳に宿し、きっぱりと言い切った。</p> <br> <br> <p> 「鬼刻召喚の儀式を致します」</p> <br> <br> <p> この宣言の直後、一瞬辺りは静寂に包まれた。・・・が、</p> <p>  「摩綺羅は第一皇子とこの樹那国を狙っております。一刻の猶予もありません」</p> <p>  「――――恐れながら。私にはどうもその話が作り話のようにしか思えませんが?」</p> <p> その場で静かに聞いていた上級貴族の者が明らかに蔑んだ瞳で俺を見、そう口にした。</p> <p>  「そうだっいくら神官だからといって言って良い事と悪い事がある!!」</p> <p>  「千年前に封印された筈の摩綺羅が現れただなんて・・・頭がおかしいんじゃないのか?」</p> <p>  「言い過ぎだ、神官殿はまだ子供なのだ。重い役職に幼すぎる年で就いたので張り切りすぎたのだろう?悪い事は言わない、今からでもいいから本当の事を話しなさい」</p> <p> 自分が想像していたものと寸分も違わない反応。一人が思った事を口にすると、次々と好き勝手に思った事を発言し始める。一人だと弱気でも集団となると途端に強気になる・・・愚かな人の習性。何故気づかないのだろう?それが、その事が、己の寿命を縮める要因ともなりかねない事に。</p> <p>  「――――ならば、現に第一皇子が意識を失って運び込まれ・・・3日経っても未だに意識が戻らないことはどう説明するというのです?貴族の皆々様方?」</p> <p> 「それはっ・・・!!」</p> <p> 俺の言葉に、数名が言葉に詰まる。するとその中の一人が意地悪く瞳を光らせて徐に口を開く。</p> <p>  「単に調子が悪かった・・・それだけではないのか?」</p> <p>  「・・・お言葉ですが右大臣、特に貴方には解かる筈がない」</p> <p> 「何?私の力を馬鹿にするというのか?」</p> <p> 威張り散らした態度をとる太い腹の右大臣に俺はふっと冷たい笑みを浮かべた。</p> <p> 「何が可笑しい?」</p> <p> 俺の小馬鹿にしたような微笑が気に入らなかったのだろう。右大臣は不機嫌そうに眉根を寄せる。</p> <p>  「・・・失礼。大臣があまりにも素晴らしい御言葉を御吐きになったので、感動の余りつい笑いが・・・」</p> <p> からかうようにして紡げばみるみると怒りで顔が真っ赤になっていく右大臣。俺はそんな様子を見、嘲笑って一言つけたした。</p> <br> <p> 「力のない貴方には、戒斗・・・第一皇子と私にあった人ならざる者の残り香に一度も気づかなかったでしょう?」</p> <p>「!!?」</p> <br> <p> そう、多少でも力のある者なら確実に気づく筈のその香りに気づかなかった・・・愚かな男。俺は絶対零度の微笑を向けると静かに御簾へと向き直った。</p> <p>  「命の危険があることは承知の上です。ですがこれは私たちだけの問題ではなく、この国の未来に関わる事です。たとえ駄目だといわれても私はやりますので、どうかご理解下さいますよう・・・」</p> <p> そして俺は深く頭を垂れる。きっと帝はもはや我が子同然に見守ってきた俺の申し出に、戸惑っているのだろう。暫しの沈黙が続く。</p> <p>  「・・・・・・・・ここで私が何と言おうとお前の決心は・・・変わらぬか?」</p> <p> 「はい」</p> <p> 「それなりの覚悟はあるのか?」</p> <p> 「はい」</p> <p> 「命の保証はないのだぞ?」</p> <p> 「承知しております」</p> <p>  「鬼刻の召喚は最も難しいとされている儀式。・・・出来るのか?」</p> <p> 「不可能ならばここで宣言することはありません」</p> <p> 「・・・お前が死んだら あれが悲しむぞ?」</p> <p> 「・・・・・私は 死ぬつもりは全くありません」</p> <p> ゆっくりと顔を起こし俺は揺るがない決意を胸に、御簾を見つめた。少しの間と微かに聞こえる小さな小さな溜息。そして帝は「そこまで言うのならば良かろう」と呟き、</p> <br> <br> <p>  「―――――神官に、鬼刻召喚と摩綺羅殲滅を命ずる」</p> <br> <br> <p> そう宣言した。俺は瞳を見開き、御簾を見つめる。途端に大きくなるざわめきに帝は文句は言わせない・・・と貴族を一蹴した。</p> <br> <p>  「そこまで言うのならば神官、自らの手でやってのけよ」</p> <p> 「―――――御意。」</p> <br> <p> そして俺は帝の俺への信頼と思いやり、そして我が子を思う愛情に気づき再び深々と頭を垂れて感謝の意を述べた・・・・。</p> <br> <br> <br> <p> 言い訳という名のあとがき。</p> <br> <p> や、やっとお話が動きだした・・・!!(ぇ)なんだか書きたいとこに行く前に別にどうでもいいところばかりつらつら長い気がするなぁ・・・(爆)反省は必ず、日々精進を心がけよう。うん。</p> <p> 次回はきっと鬼刻召喚の巻ですねvvほんとのほんとにやっと書けますよ~゜。゜(>□<)゜。゜これから急激に登場人物が増えるので宜しくですvv<br> </p>

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