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まほろば教

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まほろば教 / あさき


(Long Ver.)

―早朝 遠く離れた場所にて―


まほらがあるらしい

凝視! 巍々と鎮座!

海女たち
「誇らしげであるー!」

海霧の底で へばりつくのだが 何も無い


―では 夜まで待とう!―


風のひと
「ひゅるひゅる ひゅるひゅる」

おだやかな夜だ
ううーん!

ことごとく出てはいるのだが…
ううーん…

凝視! 注視! 熟視! 看視!

小声の海女たち(怯えた様子である)
「おいそれとは見えぬぞ」

もの並べて遠くに見ゆる

「ずんどこ ずんどこ どんどこ どんどこ」

遠くで何より臆病な心音が聞こえる


~一方その頃~


おだやかな夜だ!

波のひと
「どどーん! ずんどこずんどこ! ずんどこどこどん!」

嵐のひと
「びゅるる びゅるる!」

海女たち
「磯が伸びるー!」


「星の法典を作ってみたがどうか!?」

海女たち
「干珠で伸びるー!!」

海神様(の様であるが)
「誇らしげであーるー!!」

海神様(いや 鬼の類であった!)
「引きずりこむー!」

豁然とある宝全にて
深海を産み 昂然と反るのさ

              鬼言集より抜粋

海女たちは歌う
「ひゅるひゅるひゅるひゅる」

風のひとも歌う
「びゅーびゅー! びゅるる!」

悲愁の流人 波濤に爪立つ!

焼け焦げた雲が互いの顔色を伺い
彼を見下ろしている!

風のひとも体をまっかにして歌う!
「びゅー! びゅーう! びゅーう!」


「よいだろうよいだろう!
では 灼熱の虹でいけるか!?」

海坂歪み 燃える

手 伸びる 手
鬼 食らう 鬼

天心に! 一閃が! 海界に!

星が燃えている

海女たちは逆様になり 嗚咽している
海面より足を突き出し 懸命に月を蹴りあげている

同様に 彼の足も海面より突き出ている

時折 ものすごい早さで開脚をしているが
そのうち ぴくりとも動かなくなった


海は穏やかだ


―後の夜へ戻る―


破船よりまろび落ちる

海女たち
「よよと!」

新月の

海女たち
「思い詰めている」

長夜に迷ひてふらり

星頭の女性
「ああーん! ああーん!」

余波にはらわた数多見て


~或いはまたその一方で~


頭垂れし男性は影在り

双子の解説者
「どうやら潮境にて 篝火をたいている様子」

うーん…

自身の顔を暖めている ようにも見えるのだが
ここからではよく見ることが出来ない

「波掛け衣かにもかくにも 燃やして」

    星の法典「もののあわれを知る心」より抜粋

うーん…
何かを呟いているようなのだが
ここからでは聞き取ることが出来ない!

残念だ


―前の夜へ戻る―


海が荒れ始めている
海女のひと曰く
またあんだら男がここを訪ねてきたらしい

風のひと
「ひゅるるるる~」

嵐のひと
「びゅるるるる!」

風のひと(嵐のひとの真似をして)
「びゅるるるる!」

波のひと
「ずんどこどこ!」

海女のひと
「おはしまさふ!」

わたなかに火の道現るるより早く

鬼のひと
「神づまり!」


激怒している!
海神(偽物だが)は激怒している!
全身が蒼い色の炎で包まれている!


「海の法典を作ってみたがどうだ!」

海女たち
「おとろしや壊劫なりおとろしや!」

腸が凍る! 腸が燃える!


―星の法典より―


ああ えがみ月 せりあげし怒濤 渺茫と
底なしの欲得以てひかめき


―大宇宙の法典より―


宝前の忘れ 風むかひ 波むかへ あんだらよ


腹這いになり 魚の真似事をする海女たち
「かしこみ かしこみ…」

世を背き 夜 空に巣がく

怒 怒 怒 怒


怒!



恥辱のあまり正体を現した鬼たちが
彼を海の底へと引きずりこもうとした瞬間!

仏様(のようなひと)が暗澹たる中天より

すす すすす―

と舞い降り 凍りついた眼をこちらにむけ
千本ほどもある
ご立派な御手を差し出しているではないかー!

仰向けになり 大宇宙で踊る星々の真似事をする海女たち
「かしこみ かしこみ…」

海神様(どうやら「其のひと」と思われる)は
白目を剥いて口を大きくあけている

無様な鬼たちも同様に
白目を剥いて口を大きくあけている

臆病な海女たちも同様に
白目を剥いて口を大きくあけている


暗転



―干し魚のお面を被った男の切なるお伺い―


これより先に映し出された映像は早回ししてあり
また ふいに巻き戻され また中断されている
その上 何かはわからないが 映像全体を通して
赤い妙な滲みが非常に多く
まともに閲覧することは
困難なものとなっているのだ!
そこで ぜひ貴方が直接現地に赴き 体験し
そこで何が起こるのか
いやその時 何が起こっていたのか
あの男に何が起こったのか
是非私に伝えてほしい!
うーん! ううーん!!


―到達をして―


気がつくと 男は蒼色の砂漠にいた
小さな砂の山が
ぽつりぽつりと 点在しているのだが
そのうちのひとつの蒼い山の中腹にて
斜に端座している

まさか まさか まさか ここが!


「やったぞ やったのだ!
とうとう私は辿り着いたのだー!」

おめでとう!
おめでとう名も無き青年よ!
貴殿はとうとう到達したのだ!

男は興奮のあまり
白目を剥いて口を大きくひらき
一心不乱に蒼い大地を摩擦している

蒼いひと
「すやすや すやすや」

赤いひと
「すやすや すやすや こくり こくり」

投げ首の蒼い珊瑚礁たちが難渋している
投げ首の赤い珊瑚礁たちが呻吟している

白いひと
「しんしん しんしん」

紅雪を廻らす影のの遠く

男が時も忘れて魚の真似事をしていると
真赭色の着物を着た女性(のようなひと)が
近づいてくる

舌の長い女性(のようなひと)
「        」

うまく聞き取れない

男が端座しながら首をかしげていると

女性(のようなひと)は
自身の顔の皮膚をべろり!と剥ぎ取り
鉄と鉄が擦れ合うような 奇怪千万な声でこう詠った

顔の爛れたひと
「        」

途端 女の顔が 凍りつき 爆ぜ
億万の氷柱となって 男の眼球に突き刺さる

生死長夜だ!

大宇宙の中心へところげ落ちる男
「あ~あ~ あ~ ああ ああ~ ああ~んああ~ん」

男の顔は凍りつき 手からは炎が 足からは炎が
全身から炎が 業火が 焔が!

ひ ひ ひ が ~~~~~~

そして口からは大量の火虫が吹き出している!

役者たちは変わらず 白目を剥いて
口を大きくあけている
其の口からは大量の火虫が吹き出ている

火虫は凍りつきながら 天へ昇り
大宇宙に燦然と輝く星々に繭を作り
億万の其れは大銀河を形成し
遍く生物待望の大海原として擬態し
またこの世界へと還ってくるのだ

ざんねんなことだ
もう還れない
かなしいことだ
もう戻れない

四劫の輪廻へようこそ青年よ!

はっはっは まほらなどなかった!
なんとも 愉快痛快な結末ではないか 青年よ
はっはっは 青年よ はっはっは
そうだそうだ そこの君たちも笑ってごらん


「はっはっは!」

そこの君たち
「わっはっは!」

私たち
「あっはっは!」


―篝火を焚き 祭祀するひと曰く―


「ああ まほらなどなかったのだ」


―砂漠へ戻る―


そうだ まほらなど なかったのだ

全てに等しく 無は語りかけ 有と誘い
また無に還る

それだけのことだ

ざんねんなことだ


浮夜の海往く
月掛かりの 過ぐ世とも 思ひ
涙の底惑いながら 躓き蹲りながら
欠け細る残月の波を舐めずり 漣に消ゆ

         大宇宙の法典「ひと」より抜粋

「ひゅるひゅるひゅるひゅる」

是 触れるべからず


―あとがき―


二つ頭の魚のお面を被った男
「先ほどはうんぬんかんぬんとお伺いをたてたが
勘のするどい私は
そのお伺い 遠慮をすることにするよ!
失敬! ははは!」

そうだ

真実に触れてしまった貴方もまた
あの男のように
もはや救われることはないだろう

永遠に
永遠に
永遠に
永遠に
永遠に
永遠に
永遠に
永遠に

永遠に救われない

ざんねんなことだ


               つづく

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