ああ、自分はこの仮面を守りたいんだ。 ”現実”に生きている自分の仮面を。 大学に行き、研究し、就活をし、人と付き合い、創作をし、生活していくこの仮面を。 あれを認めてしまったら、嘘がばれてしまう。 本当は、そんなものに意味を見出していない。 ただ、”やらなきゃならないもの”だから、 だからやらなければ、それをできる仮面を作らなければ、 でなければこんな顔をしてやってなどいられない。 やらなければ、外れてしまう。 自分にはやる義務がある。 過去の間違いを繰り返す気か? やる義務がある、選ぶ義務があるんだ!! 「苦しい」「何で」 そんな甘ったれたこと言うな。 誰も皆苦しいんだ。お前はやらなきゃならないんだ!!! !!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 心の奥に吹き上がるものがある。激しい怒り?爆発しそうだ。 思いっきり罵声を浴びせたくなる。誰にともなく。いや、甘ったれな自分に。 自分に対し罵声を浴びせる。何故か笑いがこみ上げてくる。  - - - - 今の自分は本心だろうか。 逃げたいと思っている自分は本心だろうか。正しいのだろうか。間違ってはいないか。 従っていいのだろうか。 怖い怖い。「甘ったれるな」そう叱られる。生きてはいけない、 怖い怖い。 それを、逃げたいという心を否定しなければならないんじゃないだろうか。 否定すること、いや否定でなくとも、それに耐えつつ生きていかなければならないんじゃないだろうか。 少なくとも、そう教えられて生きてきた。 ああ、 「何でこんなことを」「何の意味が」常にそう思っていた昔。いや今もたいした違いはないのか。 今は、何とか生きていけそうだ。 苦しみの中のささやかな幸せ。人とふれあい、喜び、悲しみ。 苦しいことも多い。いや苦しいことの方が多い。 でも喜びもある。 あると思う。 その喜びに従える?素直に。それでいいと思える? それを考えてしまったら、これまで必死に創り上げてきた仮面がはがれる。 仮面がなくなったら昔に戻ってしまう。 何でこんなことを、日々それを考え、周りとなじめず、独り孤独で。 周りから白い目で見られ、”生きていない”自分に。 そんなことは考えないほうがいい。 そんなことよりも、今どうやって生きていくか、この世界で現実でどうすれば良く生きられるか、 それを考え”現実を受け入れて”生きることが。 じゃあ今は生きている? その振りをしているだけじゃないのか? こんなことを書いていると、普段は何気なく当たり前と思ってる、 負けないこととか、強く前向きに生きることが、それが当たり前でない、 それが別段、”正しい”わけではない気がしてくる。 だめだ、自分は事実を見るのではなく、ただ「楽になりたい」「逃げたい」と思っている。 何も考えず、誰とも接することもなく独りで生きていけたら、と。 声が聞こえない。 弱気な思い込みにが前面に出て、心の奥が、事実が見えてこない。  - - - - いい加減にしてくれ! 就活しなきゃならないんだよ、いい加減。 そんなこと考えてたら、できないだろ! 頼むからもうよしてくれ。 逃げるわけにはいかないんだ、やらなきゃならないんだ。 やる義務があるんだ! そんな事を考えて、一日中うなって、何もできていない、そんな無駄な ”そんな無駄な”ことは、ことは、、 そんな無駄な、 無駄、 無駄、 無駄、 、、Dio様ではない。 冗談はいい。 無駄、か。 寂しいな。 ”そんな無駄な”、この言葉に心の中で大きく揺れ動くもがある。 自分にはやるべきこととがあるんだ、そんな無駄なことはやってられない。 また動いた。 無駄じゃないと言いたいようだ。 大切なことだ。 やらなきゃならない?すべき? 何か違う。声が聞こえない。 でも、この声も、自分を守りたいだけな気もする。 そういう”苦しんで考えること”が、既に自分の一部となっている。 それを否定されるのは我慢ならない、か。 ぐるぐるぐるぐる心が揺れ動く。 いや、感じるものが変わる。 10秒前、本心だと思って、実感を持って書いたことが、 今ではもうその心が分からない。何を思って書いていたかが。  - - - - 「さっさと助けてくれ」 いや、助けてくれるものなどいない。自分の問題。誰かが何かしてくれる訳がない。 それに、助けてもらう気さえないんだろう。 ただ文句を垂れているだけで。 何時から自分は考えることをやめたのか。 これが正しいはずだ、こうあるべきだ。そう思い、焦り、自分の心がそのようになるように当てはめて。 確かなことが分からなくなったのは何時からか。 自分の疑問が分からなくなったのは何時からか。 昔、学校で国語の教科書にある文の中で、分からない語句を調べてくる、ということがあった。 自分は、「大体分かるさ」と感じ、2-3の語句を調べただけだった。 が、先生に文中の調べた語句以外の語句の意味を聞かれ、分からなかった。 それから、文を読み「これの意味は」と自問して、分かるかどうか考えるようにした。 自分は、分かっていたのか。 分からないままで、疑問を持ったままで、なあなあにして、それで一体何をしようとしていたんだ? ただ、それが求めるものだと思ったから、、。 自分をそれに近い、”優れた者”だと思いたかったのか? あかん、末期症状だ。「実際、自分は優れているだろう」だとよ。 この馬鹿は。 馬鹿、か。そう吐き捨てることで、自分の外に置くのか? 「助けて」なんて言う資格もない。 少なくとも、向き合わない限りは。 そして、「向き合わない限りは」と思っている限りは。 未だに頭がぼけている。分からないことが分からない。  - - - - この文章は自分向けではない。明らかに自分以外の誰か、読み手を想定している。 これを書いているのは、きっと、寂しいからなんだろう。 自分はこうだ、こんな人間だ、こんなことを考えている、 それを、誰かに知って欲しい。 特に、偽りの自分を見せている人に。 けれど、そうしたら、その人と仮面の自分とは付き合えないかな。 今の、一人の自分との付き合いなら出来るだろうけど。 いや、若しくは何事もなかったように、か。 あ、あと「甘えたい」「言い訳したい」もある。 自分はこんなに苦しんでるんだから、まあいいだろ、って感じだ。 仮面の自分、か。普段の自分が仮面なら、今の自分も仮面だ。 付けている物が違うだけで。