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16.グレゴリオ聖歌

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グレゴリオ聖歌

(釘本)


初期キリスト教聖歌は、ユダヤ教の伝統を受け継ぎながらキリスト教独自の要素を加えて、3世紀から4世紀にかけて整えられた。
 そして紀元後約1000年間、様々な地域で独自の発展を遂げる。
  • ビザンツ聖歌・・・・すべての単旋律聖歌に大きな影響を与えた。後にギリシア正教会の聖歌になる。
  • アンブロシオ聖歌・・・4世紀のミラノ司教の名から名づけられた。
  • ガリア聖歌・・・・8世紀までフランク族が用いた聖歌。
  • モサラベ聖歌・・・・スペインで歌われた古い地方聖歌。
  • グレゴリオ聖歌・・・・ローマで歌われ、ローマ式の典礼で用いられた。

 これらを統一しようと試みたのが、教皇グレゴリウス1世である。6世紀末より、教皇グレゴリウスの教会統治の下で聖歌は集められ、典礼用に標準化された。よって、それぞれの単旋律聖歌の特徴的な部分は抑圧されていった。それでも、完全に聖歌方言を抑圧することはできず、結局は古代末期から中世全般にかけて、いろいろな地域の音楽的要素を取り込み、同化し、融合していった。

グレゴリオ聖歌は、もともとはローマで歌われる一地方の聖歌にすぎなかった。しかしローマがキリスト教世界の中心地になっていくと同時に、西欧全ての単旋律聖歌の中心的な聖歌となっていった。よって、現在は「グレゴリオ聖歌=全ての単旋律聖歌の代名詞」として使われることも多い。




グレゴリオ聖歌の一般的特徴
  • Monophony・・・・和声や対位法をともなわない、単旋律の音楽。
  • 教会旋法に基づく
  • a cappella・・・・楽器の伴奏をもたない。
  • 小節数や拍子記号を用いない
  • 柔軟なリズム
  • ほとんどが順次進行・・・・ある音が音階の隣り合った音、つまり2度上または、下へ進行する。
  • 音域の限定(8度以内)
  • ラテン語の歌詞・・・・180年ごろに形成された教会のラテン語が用いられる。主に聖書、その中でも詩篇がよく用いられた。
  • ネウマ式記譜法・・・・旋律の動き、演奏上のニュアンスを具体的に目に見える形で示そうとしたもの。
  • ローマ・カトリック教会の公式典礼音楽
  • 没個性的・客観的・来世的



グレゴリオ聖歌の分類の仕方として、音符と音節()に基づいたものがある。
a)音節的・・・・歌詞の1シラブル(音節)に対して、旋律の1音符があてられる。                     
b)ネウマ的・・・・歌詞の1シラブルに対して、旋律の2~4個程度の音符があてられる。
c)メリスマ的・・・・歌詞の1シラブルに対して、旋律の多くの音符があてられる。                    
d)朗唱的・・・・ある一定の高さの音をひたすら繰り返しながら、その1音1音に歌詞のシラブルをのせる。

  • 音節(シラブル)・・・・1個の母音を音節主音(おんせつしゅおん:syllabic)とし、その母音単独で、あるいはその母音の前後に1個または複数個の子音を伴って構成する音声(群)で、音声の聞こえの一種のまとまり。

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