05年度AD3年口頭試験キーワード

21.シンフォニア

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・シンフォニア sinfonia[伊・英・独・仏]

 「シンフォニア」という用語は、時代によりその意味する内容が異なる。初期バロック時代には、オペラ、オラトリオ、カンタータなどの声楽作品中における器楽曲は一般にシンフォニアと呼ばれていた。これらは通常、オーケストラで演奏される短い曲で幕開き、場面、アリアなどへの序奏のように、多くの場合導入的性格をもつものであった。一方、純粋な器楽曲でもオーケストラ組曲の第1曲(序曲に相当する)などは、シンフォニアと呼ばれることがあった。
要するに、シンフォニアは当時の、導入的性格をもつ器楽曲一般に用いられた名称の1つである。

17世紀末には、A・スカルラッティにより始めて急-暖-急という配列の3楽章形式の序曲をシンフォニアの名で書いた。その後、この形による楽曲が序曲でなく独立した曲として演奏されるようになり、マンハイム楽派のシュターミッツやカンナビヒにより、4楽章制のシンフォニー[交響曲]へと発展していった。そして、古典派により交響曲の形式は一応の完成を見た。
 交響曲は原則として4つ程度の楽章によって構成され、そのうちの1つの楽章がソナタ形式であることが一応の定義であるが、例外はきわめて多い。
 ハイドン、モーツァルトの交響曲形式の標準的なこのを次に示す。

第一楽章:ソナタ形式
第二楽章:緩徐楽章
第三楽章:メヌエット
第四楽章:ソナタ形式またはロンド形式

 ベートーヴェンは、メヌエットをスケルツォに変え、古典派の交響曲の形式を完成させた。

※緩徐楽章:速度のゆるい楽章で、とくにソナタやシンフォニーなどの第2楽章の場合が多い
※メヌエット:フランス曲等の、ゆったりとした3拍子の葬曲
※スケルツォ:ベートーベンがメヌエットの代わりにソナタ、交響曲、四重奏曲(まれに協奏曲)の第3楽章に採用した、3拍子の快活な曲
※古典派音楽:18世紀後半を中心とする、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンに代表される音楽


・マンハイム楽派

 マンハイム楽派は、18世紀ドイツでマンハイムを首都とするプファルツ選帝候のカール・テオドール(1724-1799)の宮廷楽団を中心に活躍した作曲家達を指す。モーツァルトも、この楽派の影響を大きく受けた。マンハイム楽派はクラシック音楽における「交響曲」の成立に数多くの貢献をした。それまでの急-暖-急の3楽章からなる構成から、4楽章形式に変更した。


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