小倉へ

この手紙をもって僕の建築士としての最後の仕事とする。
まず、建築偽装発覚の原因を究明するために、頭皮アドバイザーの募集をお願いしたい。
以下に、偽装工作についての愚見を述べる。
コストダウンを考える際、第一選択はあくまでスッポリであるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には神田川の場合がそうであるように、着用した時点で生え際の不自然をきたした進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、髪を引っ張らせるなどの強がりが必要となるが、残念ながら未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの偽装の飛躍は、植毛以外の発展にかかっている。
僕は、カツラがその一翼を担える数少ない髪の毛の変わりであると信じている。
頭髪を持った者には、それを正しく振り乱す責務がある。
小倉には日本、はげは世界の発展に挑んでもらいたい。

遠くない未来に、強風を恐れての引きこもりがこの世からなくなることを信じている。
ひいては、僕のそれを皆の研究材料の一石として役立てて欲しい。

カツラは活ける髪なり。
なお、委員会出席の際、カツラのミスチョイスにより浮きまくるを心より恥じる。

アネハ

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