岡嶋二人氏の作品を読むのは、「どんなに上手に隠れても」に続いて2冊目です。今回の「99%の誘拐」といい、岡嶋氏の作品には、つい「…ん?」と手に取りたくなってしまうタイトルが多いような気がします。「三度目ならばABC」とか、「開けっぱなしの密室」とか。
さて、このあとに あらすじや感想が続く予定なのですが、今夜はちょっと頭がズキズキするので(風邪がぶり返したか、それとも アトラスの新作「デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団」のやりすぎか…)、続きは明日に。すまんです。
(以下後日追記)
この作品「99%の誘拐」は、「ある男の手記に残された、8年前の誘拐事件の記憶。そして12年後、その事件を模倣したかのような誘拐事件が起きて…?」という感じの物語です。
「誰が犯人なのか?」「犯人の目的は何か?」などを推理しながら読み進めていく、というのが一般的なミステリですが、この作品は 犯人の視点から事件の進行が描かれていく形式(「倒叙式」)が取られているため、「誰が犯人なのか?」はかなり序盤で明らかになります。
そのため、主な謎は「8+12年に起きた誘拐事件の不透明な部分」、そして「犯人の目的」や「(犯人視点で描かれているにも関わらず、すべてがリアルタイムで明らかにされるわけではない)犯人の手口」などになっていきます。
そのため、主な謎は「8+12年に起きた誘拐事件の不透明な部分」、そして「犯人の目的」や「(犯人視点で描かれているにも関わらず、すべてがリアルタイムで明らかにされるわけではない)犯人の手口」などになっていきます。
それらの謎の奥行きもさることながら、犯人が明かされているが故の緊張感(「失敗するんだろうか…?」というドキドキ感)、時折混ぜられる非犯人(被害者や関係者)たちの視点及び彼らの心情、クールかつスピーディーな犯人の行動、そして 過去の事件と現在の事件を繋ぐ因縁…etc.に、もうほんと、ありきたりな表現ですが「読み始めたら止まらない」一冊でしたよ!
そういえば、以前「どんなに上手に隠れても」を読んだときは、各登場人物の外見的特徴に関する描写が少なくて、各人物の識別や 頭の中での映像化にやや苦戦した記憶があるのですが、今作では(描写の少なさにはあまり差がないにも関わらず)そういったことを意識せずにサクサク読んでしまいました。それだけ、各人の(外見以外の)特徴や細部が 豊かで印象的だったということなのかしら…。
それではなりたさん、「い」でお願いします!