キモ姉&キモウトの小説を書こう第二保管庫@ ウィキ
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キモ姉&キモウトの小説を書こう第二保管庫@ ウィキ
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2016-06-14T18:42:11+09:00
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僕の姉ちゃんがAVに?
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511 : 僕の姉ちゃんがAVに? ◆3AtYOpAcmY 2016/04/14(木) 18:42:19.71 ID:jf9MMOFl
きっかけは、彼女の失踪だった。
長く付き合っていて、なおかつ深く愛し合い続けていた、俺の恋人。
その彼女が、帰宅途中に突然姿を消した。
警察も、彼女の家族も、そしてもちろん俺も、必死に四方八方を探し回ったが、行方は杳として掴めなかった。
「姉さん……」
「大丈夫? ほら……」
姉さんに抱きしめられ、漸く俺は張り詰めた心を解きほぐすことができた。
発狂しそうな悲嘆と絶望から、帰ってくることができた。
同時に、どこかで生きている、そういう希望をもって、再会できるその日をじっと待つ、そういう覚悟を持つことができた。
512 : 僕の姉ちゃんがAVに? ◆3AtYOpAcmY 2016/04/14(木) 18:43:08.03 ID:jf9MMOFl
しかし現実は残酷なものだ。
男の生理現象というものは、眩い想い出を胸に抱いていても、抑えつけることができないものだった。
「あら、おでかけ?」
「ああ、ちょっと」
姉さんからの問いかけに、言葉を濁して、玄関を後にする。
アダルトビデオを借りるためにレンタルビデオ店に向かうところだったのだから、男は大抵が同様の反応をするだろう。
そして店に向かい、コーナーを区切っているカーテンをくぐると、お目当ての品を見繕う。
しばらく吟味したのち、良さそうなものを見つけ、レジに持って行った。
家に戻り、早速デッキにDVDをセットする。
そして再生したのだが、1番目の女優はハズレだった。
「駄目だ、飛ばそう」
早送りをして、次の子が出てくるのを待つ。
「乳首が黒すぎるなあ……、これも飛ばそう」
再度早送りをして、3人目に期待をかける。
だが、そこに出てきたのは、信じられない人物だった。
『Hとか好きですか』
『どちらかと、言わずとも好きです』
俺は、息を呑んだ。
「ね、……姉さん!!??」
そこに映っていたのは、俺の姉さん、そのひとだったのだから。
『おっぱい大きいですね』
『普通ですよぉ』
『
2016-06-14T18:42:11+09:00
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無くて七草
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501 :無くて七草 ◆3AtYOpAcmY :2016/01/07(木) 14:40:46.32 ID:XwPDU806
「出来ましたよ、兄さん」
軽快な声とともに、用意ができたことを告げる我が妹。
俺は、パブロフの犬のようにリビングへと向かう。
こういう特別な日の朝食は、いつにも増して楽しみである。
こうして料理と向かい合って座っていてもその急く気持ちは収まらない。
だが、挨拶もなしに手を付けるほど俺たち兄妹は不躾に育てられたわけでもなかった。
「戴きます」
「戴きます」
そう言って、食事を始める。
ただ、俺は、麺や雑炊、茶漬け、そして粥の類を掻き込むようにして食べる悪癖――癖、というと少し大袈裟すぎるかもしれないが――がある。
あっという間に平らげてしまうと、妹はやっと半分強を食したところらしかった。
「ご馳走様」
「もう食べ終わってしまったんですか」
少し呆気にとられたかのように俺を見つめてきた。
「おう」
と満足して応じると、妹は対照的に不服気な顔で返す。
「もう少しゆっくり食べないといけませんよ」
「気を付けるよ」
息を吐きながら、それに一応の首肯をした。
食後、妹が淹れた玉露を飲みながら、他愛ない話に興じていた。
「父さんと母さんも一緒に過ごせればよかったんだけどなあ」
御用始めに間に合うように任地に戻った父、そして今回の赴任では俺らがある程度の家事をこなせるようになったことを理由に、父についていった母を思い浮かべる。
「しょうがないですよ、お仕事なんですから」
「ああ、そうだ、……なっ…………!?………………?」
湯呑を持ち上げ、もう一口飲もうかとした時だった。
502 :無くて七草 ◆3AtYOpAcmY :2016/01/07(木) 14:41:36.23 ID:XwPDU806
突然、動悸が激しくなり、湯呑を落とし、そのまま椅子から崩れ落ちてしまう。
「きゅ、きゅう、……」
救急車を呼んでくれ。
そう頼もうとして妹の顔を見ると、これまで見たこともないような悪党そのものの笑みを浮かべ、こちらを見つめて
2016-03-14T21:22:39+09:00
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エピローグ 10 years after
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421 :エピローグ 10 years after ◆3AtYOpAcmY :2014/11/24(月) 18:11:12.69 ID:555tl0TQ
そこには、白御影石の墓碑が故人を偲ばせるかのように毅然と存在していた。
清次は姉――いや、今や彼の番(つがい)でもある――を説き伏せ、彼女とその間に生まれた子供を残して一人で墓参に訪れていた。
彼の亡き友人、半川操の命日だからである。
静かな墓地を黙々と歩きながら、物思いに耽る。
(わがままな奴だ、墓参りひとつ勝手にさせてくれないんだから)
淳良のことに考えが及んでいた。
(今日はあいつとは寝てやるもんか。晶菜の所に行ってスッキリしよう)
ついでに、いかに今夜過ごすかの計画を決める。
(俺が篭絡されて、美月には「年貢の納め時」「ツケを払わされた」と揶揄されたっけ)
石畳の参道を進んでいく。
(家族以外もみんな似たり寄ったりで……。
心から同情してくれる奴がいたとしたら、そう、)
目的とする墓の前にたどり着いた。
(ソウくらいだろう)
その墓碑銘に目を移す。
「半川家之墓」
操と翼を含め、半川家の人間が入った墓である。
そこに、彼はやるせなさを感じる。
操は、遺書の中で、亜由美と一緒の墓に入りたいこと、翼とは一緒の墓には入りたくないことを記していた。
しかし、結果として彼のその要望は聞き入れられなかった。
悲嘆が思わず口をついて出る。
「気の毒に……」
独語し、合掌する。
買ってきた花を供えた。
紫苑や霞草、ジャーマンアイリスを中心とした花束だ。
「まあ、自殺でも墓を建てさせてくれるだけ、耶蘇教よりはマシか」
と、自分もカトリックであることを忘れているかのように再び独語し、水を柄杓でかける。
墓石が水を浴び、潤っていく。
それを済ませると、線香に火をつけ、線香立てに供える。
再び合掌し、それに続いて拝礼する。
顔を上げた清次は、おもむろに語りだした。
「そっちではどうしてるかい?
天国か地獄かはともかく、あっちでは篠崎と二人でいられたらいいな。
情けないことだが、俺は姉貴に組み敷かれてしまってるよ。
驚いているか? 俺
2015-12-03T12:52:54+09:00
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後篇 Coucher
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400 :下篇 Coucher ◆3AtYOpAcmY :2014/09/11(木) 15:09:21.41 ID:hZvwEcfZ
その日、清次はひたすらビジネスに打ち込んでいた。
自らの勉強を間に挟みつつ、時には休憩も取りながら、世界中で展開されている事業の決定を下していくと、もう日がとっぷりと暮れていた。
今掛けている、海外への社用の電話が、その日の最後の仕事である。
「Ja, lehnt die Gewerkschaftliche Forderung nach Lohnerhöhung ab.」(ああ、労働組合の賃上げ要求は拒否しろ)
電話先に告げ、切る。
折りよく、彼のメイドが部屋の戸を叩いた。
「清次様、失礼します」
「入れ」
それに従って入室した彼女は、簡便に伝える。
「夕餉の支度ができました。食堂にお越しくださいませ」
「わかった、すぐ行く」
そのようにして、彼は自らのメイドを追いかけるような形で――性的な意味で女の尻を追うことは彼の日々の営みだが――食堂に向かった。
キリキリと専用のフォークを回しながら、清次は尋ねた。
「それで? そのお方はどなたなんだ?」
そう聞き、トングで殻を押さえながら取り出した身を食す。
今日のオードブルはエスカルゴのブルゴーニュ風である。
ニンニクや種々のハーブ(ハーブといってももちろんパセリやセルフィーユなどの普通のものであり、昨今流行の脱法品ではない)が良く効いて、こんがりとカソレットに盛り付けられた温前菜(アントレ・ショード)。
「まだわからない? 私たちのお姉様よ」
それを聞いた時に、彼がグラスの中のモンラッシェを一気に乾したのは、脂ぎった自らの口を洗い流すためだけではなかっただろう。
そして、真後ろに控えているソムリエにワイングラスを突き出し、指示を下した。
「注(つ)げ」
それを受けて、彼はグラスに先ほど彼の主人が飲んでいたものと同じブルゴーニュワインを注いだ。
特に変えろといわれない限り、同じもので通す。清次のいつもの飲み方だった。
指示通りに白ワインで満たされたグラスを渡され、一口飲んでから、それを置く。
そして、平然とした様を保ちつつ、先を促した。
「ほう、
2018-07-14T17:06:29+09:00
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中篇 Pic
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349 :中篇 Pic ◆3AtYOpAcmY :2014/06/09(月) 17:08:46.49 ID:mf4/AQms
ある夜のこと、パーティーに参加していた清次は、ふと何の気なしに辺りを見回した。
すると、相客の中には見知った顔があった。
「忠希さんもいらっしゃったんですね」
声をかけると、相手も気づいて言葉を返してきた。
「やあ、清次くん。久しぶりだね」
その男は、年の割に艶やかな黒髪を保っている。
「変わったことはあるかい?」
「ええ、大過ありません」
と、逡巡を秘めつつ答えた。
「そちらこそ、どうなんですか」
と尋ねられ、待ってましたとばかりに話し始める。
「ああ、この間、孫が生まれてなあ」
そう言いながら、胸元から2枚の写真を取り出す。
「ほら、こっちが由貴乃の子で……、この子が和奈くんの……、……」
聞きながら、ふとひとつの考えが清次の中に浮かぶ。
「……な、可愛いだろう」
だから、それをそのままに口にした。
「忠希さん。今、幸せですか?」
言われた彼は、きょとんとした表情を浮かべながらも、ラ・パリスの真理とばかりに、即座に答えた。
「ああ、幸せだよ」
問うた彼もまた解せずに、問いを重ねた。
「どうしてですか?」
「どうしてって、幸せでない道理がないだろう?」
穏やかに返した忠希に、彼はさらに疑問を投げかけようとした。
(いや、やめとこう)
しかし、その考えを口の端に上らせずにおいた。
(今の俺に、それを口にする資格はないからな……)
彼の脳裡には、昔日の自分が浮かび上がってきた……。
* * * * *
とある朝の八雲家の食堂。
雇われている料理人の食事を食べるのが清次だけなのは変わりないが、今日は少し違うことがある。
350 :中篇 Pic ◆3AtYOpAcmY :2014/06/09(月) 17:09:29.15 ID:mf4/AQms
普段、この食堂では朝酒を許されていない。
「朝から酒臭いのは御免蒙る」という家族の、特に聖理奈や美月の主張によるものだ。
それはごく当たり前の言い分なのだろうが、「朝シャン」の好きな彼にとってはひどく理不尽な仕打ちのように思
2015-12-03T12:30:44+09:00
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前篇 Lever
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311 :前篇 Lever ◆3AtYOpAcmY :2014/03/03(月) 17:41:26.86 ID:ItcVevyN
「ああ、あんたか。
そうそう、その場所でぶつけて、担ぎ込むんだ。
死んだら? 死なん方が厄介はないだろうが……死んだら死んだで構わんよ、あんな奴。
どうせ金を巻き上げるだけのろくでなしだ。
まあ、どうなるにせよバックアップは完璧にやるよ。
運び込んだらそっからは任せればいいから。
もうないか? そうか。
じゃ、しっかりやれよ」
朝、メイドに揺さぶられてようよう八雲清次は目を覚ます。
「朝、か……?」
「はい、もう食事ができてますよ」
「つっつっ……」
彼は右手で頭を押さえた。鈍い頭痛が止まないのである。
その素振りに、彼女は釘を刺す。
「だめですよ」
そして、着替えさせるためにパジャマを脱がそうとしてくる。
「やめろやめろ、自分でできる」
「無理にでも食べなくては」
ボタンを一つ一つ外し、替わって彼女が手にする制服を着る。
「大体、毎晩あんなに飲むからいけないんです」
「俺にとってはあれが適量だ。そんなことは問題じゃない。
頭痛の種は、わかっているだろう?」
彼はそう言って、彼女がポケットから差し出してきたノーシンを押し返し、部屋を出た。
食堂に入る。
文字通りの頭痛の種だ。
彼の家族である二人の女が、これまた彼の家族である二人の男の隣に座り、それぞれ「はい、あーん」と朝食を食べさせていた。
男は、彼の父圭次郎(けいじろう)と、彼の弟である三陽(みはる)。
圭次郎に食べさせているのが彼の母聖理奈(せりな)で、三陽に食べさせているのが清次と三陽の妹である美月(みつき)。
彼の父と母、弟と妹は二組とも兄妹である。
そして、兄妹でありながら、情交を結ぶ恋人同士の関係になっているのも同じ。
物心ついた時からずっと、彼はそれを嫌っているが、だが言ったところで聞かないだろうというのは目に見えていた。
だから、彼も敢えてそれを止める気もない。
止める気がないからといって、それが不快な光景であることには変わらない。
その鬱憤を紛らすためもあって、清次
2015-12-03T12:22:22+09:00
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下篇 Depravación
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274 :下篇 Depravación ◆3AtYOpAcmY :2014/01/07(火) 19:49:22.05 ID:xfif4/8c
部屋に戻り、希一郎はベッドの上に死んだように倒れた。
その時、部屋の電話が鳴り響く。
疲労困憊しつくしていたが、それでも何とか受話器の下に向かう。
「Hello, this is Kiichiro Sakai speaking.」(もしもし、酒井希一郎です)
手にすると、回線越しにサンドハースト仕込みのクイーンズイングリッシュが聞こえてくる。
『Hi, Kiichiro. Hugo Dictador.』(やあ、希一郎。ウゴ・ディクタドールだ)
ディクタドールは陸軍に所属していたが、連隊長だった時にクーデターを図って失敗、除隊後に大統領選に出馬して当選し、現在に至るまでその職にあるという経歴の持ち主であった。
社会主義者ではあり、近隣諸国の反米的な主張に賛同したりしつつも、留学を経験したエリート軍人であった前歴からか、現実的な側面があり、ラディカルな政策からは一線を画している。
経済界とも融和的であり、あるボリビア財界の大立者は「アカが大統領になって困ったなと思っていたが、案外理解のある奴でよかった」と密語するなど、南米の左翼指導者の中では異色の存在である。
「Thank you for calling all the way to me, señor Presidente. What's happened?」
(わざわざ電話をかけてきてくださってありがとうございます、大統領閣下。どうしましたか?)
『Have you already heard the news?』(ニュースはもう聞いたか?)
「News? Ah, it's the jet...」(ニュース? ああ、ジェットが…)
今ニュースはジェット機の墜落事故で持ち切りである。そのことだろうとすぐに合点し、返答しようとした。
が、その刹那、信じ難い言葉が続いた。
『I shot it down as you ordered.』(言われたとおり撃ち落としたぞ)
希一郎は言葉が固まった。
『I was terribly distressed when you asked t
2018-07-14T17:00:18+09:00
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中篇 Choque
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263 :中篇 Choque ◆3AtYOpAcmY :2013/12/25(水) 21:09:35.00 ID:2PMH39xR
「おはよう、希一郎」
彼は和奈によって起こされた。
昨晩は契約内容について由貴乃からレクチャーを受けていた。
部屋に戻った時には深夜になっていたため、やはり彼女は先に寝ていた。
飲みかけのコーヒーが机の上に放置されてあったくらいだから、余程眠かったのだろう。
しかし、そのおかげで自分の恋人に起こしてもらうという恩恵に浴することができたのは、彼の密かな喜びであった。
「さ、今日は大事な契約の日でしょ。早く起きなきゃ」
そういって彼の下に寄ってくる彼女は、淹れたてとおぼしきコーヒーが注がれたカップを両手に持っている。
「うん、ありがとう。……って、あれ、それは……?」
彼は男物のように見えるワイシャツを素肌の上から羽織っていた。
「ん、ああ、ごめんなさい。希一郎のシャツを借りちゃった」
「いや、構わないよ」
そういって、ソファに座り、彼女に向けて手を差し伸べる。
「じゃ、貰うよ」
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
コーヒーを二人で味わう。
おもむろに、和奈が話し始める。
「昨日はごめんなさい」
「昨日?」
話の趣旨が掴めず、疑問を呈する。
「希一郎が帰ってくるまで起きていようと思ったんだけど、急に眠くなっちゃって」
「ああ、何だ、そのこと。
そんなのいいよ、ちゃんと和奈が睡眠をとることが大事だから」
「それもあるけど、ひょっとして、私と、……その……」
と急にもじもじする。
「終わったら、……『して』くれるかなって……」
言い切った彼女は、耳まで赤くなっている。
「ああ、そういうこと」
対する彼は、合点がいったというような表情である。
「ちゃんと仕事を片付けて、フランスに行ったら、そこで……」
彼女が肯く。
「ずっと一緒なんだから、焦ることはないよ」
「うん、ずっと一緒」
どちらともなしに、唇が近づき、そして触れ合う。
先ほどまでコーヒーを飲んでいたが、その接吻の味は互いにとってとても甘いものだった。
ホテルの車寄せのところで待つことしばし、大陸鉱業が
2018-03-14T21:20:55+09:00
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上篇 Cena
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245 :上篇 Cena ◆3AtYOpAcmY :2013/12/01(日) 17:32:07.70 ID:011UbRL5
※……この話は架空のものであり、実在する人物、団体、事件、国家などとは一切関係ありません。
また、作中において、現在施行されている実際の法制度とは違う点がありますので、ご注意ください。
ボリビアはラパス近郊にあるエルアルト国際空港にジェット機が降り立ったのは、現地時間で午後2時頃のことだった。
とはいえ、この空港は4000メートル以上と世界最高の標高に位置しており、折悪しくその日は一段と冷え込んでいた。
「寒いね」
タラップを降りつつ、酒井希一郎(さかい きいちろう)は傍らにいた、幼馴染であり、恋人である長野和奈(ながの かずな)に声をかける。
「寒いね。息が白い」
希一郎が言われて息を吐き出してみると、確かに白い。
「だから」
と、和奈は彼の手を取った。
「車に着くまで、暖めてあげる」
アルゼンチンに生まれ、中南米を股に掛けて活躍した革命家エルネスト "エル・チェ" ゲバラが戦死した国、ボリビア。
キューバのカストロ議長、ニカラグアのオルテガ兄弟、エクアドルのコレア博士などラテンアメリカ諸国に多くみられるように、ここでも「21世紀の社会主義」を標榜する指導者が国家を率いていた。
同時に豊かな天然資源を持ちつつもそれを活用しきれず、現在に至るまで貧しいままの国である。
そのような状況を打破すべく、この国の現大統領は鉱産物の生産に力を注ぐ方針であり、左派政権でありつつも先進国の資本や技術の導入に大きな理解を示していた。
その筆頭として挙げられる重要なパートナーが、酒井家の営む大陸鉱業であった。
大陸鉱業は幅広く鉱産資源・エネルギー資源の探鉱、採掘から加工、輸送、販売までを手掛ける日本最大の鉱業会社である。
その手広さは、厚木重工業が「ETCからICBMまで」と言われるのに倣って、大陸鉱業は「リチウムからウランまで」「水素(石油、ガスなど)からウランまで」「元素表のコンプリーター」などと呼ばれていることにも窺える。
同時に、4大鉱業メジャーの中で唯一の非英国系企業(アングロ・アメリカンはイギリス、BHPビリトンとリオ・ティント
2018-03-14T21:17:32+09:00
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あなたがいるだけでは何にもならない
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2015-12-01T14:39:35+09:00
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