Meadow


Meadowはテキストエディタの一種です。たぶん「めどう」という発音でよいかと思われます。以下では、WindowXPに導入する際の手順について、特にRとLaTeXとの関係から示します。他のOperating Systemについては扱いません。


Meadowの利点

  • 様々なソフトをMeadow上で統一的に扱える。
  • 各種コマンドやかっこの補完機能がる。
  • Meadow用に種々のLispが用意されており、それぞれのソフト単体よりも拡張された機能が使える。

Meadowの入手方法

Meadow公式サイトで入手できます。

Meadowのインストール方法

  • Meadow公式サイトにあるNetinstallerを使い、C:\の下にmeadowというフォルダを作り、そこにインストールしてください。インストール途中でどれをインストールするか聞かれますが、とりあえず全部入れておきましょう。
  • C:\の下に、homeというフォルダを作ってください。
  • Cygwinというものを導入します。Cygwinはこちらから手に入ります。これを、C:\の下にcygwinというフォルダを作り、そこにインストールしてください。
  • Windowsの環境変数を変更します。環境変数は、「マイコンピュータ」のアイコンの上で右クリック→プロパティ→詳細設定→環境変数、というようにしてたどり着きます。
  • 環境変数には、「ユーザー」と「システム」の2種類があります。まず、「ユーザー」側で、新規をクリックします。そして変数名に「HOME」、変数値に「C:\home」を書き込み、OKをクリックします。
  • 同じ要領で、ユーザー側に、変数名「LANG」、変数値「ja_JP.SJIS」と、変数名「TZ」、変数値「JST-9」を追加します。
  • 同じ要領で、システム側に、変数名「Path」、変数値「C:\cygwin\bin」を追加します。Pathは、人によってはすでに存在するかもしれません。
  • .emacsというものを追加します。これは、Meadowをカスタマイズするためのファイルです。ファイル名は、.emacsとしてください。メモ帳などに内容を書いて、保存するときにファイル名を.emacsにし、ファイルの種類を、「全てのファイル」にすれば保存できるはずです。.emacsはC:\home\の下において下さい。

.emacsの設定

Meadowのインストールにおいて、.emacsの設定が一番重要であり、かつ最も難しい箇所です。新しくMeadow上でソフトを動かすためには、Lispというものを使うのですが、そのLispのMeadowへの読み込ませ方を.emacsで設定します。また、Meadow本体のフォントの設定なども.emacsに書き込みます。Meadowがらみのトラブルのほとんどは、.emacsを修正することで対応できます。具体的な書き方は、こちらを見てください。

Meadowの基本的な操作方法

Meadowでは、キーボードのみを使ってカーソルを動かしたり、文字を選択したりします。マウスも使えますが、慣れてしまえばマウスを使うよりずっと楽です。頑張って慣れましょう。
以下では、CtrlキーをC、AltキーをMと示します。
またC-xだったら、Ctrlキーを押しながらxキーを押す、という意味です。

コマンドの強制終了

最初のうちは入力がうまくいかないときもあるでしょう。あるいは命令を取り消したいときがあると思います。そのときは
C-g
を入力してください。

ファイル操作

Meadowでファイルを開いたり、閉じたり、保存したりするのに使うコマンドです。
  • C-x C-f:このコマンドを入力すると、画面の下のほうに灰色の細長い棒が現れます。これを、コマンドラインといいます。コマンドラインにはパソコンのフォルダ構造が示されており、ここに、開きたいファイルがあるフォルダまでのパスを入力し、Enterすることでファイルが開けます。
  • C-x C-s:現在開いているファイルを上書き保存します。
  • C-x C-w:現在開いているファイルを、新しい名前で保存します。

カーソルの移動方法

まずは基本。カーソルをキーボード上から動かしましょう。
  • C-f:カーソルを一文字分だけ右に動かす(forward)
  • C-b:カーソルを一文字分だけ右に動かす(back)
  • C-n:カーソルを一行下に持っていく(next)
  • C-p:カーソルを一行上に持っていく(previous)
最初は慣れです。とりあえず何回も繰り返しましょう。慣れれば絶対使いやすいです。大きくカーソルを動かしたいときは、
  • C-a:カーソルを、行頭に持ってくる。
  • C-e:カーソルを、行末に持ってくる。
  • C-v:カーソルが、ちょうど今表示されている部分の一番下に行く。
  • M-v:C-vの逆。カーソルが、今表示されている部分の一番上に行く。
ちなみに、実際に使うときは、例えばC-fの場合、一回一回Cを押しながらfを押して、両方離して、またCを押しながらfを押して...というわけではなく、Cを押しっぱなしにしながらfを何回も押すだけで、どんどんカーソルが進みます。

コピペ、選択

  • (スペースキー):スペースキーを1回押し、カーソルを動かすと、カーソルを動かした部分の色が変わり、選択されている状態になります。
  • C-w:選択された場所を切り取ります。
  • M-w:選択された場所をコピーします。
  • C-y:コピーまたはペーストしたものがある場合、貼り付けます。

ウィンドウに関する操作

Meadowでは複数のウィンドウを同時に開くことができます。ウィンドウの開き方、閉じ方、ウィンドウ間の移動の方法などを紹介します。
  • C-3:画面を縦に2つに分けます。
  • C-2:画面を横方向に2つに分けます。
  • C-o:ウィンドウ間を移動します。
  • C-0:今カーソルがあるウインドウを閉じます。
  • C-k:今カーソルがあるウィンドウの「内容」を閉じます。ウィンドウはそこに残りますが、編集していた中身を閉じる、ということです。

Meadow本体の操作

  • C-z:Meadowを最小化する。
  • C-x C-c:Meadowを終了する。

YaTeXの導入

Meadow上でLaTeXを使うために必要なものです。Winshellなどで作業をしていると、コマンドの打ち込みがわずらわしく、かつちゃんと打ち込めているかわかりません。YaTeXを使えば、このような苦労は全てなくなります。

YaTeXはMeadowのインストール時にすでに含まれているはずなので、忘れずに選択しておいて下さい。

.emacsへ加えるもの


ESS(Rを使うため)の導入

ESSを使えば、RをMeadow上で使うことが可能になります。RとLaTeXが同時にMeadow上で使えるようになると、研究はかなり楽になります。

ESSの入手方法

こちらから入手できます。一番数字が新しいバージョンを手に入れておけばよいでしょう。Windowsなら、zip形式のファイルを手に入れておけば、簡単に開くことができます。

設定方法

  • 先ほどダウンロードしたESSを解凍し、フォルダの中の「lisp」というフォルダをコピーします。これ以降使うのは、このコピーしたフォルダだけです。
  • コピーしたlispというフォルダの名前を、わかりやすくするためessとでも変えておきましょう。
  • essと名前を変えたフォルダを、C:\meadow\etc\と、C:\meadow\site-lisp\の両方にコピーします。
  • .emacsに、下の設定を書き込みます。
  • これらがうまくいくと、Meadowを起動した後、
M-x R
と打ち込んでEnterすることで、Meadow上でRが起動します。ちゃんと起動した場合は、英語で、Rを起動したときに出る、

R version 2.4.1 (2006-12-18)
Copyright (C) 2006 The R Foundation for Statistical Computing

といった文字が出るはずです。

.emacsへ加えるもの

(require 'ess-site)
(setq auto-mode-alist (cons (cons "\\.r$" 'R-mode) auto-mode-alist))
(setq-default inferior-R-program-name "C:/r/R-2.4.1/bin/Rterm.exe") #個人によって違う
です。一番下の、Rが入っているフォルダまでのパスは、Rのバージョンや、個人のフォルダの作り方によって違うので、適時書き換えてください。
最終更新:2009年12月18日 21:14