NKiD-07
開発の経緯
宇宙の脅威と技術提供
20070906、
MPK4501より設計図がもたらされる。絢爛世界を崩壊させ、Fの艦隊を消滅させた原因として白オーマの存在が示され、それに対抗すべく「顔のない男」(通称ロボ)、キノウツン藩国、そして無名騎士藩国に対し技術提供が行われた。
200711後半 本格的な機体製作に着手。基本性能要求は以下の通りである。
- 宇宙空間戦能力及び大気圏内飛行能力
- 最大加速1600G
- 相転移ジェネレータの導入
- 近距離~超遠距離の高機動射撃戦闘能力
- 対絶技機能の付加
- Fタイプの操作インターフェイス
- パイロット1名によって操作できるウェポンシステム
- ジェネレータ搭載母機、及び僚機とのリンクシステム
XNK-07と命名された試作原型機は合計で9機が製造された。
01 |
飛行試験機(通常コクピット仕様) |
02 |
飛行試験機(通常コクピット仕様) |
03 |
義体制御テスト |
04 |
宇宙運用テスト |
05 |
レーダー、アビオニクステスト |
06 |
武装テスト |
07 |
高機動パック運用評価 |
08 |
対絶技装備テスト |
09 |
最終調整 |
20071202 エンジンテストを経て小笠原実験場に持ち込まれた
試作1号機の
飛行試験が行われたが、冷却能力不足により飛行に失敗。
20071224 天領実験場にて、試作1号機から大幅に設計を変更した
試作2号機の
飛行試験が行われた。テストパイロットとしてカール・ドラケンが搭乗、初飛行に成功。なおこの際、エネルギー転送限界を超えた領域において滑空飛行を行い転送領域に復帰した。大気圏内においては有効な処置であると判断し、以後の機体に滑空用制御プログラムを実装。
20080223 試作2号機を改装したNKiD-07A-02Dの緊急投入
2008???? 試作3号機の稼働試験(予定)
2008???? A型の量産開始
2008???? B型、B+型の量産開始。ここまでに生産されたA型は全て改修されB型と同仕様とされた
諸元
全高 |
16.2 m |
乾燥重量 |
114.2 t |
パイロット |
通常型 1名 -指揮官型 ホープ/舞踏子タイプ 1名(直接接続) もしくはAI知類 |
装甲形式 |
セミモノコック式複合装甲 |
動力源 |
外部相転移ジェネレータ |
主推進方式 |
MPDアークジェット 45700 t ×4 |
推進剤 |
水その他(冷却材・耐レーザー材兼用) |
真空最大加速度 |
1600 G |
冷却系 |
ペルチェ型放射冷却ラジエーター ノズル部再生冷却システム |
制御系
全ての伝送経路はEMPの影響を受けない光回路で形成。運動神経系(駆動信号伝達経路)は5重のサブシステムが組み上げられ、知覚神経系(体内モニタ系センサ)は通常I=Dの10倍以上、神経節として人体と比較しても遜色ない数が備えられている。
いわゆるノーマルコクピットタイプ。RB流星号でも採用されていたタイヤキ式である。パイロットは十分にサイボーグ化(耐G型)されている必要がある他、機体との神経回路接続によって部分的な直結制御を行う。
BALLSは2機が搭載され、機体制御と火器管制をそれぞれ行う。
人類の肉体限界を超えた高機動を実現するため、通常のコクピットを排除。搭載したBALLSにホープ/舞踏子の記憶チップを直接接続し、機体そのものを義体として制御するタイプ。直接制御方式としたことで、肉体を介することによる反応の遅れを避けることに成功した。
機械の速度で思考し直結駆動を行う恩恵は明らかで、20kmも離れていれば核起爆型機動爆雷の爆散破片を回避・迎撃することすら可能だった。実戦ではホープ/舞踏子の未来予測との併用で予測射撃/回避を行う。
型式番号の第2項末尾に「+」がつくことで通常型と区別される。
セキュリティ・コントロール
機体と搭乗者を一体化するということは、搭乗者が機体の影響を強く受けるということである。特にハッキングやクラッキングなどのソフト面でのダメージは致命的な結果に繋がることが予想され、厳重な対策が施された。
フィジカルコントロール
搭乗者(主制御BALLS)への物理的ダメージを遮断すべく、耐衝撃材層・電磁遮蔽層・強制冷却機構が実装された。
テクニカルコントロール
搭乗者の記憶・思考への介入を避けるためのセキュリティ。全ての情報入力経路は搭乗者側から即時遮断可能とされている上、物理切断機構を装備。入力情報はサーキットゲートウェイで検査された上で中枢に渡されることになる。
ジェネレータ
動力源は機体内にはなく、母艦/母港の相転移ジェネレータからリアルタイムで転送される(なお相転移ジェネレータそのものは1km×1kmほどの大きさがあるため、およそ機動兵器に搭載できるものではない)。このエネルギー転移の原理は人類には知られておらず完全なブラックボックスとなっているが、おおよそ10000kmまでは転送精度が確保されている。本機の単独行動半径はこの転送限界と等しくなるが、ごく短時間であれば機体内のコンデンサに蓄積された電力によって約30%の出力で稼働可能である。
機体基本構造
基本構造は従来のI=Dと大差ないが、無重力環境で鋳造された単結晶金属によるフレームとインテリジェントマテリアル(自己診断性、自己修復性、必要時の自己崩壊性を持つ材料)によって極大Gに耐える強度を得ている。
装甲
装甲は5重構造とされている。
第1層:表面可変反射層 |
対レーザー用の電磁波完全反射から、電磁偽装用の完全吸収までを自由に切り替えることが可能。部分ごとに反射率を変えることで、デブリなどへの電磁偽装も行える。レーダーセンシング時は透過モードとなる。 |
第2層:対絶技パターニング層 |
対絶技用の紋様(精霊回路)を表示する。回路は「シオネの円環」(リューンを吸収して無限に回転力を上げる円盤を召喚する)を基本とし、平常時に周辺リューンを取り込まないよう、絶技攻撃を受けた際のみ表示される。発動には口上の詠唱が必要とされるため、 |
第3層:レーダーモジュールシート |
フェイズドアレイ式レーダー素子がシート状に並べられている。このレーダーシートにより、機体全体をレーダー送受信機として使えることになる。 |
第4層:再生層 |
インテリジェントマテリアルで構成され、第5層に穴が開いた場合はこの層が成長して穴を埋めることになる(強度はやや落ちる) |
第5層:主構造層 |
セミモノコック構造を構成する高強度層。 |
推進系
主推進系はMPDアークジェット(推進剤を高電流で電離・プラズマ化させ、ローレンツ力によって強制排気する方式)。この方式では推進系が非常にコンパクトになる他、電力を高効率で推進力に変換できるために採用された。電極部分の消耗は非常に激しく、出撃ごとの交換が必要である。
兵装
武装はレーザー砲に統一されており、白兵戦は考慮しない。
名称 |
NLL-301B レーザー砲 |
口径 |
1,000 mm |
スポット径 |
6 mm |
最大射程 |
47,000 km |
最大連射速度 |
|
腕部に搭載された主武装。
名称 |
NLM-305b レーザー砲 |
口径 |
480 mm |
スポット径 |
5 mm |
最大射程 |
19,000 km |
胸部に搭載された副砲。
名称 |
NLS-401A レーザー砲 |
口径 |
50 mm |
スポット径 |
2 mm |
最大射程 |
800 km |
脚部・腕部に分散配置。短距離でのデブリ迎撃や実体弾防御を担う。対機動兵器用としても充分な出力を持つ。
※スポット径=焦点直径のこと
外部センサ
- アクティブセンサ
- フェーズドアレイレーダー
- 高エネルギーLLS型LIDARシステム
- Laser Imaging Detection and Ranging。搭載レーザ砲の反射(後方散乱)を利用したレーザーセンシングシステム。レーザー砲を低エネルギーで連続点射することで対象空間のスキャンを行い、反射によって命中を、反射時間によって距離を知ることができる。
- レーザーはレーダーよりも波長の短い電磁波であるため分解能が高く、推進剤の雲なども検出可能である。
- パッシブセンサ
- CCDイメージセンサ
- レーザー干渉型重力波センサ
- 他、音響、圧力等…
主な運用
高機動超遠距離砲戦
LIDARシステムを使用することにより、通常のレーダーやセンサーでは確認不可能な超遠距離からのレーザー砲撃を行う。またレーザーとその反射波による索敵・レーザーによる攻撃がほとんどタイムラグなしに行える。
標準砲戦距離18000kmにおいてLIDARによる索敵を行った場合、反射波が到着した0.02秒後に本射撃したとして、着弾までに要する時間はセンシング点射を行ってから約0.20秒であり、攻撃対象が100G加速を行っていたとしても移動距離は196mにとどまる。すなわち、着弾点を中心に半径200m範囲を満遍なく砲撃すれば効力射が得られるというわけである。通常型パイロット(おおむね10~20G程度が肉体限界である)の搭乗する目標を狙うのであれば、0.2秒間ではどう頑張っても40m程度しか移動することができず、本斉射を回避することはかなわない。
考え得る限り最悪の条件…加速力2000G、砲戦距離47000kmにおいて戦闘を行う場合でも、攻撃範囲は半径9.6kmの円内となり、充分に攻撃可能な範囲である。
レーザー砲装備機同士の戦闘においてはランダム加速を行いながらの射撃戦となるため、異次元の加速力を持つ本機は(同程度の性能を持つ敵機が出現しない限りは)圧倒的優位に立つことができる。
運用上の制限
基本的にジェネレータから一定以上離れることができないため、長距離侵攻作戦などではジェネレータ搭載母艦を必要とする。
対絶技戦を考慮し、リューンの汚染を防ぐためにパイロットは士族以上であることが必須である。
指揮官型はパイロットの特殊性から緊急出撃には向かない。
派生型
NKiD-07A
初期生産型。実戦運用の前に対絶技装甲に欠陥があることが発見され、急遽改修された。
NKiD-07A-02D
XNK-07-02の実戦仕様改修機。パーソナルネームは「クリスマス」。スペック、外見ともにA型に準じる。
NKiD-07B
絶技装甲への
NKiD-07B+
B型の指揮官型。前述の制御系換装(こちらが本来の姿とも言える)の他、背部に高機動パックを装着、通信系を強化。パック装着位置は既存スラスターと干渉しないように配慮されている。重量増加分の推力アップに加え(機体強度との兼ね合いで最大加速度自体は変化していない)、大容量タンクを備えることで航続距離を1.6倍に向上させた。武装に変更はない。
全高 16.4m
乾燥重量 125.2t
推力 45700t×4+17600t
最終更新:2008年03月31日 00:56